【恐怖と嫌悪感が胃酸をふやす】感情と胃の関連性を調べたぞ

おしゃべりな腸という本の冒頭で、知人から何かおかしな匂いがすると気づいたあと、その知人は命を絶ったという話がある。その匂いは身体から漂っていたようで、調べていくうちに腸内細菌には様々な影響があると語られる。

腸内細菌に限らず、体中に発する匂いからは何らかのサインがあって、風呂に入っていなかったというわけでも無く、その人の食事や病気によって、漂う匂いが変わってくる。

胃酸過多があるひとは、口臭が酸っぱい匂いがすることがある。こういう方は、何か悩みがあって苦しんでいるんだろうなと思ってしまうので、距離を置こうとは考えなかったりする。


イタリア、ローマ・サピエンツァ大学の研究で、恐怖に対する胃のキリキリとした内臓の反応は単なる緊張では無く、胃のシステムが最悪の事態に備えているという。

人間の身体は、避けなければならないものを経験すると胃腸の働きが活発になり、吐き気を催すようにできている。この間各区は恐怖反応の一部となり、それに従って行動するようになっている。

しかし、胃がキリキリするといった恐怖の指標として、これまでは深く測定されていなかったのが胃の内部環境だった。イタリアの小規模研究チームが、消化器官を通過する際に酸度、温度、圧力を測定するセンサーを用いて、「消化器官の内腔環境」を調査した。

心理学的、神経学的、消化器系の既知の疾患を持たない健康な男性31人のサンプルを募集し、センサー、バッテリー、無線送信機を含む「スマートピル」を飲んでもらった。

これによって、内部から記録している間に、外部から消化器系の筋肉の電気活動や、そのほかの生理反応を測定した。

そのさいに、9秒間のビデオクリップの中から、楽しい、いやだ、悲しい、怖いといった内容のものを選び、4回の視聴セッションに参加してもらった。

すると、胃の感覚は恐怖のシーンで上昇し、嫌悪のシーンではピークに達した。また、悲しいシーンになると呼吸も上昇した。

消化器官は心の奥底で、より多くの胃酸を空洞に吹き込んでいた。嫌悪感のあるビデオクリップを見続けると、胃のpH値が低下していった。

ただ、今回の研究はボランティアの人数が少なく、結果を一般化するためにはもう少し人数が必要とのこと。

この結果を見る限りでは、ボランティアを増やせば一般的な結果に近づくだろうと思う。なんとなく合点がいく。

中間管理職などで、プレッシャーやストレスから胃を痛めるという描写を見かけるけれど、あれは嫌悪感が恒常的に続いているからであって、胃のpH値が下がり続けて、痛みが起きているんだろう。

社会生活の上では人間関係が欠かせないけれども、胃を痛めていると言うことは何らかの関係が不具合を起こしていると考えてもいいだろう。まあ、本人もうすうすは気づいているだろうし、すぐに解決できるものでもないだろうから、やむなく胃薬を常備するようになる。

口臭がある人がいたら、もしかしたら人間関係をこじらせているか、何か強いストレスを受けていると可能性を考えていいかもしれない。でも、大抵は歯磨きを忘れて、歯槽膿漏を起こしかけていたりね。胃液由来か歯茎由来かでちょっと匂いも違うみたいだけど。


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