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『関ヶ原』

関ヶ原(上巻、中巻、下巻)
著者:司馬遼太郎

言わずと知れた、司馬遼太郎さんの代表作。
歴史的にも有名な『関ヶ原の戦い』を舞台にした小説で、学校で日本史を勉強して来なかった人も、これをきっかけに歴史本を好きなれる、そんな小説。
日本の歴史ってこんなにドラマチックで面白いと気付かされる、全3巻のシリーズ本。

こんな人にオススメ

これまで日本史を避けてきて、きっかけを失ってしまったけど、教養として勉強しなきゃなと思っている方には本当にオススメです。
豊臣家から徳川家へと天下が移るという、日本史の中で最も有名な出来事の1つ、『関ヶ原の戦い』の前後を描いた小説であり、非常にとっつきやすい内容となっています。
石田三成や伊達政宗、上杉景雄、加藤清正など、有名な戦国武将が続々と登場するところも、この小説の醍醐味です。
日本史や歴史小説に苦手意識がある人にほど、読んでほしいシリーズです。

あらすじ

1590年に豊臣秀吉が天下統一を果たした後、秀吉の高齢化に伴い、世継ぎ問題や秀吉のご乱心が巻き起こるが、その裏で徳川家康は着々と力をつけていた。
その後、1598年に豊臣秀吉は病死。
その際「大名家どうしの政略結婚」を禁止する遺言を残していた。
これは秀吉の死後、豊臣家の預かり知らないところで大名が力をつけ、豊臣家の脅威にならないようにするためであった。
この秀吉の遺言に背いたのが徳川秀吉。
伊達家や福島家などと政略結婚を進め、強大な力をつけていく。そこに待ったをかけたのが、豊臣秀吉の懐刀である石田三成であった。
東の大将 豊臣秀吉と西の大将 石田三成(表面上は毛利輝元)は、知略・政略を駆使した頭脳戦を繰り広げ、1600年関ヶ原の戦いへと突入していく。
誰が味方で誰が敵か、利害と打算、駆け引き渦巻く大合戦。
友情と仁義、恩義が生み出すヒューマンドラマ。
どのようにして徳川家康は天下統一を成し遂げるのかを描いた歴史小説となります。

『関ヶ原』シリーズの特徴

小説内での家康に関する描写はいちいち辛辣で、著者の司馬遼太郎さんは家康が好きじゃないんだなということが、笑えるくらい伝わってきます。
最後は徳川家康が勝利を収めるものの、話の道中は完全に石田三成よりでストーリーが展開されていきます。

また、家康vs三成という構図の中で、沢山の戦国武将が登場し、彼らのサブストーリーが展開していきます。秀康への恩顧と、家康に嫌われることへの恐怖の狭間に立たされた武将たちの苦悩と決断は読みごたえありです。

『関ヶ原』シリーズの楽しみ方

まずは純粋にストーリーを堪能してください。
そして、このシリーズの続編『城塞(上巻、中巻、下巻)』も、ぜひお楽しみください。
このシリーズは、関ヶ原の戦い後に起こる合戦、大阪冬の陣・夏の陣、そして豊臣家の滅亡までを描いたシリーズとなります。


これらのストーリーを読み進める中で、きっと応援したくなる武将が出てくるかと思います。それは家康かもしれませんし、三成かもしれません。はたまた、真田幸村や福島正則、本多忠勝などのサブキャラかもしれません。
好きな武将が見つかれば、次はその武将にフォーカスした小説を読んでみてください。
司馬遼太郎さんや池波正太郎さん、山本泰生さんが様々な武将にフォーカスした小説を執筆されています。

ちなみに私は、関ヶ原シリーズを読んで、2人の武将にハマりました。
それは、石田三成の側近である嶋左近。
そして、立花宗茂。彼は石田三成軍について関ヶ原の戦いに負けたため、全ての領地を没収されますが、その人格と軍事能力と高さを買われ、最終的には徳川秀忠のアドバイザーへと返り咲いた名将です。

日本史に触れるのに打ってつけの良書。
よろしければ読んでみては。

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