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【RFM】医療従事者だからこそできる『実学』

📖 今日の教え

原文
子曰く、弟子(ていし)入りては則ち(すなわち)孝、出でては則ち悌、謹みて信あり、汎く(ひろく)衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あれば、則ち以って文を学ぶ。


先生(孔子)がいわれた。『若者たちよ、家庭に入れば親に孝行を尽くし、家庭を出れば地域社会の年長者に従順に仕え、言行を慎んで誠実さを守り、誰でも広く愛して人徳のある人格者とは親しくしなさい。これらの事を実行して余力があれば、そこで初めて書物を学ぶとよい。』

🌱 考察

渋沢氏はこの教えをもって、「とにかく若いうちは走りながら考えよ」と述べている。
今回は、特に「走りながら」の部分に注目したい。

以前の記事で、昔のアンケート調査でこのような回答が得られたという話をした。

家族との時間に気持ちが向いているので、勤務時間外での勉強会など自己研鑽を積極的に行う余裕がない

ゆっくりと腰を据えて、静かな場所で、黙々と、、、
確かに、こんな環境で「勉学」を行うことは難しいかもしれない。
しかし、孔子が目指している学問は、あくまで「実学」である。
この実学とは何か。
渋沢氏は、上記の教えのように、親に孝行を尽くし、年長者に従順に仕える
中で実際に人の道を学びとることが実学である、と述べている。

さあ、医療現場ではどうだろうか。
・・・「実学」の宝庫ではないだろうか。

私自身、患者さんから学んだことはかなり多い。というか、毎日多くのことを学んでいる。私たちにとって、ほぼ全ての患者さんは「年長者」であり、「従順に仕える」べき存在なのである。
だから、患者さんの話に耳を傾け、「患者さんから学ぶ姿勢」を身に付ける。これが非常に大切だと思う。
この、「患者さんから学ぶ姿勢」というのは、難しいケースと出会って、勉強して、症例報告して、、、だけではない。むしろ、患者さんが発する言葉、そのすべてが、私たちにとっての「学び」なのだ
そう考えると、臨床が、楽しくてしょうがない(ちょっと変態?)

そうやって学んだことは、決してセミナーや論文で学べることではない。
患者さんが発した言葉を受けて、私たちが「何か」を学び取る。
その「何か」は人それぞれであるし、科学的でもなければ、もしかすると言語化することさえ難しいことかもしれない。だが、それが素敵ではないか。

私たちは科学と向き合っているのではなく、目の前の患者さんと向き合っているのだから。

もちろん科学的根拠は大切だし、論文を読むこと・発表することも大切だ。ただ、もしそうした時間がなくても、私たちは日々患者さんから「何か」を学び、目の前の患者さん、そして次の患者さんへと、還元していこう。


最後に、谷川俊太郎さんの詩を紹介する。きっと、「何か」を学ぶヒントが得られるはずだ。

〈何か〉の中から 宇宙が出てきた
宇宙の中から銀河が出てきた
銀河の中から太陽系が出てきた
太陽系の中から地球が出てきた
地球の中からマグマが出てきた
マグマの中から女が出てきた
女の中から男が出てきた
男の中からウイルスが出てきた
ウイルスの中から〈何か〉が出てきた
宇宙のマトリョーシカ 谷川俊太郎

空 ありがとう
今日も私の上にいてくれて
曇っていても分かるよ
宇宙へと青くひろがっているのが
花 ありがとう
今日も咲いていてくれて
明日は散ってしまうかもしれない
でも匂いも色ももう私の一部
お母さん ありがとう
私を生んでくれて
口に出すのは照れくさいから
一度っきりしか言わないけれど
でも誰だろう 何だろう
私に私をくれたのは?
限りない世界に向かって私は呟く
私 ありがとう
ありがとう 谷川俊太郎

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本記事は、以下の本を参考に作成しています。

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