【地球のプラズマ圏を引っ張る】月は地球の磁気圏を引っ張る引力を持っていたぞ

暗殺教室という漫画に、殺せんせーが月をまんま三日月のようにしてしまって、自分の要求をのませるよう日本政府に恫喝するという第1話。この月はいずれ自分の重力でぎゅっと丸くなって、一回り小さな衛星として地球を回り続けてくれるらしい。

月の裏側は地球に降り注ぐ小型の隕石等々を受け止めていて、なかなかにおぞましさを感じる表面になっている。

地球のために傷だらけの背中を見せることも無く、つねに封中な姿を見せてくれている。なお、この月が無くなったらどうなるのか、最近AIを導入したBingに聞いてみた。

月が無くなると地球の公転に影響があります。月は地球と重力で結びついているので、月が無くなると地球は反動で反対側に加速されて、公転軌道が僅かですが変化すると考えられます1。また、地球の自転速度も速くなり、1日が5~6時間ほど短くなるかもしれません2。これは地球の気候や生命にも危機的な影響を与える可能性があります34
月は地球にとって大切な存在ですね。

月が無くなると地球の公転に影響ありますか? Bing

月が無くなってしまったら、人類の文明はおろか、生態系にも深刻な影響があるだろう。このことを踏まえてみると、よその惑星の衛星の場合も同じことがいえるのかもね。


Nature Physicsに掲載された研究論文で、月は、地球の超高層大気を取り込む「プラズマ圏」によって、これまで知られていなかった潮汐力を及ぼし、海の潮汐に似た変動を生み出していることが明らかになった。

この研究は40年以上にわたって、人工衛星が収集したデータを用いて、太陽嵐やそのほかの高エネルギー粒子から地球を守る磁気圏の内部領域であるプラズマ圏の形状の微細な変化を追跡した。

プラズマ圏は、地球の磁力線の上にあるドーナツ型の冷たいプラズマの塊で、電解槽のすぐ上に位置している。プラズマ層のブラズマは、磁気圏の外側の領域よりも密度が高く、磁気圏の底に沈んでいる。この高密度に沈んだプラズマと磁気圏の他の部部との境界をプラズマポーズという。

その冷たく高密度なプラズマの性質から「プラズマの海」と見なすことができて、プラズマの形は海の表面を表していると論文には書かれている。月の引力によってこの海がゆがみ、海の潮流のようにその表面を上下させる。

月が地球の海や地殻、地磁気、大気圏下層部のガスに潮汐力を及ぼすことがすでに知られている。しかし、プラズマ圏には潮汐力があるかはまだ検証されていなかった。

今回の研究では40年以上にわたって記録したプラズマ層5万回以上横断したデータを分析した。この情報により、地球の磁気圏に対する太陽活動の役割を考えることができた。プラズマの形状の変動が、海の潮流と非常によく似た日や月のパターンに従っていることが明らかになり始め、月がプラズマ圏の最も有力な原因であることが示された。

「観測されたプラズマ圏は宇宙インフラや宇宙での人間活動に対する危険として知られる高エネルギー放射線帯粒子の分布に微妙な影響を与えているのではないかと考えられている」とのこと。

宇宙は海のような何かだなってなんとなく感じる。自分らには感じない弱い波が大きくて広い海を引っ張っているとか、ロマンを感じるけれども、地球の電磁場に大きな影響を与えているとするなら、電子機器で囲まれている自分たちの生活を脅かされかねない。地球の上でも災害が起こるけれども、宇宙から来る災害にはまるで無力なので、こういった研究が進んで本当の意味での天災をしのげるくらいにはなっておかなきゃなと思う。


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