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加齢の影響は筋肉の量より質?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

健康な女性の体幹筋の筋厚とエコー強度の加齢変化:20~60代の比較

Ota M, Ikezoe T, Kato T, Tateuchi H, Ichihashi N. Age-related changes in muscle thickness and echo intensity of trunk muscles in healthy women: comparison of 20-60s age groups. Eur J Appl Physiol. 2020 Aug;120(8):1805-1814.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

✅ 結論
筋肉の量よりも筋肉の質の方が加齢の影響を受ける可能性があり、加齢の影響は筋肉によって異なることが明らかになった。

[目的]
本研究の目的は、幅広い年齢層の被験者を対象に、体幹の筋厚と筋エコー強度の加齢変化を調べることである。

[方法]
被験者は健康な女性112名(年齢層20~60代)。腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、脊柱起立筋、腰部多裂筋を調べた。年齢別の違いを確認するために、線形混合効果モデルを実施した。

[結果]
腹直筋と外腹斜筋の筋厚は、50代と60代では20代に比べて有意に減少し、脊柱起立筋の筋厚は、60代では20代に比べて有意に減少した。しかし、その他の体幹筋の筋厚には、年齢層間で有意な差は見られなかった。その他の年齢層では、腹筋のエコー強度が20代に比べて有意に増加し、40歳以上の年齢層では、背筋のエコー強度が20代に比べて有意に増加した。

[結論]
今回の研究により、筋肉の量よりも筋肉の質の方が加齢の影響を受ける可能性があり、加齢の影響は筋肉によって異なることが明らかになった。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅近年は、骨格筋の質的変化が注目されている。臨床においても、単純な筋出力の低下を評価するだけでなく、「質的変化はどうかな?」という視点ももつことが大切だろう。

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以下の研究で、骨格筋の質的評価法が紹介されている。

高齢期における骨格筋の質的評価法の確立とその臨床応用

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