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脳卒中患者に対する呼吸筋トレーニングで、歩行能力が改善する

▼ 文献情報 と 抄録和訳

脳卒中患者の肺機能と歩行能力に対する呼吸筋トレーニングの有効性について メタアナリシスを含むシステマティックレビュー

Pozuelo-Carrascosa DP, Carmona-Torres JM, Laredo-Aguilera JA, et al. Effectiveness of Respiratory Muscle Training for Pulmonary Function and Walking Ability in Patients with Stroke: A Systematic Review with Meta-Analysis. Int J Environ Res Public Health. 2020 Jul 24;17(15):5356. 2.9

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 結論
呼吸筋トレーニングは、脳卒中後遺症患者の呼吸機能と歩行能力の改善に有効である。

[背景]
脳卒中による神経学的機能障害は、四肢や体幹の筋肉だけでなく、呼吸筋にも影響を及ぼす。

[目的]
脳卒中後の患者の呼吸機能パラメータと機能的能力を改善するための呼吸筋トレーニング(RMT)の効果について、利用可能なエビデンスを総合すること。

[方法]
MEDLINE、EMBASE、SPORTDiscus、PEDro、Web of Scienceの各データベースで、開始から2020年5月までの期間、系統的な電子検索を行った。研究の選択とデータ抽出:脳卒中後の患者を対象に、RMTと非RMTまたは偽RMTの効果を検討した無作為化対照試験(RCT)。呼吸機能、呼吸筋力、機能的能力(歩行能力、呼吸困難、バランス、日常生活動作)に関するデータ、研究の特徴、RMT介入の特徴(RMT運動の種類、頻度、強度、持続時間)を抽出した。2人の査読者が独立して研究の選択とデータの抽出を行った。

[結果]
19件のRCTが研究基準を満たしていた。RMTは、1秒目の強制呼気量(FEV1)、強制バイタル容量(FVC)、ピーク呼気流量(PEF)、最大呼気圧(MEP)、最大吸気圧(MIP)、歩行能力(6分間歩行試験)を改善したが、Barthel index、Bergバランススケール、呼吸困難は改善しなかった。

[結論]
RMTの介入は、脳卒中後遺症患者の呼吸機能と歩行能力の改善に有効である。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅呼吸筋機能は運動パフォーマンスに関わっていることを、最近よく耳にする。それは当然スポーツ選手に限らず、様々な疾患における歩行能力の向上にも寄与しているのだろう。

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また話が少し逸れるが、私は現在、スイマーズショルダーの子を担当している。水泳選手を担当するのは初めてであるから、色々調べているのだが、水泳選手における”呼吸筋”も、着目すべき点であることが以下の記事でよくわかる。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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