コミケの戦利品を紹介していく3 C100

去年のコミケット99は入場者数を控えて開催したので比較的、過ごしやすく回れたわけですが、今回はその倍の入場者数。一般列もそれなりにディスタンスを保っていましたが、有効なものであるかというとそういうものではなく、行列が出来たところはしっかり出来ていたので、危険と言えば危険ともいえました。そういう懸念もあったのですが、いつものコミケの雰囲気を取り戻しつつあるという感情の方が強かったです。


今年の7月24日に打ち上げられた日本国内初の超音速燃焼実験機RD1(Research and Development 1)についてまとめたもの。超音速ではなく、極超音速での飛行を可能にさせるというスクラムジェットエンジンの燃焼器部分の検証を行う機体。この目的について、基本から始まり未来についての考察をしていく。

極超音速とは、マッハ数5「より」大きい領域を意味している。マッハ5以上ではなくて、M>5ということ。M≧5ではない。

スクラムジェットエンジンとは、Supersonic Combustion RAMjetの略称。すなわち、ラムジェットエンジンの一種であり空気を圧縮する方法が特殊である。

詳しいことはとりあえずすっ飛ばして、

いずれは空想の域を出ないけれど、濃いメタンや水素大気を持つ惑星の低高度での観測飛行が可能ではないかとのこと。一見シンプルな設計に見えるこのエンジンが高度な制御と設計になっている。外惑星の水素大気中でも飛行できる観測機。ちょっとわくわくする。


アポロ計画に関わる主な地上設備から、月着陸船ルナモジュール、打ち上げロケットのエンジン他推進系をまとめ上げた力作。こんなに薄くても、情報量は満載。

映画アポロ11に触発され、一念発起して様々な資料をかき集めた書籍となっているという。イラストも精細ながら、とても魅力的。カワイイとさえ感じる紙面に情報がこれでもかと飛び込んでくる。宇宙を眺めている子どもにぜひ読ませたい。


2009年から19年までの高エネルギー加速器研究機構(KEK)のBelle測定器、およびBelle2測定器の変容を追いかけた写真集。


うんと小さくて肉眼では見えない物質をひたすら加速させて、それを観測することで、宇宙の真理に近づこうとしている。こういった試みはよその国でもやっているけれども、すぐに実入りが増えるわけでも無い将来の見通しもわからない基礎研究をずっと真剣に研究している。

これらの部品の一部は国立科学博物館に展示されている。これらの研究の成果がいずれ、宇宙誕生の真理にたどり着く道しるべになるのだろう。そのとき、自分たちの生活は一変するだろうし、もしかしたら、過去も未来も関係ない時間軸の世界を行き来するようになるかもしれない。突拍子も無い夢想だけれど、そんな可能性も否定できない。



所沢航空発祥記念館&零戦里帰りプロジェクトとして、分解された零戦の写真集。2013年に日本に里帰りした零戦52型は61-120オリジナルの栄エンジンを搭載した貴重な動態保存機。


プロペラの回りには当然ながらエンジンが配置されている。こののたうつプラグやパイプが激しく鼓動し、機体を前進させて空を飛ぶ。この機械はまさに心臓そのもので、むき出しの様子はグロテスクにも感じつつも、畏敬の念を感じてしまう。

筆者はこの零戦の保存活動を行っており、機体磨きを行っていた。その大きな写真には翼を広げている零戦の横になぜかメーヴェの姿が。

メーヴェとは、あのメーヴェ。風の谷のナウシカでナウシカが乗っていたジェットエンジンを搭載したグライダー。

まさか、所沢航空発祥記念館に補完されていたとは。

零戦の掃除をする時は、防水加工がされていないので、大量に水をかけて洗うことが出来ないという。砂埃をエアーやぞうきんで墜としたら、自動車用のディグリーザーでひたすら油汚れを落としていく。そのあとはワックスがけ。一夏の体験として、とても貴重だったのでは。

裏表紙にはピカピカになった零戦の写真が。さすがに飛ばせないだろうけれど、日の目を見るのは近いかもしれない。

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