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歩行瞑想はバランス能力を向上させる

▼ 文献情報 と 抄録和訳

歩行瞑想は高齢女性の足首のプロプリオセプションとバランス能力を促進する

Chatutain A, Pattana J, Parinsarum T, Lapanantasin S. Walking meditation promotes ankle proprioception and balance performance among elderly women. J Bodyw Mov Ther. 2019 Jul;23(3):652-657.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

✅ 結論
歩行瞑想は高齢者のバランス感覚と足首の再配置感覚を改善した。バランスと足首のプロプリオセプションを促進するためのトレーニングの代替手段として使用することができる。

[背景]
プロプリオセプションの加齢による変化は、高齢者の身体バランスに影響を与える。マインドフルネスの一つである歩行瞑想(WM)は、ゆっくりと歩きながら脚の動きに集中することで、知覚やバランス調整のための脳のプロセスを改善する可能性がある。本研究では、WMが高齢者の足首の固有感覚とバランスに及ぼす影響について検討した。

[方法]
参加者:69.25±6.06歳の女性58名を対照群(n=29)とWM群(n=29)に無作為に割り付けた。
介入:WM群では8週間のWM練習(30分/日,3日/週)を行った。
アウトカム:足首の再配置テスト(AAE)の絶対的角度誤差は,電気式ゴニオメーターで測定した。バランスパフォーマンスは、Berg Balance Scale(BBS)、Functional Reach Test(FRT)、Timed Up and Go test(TUG)を用いて評価した。

[結果]
✓ベースラインではWM群と対象群の間にAAE、BBS、FRT、TUGの差は見られなかった。
✓トレーニング後、WM群はAAEの有意な減少(2.4±0.9°)を示し、BBS、FRT、TUGの改善を示した(p<0.01)。
✓対照群では、AAEに変化はなく、BBSとFRTが大幅に減少し、TUGが遅くなった(p < 0.01)。
✓トレーニング後、WM群は対照群と比較してAAE、BBS、FRT、TUGの有意な改善を示した(p<0.001)。

[結論]
WM練習は高齢者のバランス感覚と足首の再配置感覚を改善した。バランスと足首のプロプリオセプションを促進するためのトレーニングの代替手段として使用することができる。この結果は、身体トレーニングを行っていない高齢者ではバランス能力が悪化することを裏付けた。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅今回は、対象群は特に何も介入していないから、普通のウォーキングと歩行瞑想の効果の違いは分からない。ただ、歩行瞑想は身体活動という側面において、バランス練習としての側面が強いと感じた。

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以下の記事に歩行瞑想やその他の瞑想の説明が分かりやすくされている。

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