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この宇宙はプラズマでできている vol.011

執筆:ラボラトリオ研究員  杉山 彰

2.3.インフレーション宇宙に畳み込まれていたモノとは

本レポートでは、“ゆらぎ”から生まれた「宇宙の種」を「ス」と同定し、さらに「インフレーション宇宙」を「天御中主神・言霊ウ」と同定して、インフレーション宇宙への相転移を試みようとしているのです。

では、いったいインフレーション宇宙「ウ」は、宇宙の種「ス」から、何を継承されたか・・・。

私たちの肉体はもちろん、この宇宙森羅万象のすべての物質をかたちづくるための(素材の素粒子)と、その素材の素粒子を結びつける(力を伝える素粒子)が「ス」から継承されたのです。

前者の素材の素粒子はフェルミオン(※1)(フェルミ粒子)と呼ばれ、全部で12種類あるのですが、重いフェルミ粒子をクォーク、軽いフェルミ粒子をccと区分しています。

後者の力を伝える素粒子はボソン(※2)(ボース粒子)と呼ばれ、全部で5種類あります。以上のフェルミ粒子の12種類とボース粒子の5種類の、合計17種類の素粒子が継承されたのです。文章での説明はややこしいので、下記の一覧表で確認ください。

※1.フェルミオン:フェルミオンという名前は、イタリア生まれでアメリカに亡命した物理学者エンリコ・フェルミの名前に由来しています。フェルミオンのオンはギリシャ語で「粒子」的なことを意味しています。ですからフェルミ+オンでフェルミ粒子とも呼びます。事物には、多くの場合、その事物を発見、発明、予言した人物の名前が付けられます。事物は、名前が付けられてはじめて事物として顕在化するのです。名前が付けられない事物は存在しているとも、存在していないともいえます。「命名」されるということは、とても重要なことなのです。本レポートでは、この「命名」という行為がとても重要なキーワードになってきます。またフェルミが発見したフェルミ粒子は、一つのエネルギー状態に一つしか存在できません。このことについてはスピンの問題も絡んでくるので、いずれ詳細に説明します。
※2.ボソン:ボソンも同じです。インドの物理学者サティエンドラ・ボースの名前に由来しています。ボース+オン=ボソン。ですからボソンはボース粒子、もしくはボーズ粒子と呼ばれています。ボースが発見したボース粒子は、フェルミ粒子と違って、一つのエネルギー状態に無限個のボース粒子を存在させることができます。このことについても、いずれ詳細に説明します。

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フェルミ粒子のクォークは、
◎第1世代:アップ・クォーク ⇔ ダウン・クォーク
◎第2世代:チャームクォーク ⇔ ストレンジクォーク
◎第3世代:トップクォーク ⇔ ボトムクォーク

とそれぞれの世代ごとに対になって6種類。

フェルミ粒子のレプトンも、
◎第1世代:電子 ⇔ 電子ニュートリノ
◎第2世代:ミューオン ⇔ ミューニュートリノ
◎第3世代:タウ ⇔ タウニュートリノ

とそれぞれの世代ごとに対になって6種類。合計12種類あります。

また、陽子と中性子をバリオン(アップ・クォーク、ダウン・クォークなどの3つからなるもの)、中間子をメソン(クォーク、反クォークの2つからなるもの)、そしてクォークからつくられるものを総称してハロドンと呼称することもあります。

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なお、ここでは第1世代とか、第2世代とか、第3世代とかいう区分がありますが、この区分こそが、第3世代のクォークの存在を予言(クォークは3世代6つ存在する)してノーベル物理学賞を受賞した小林・益川理論なのです

小林・益川理論は、ちょっと説明が難しいのですが「くりこみ可能な弱い相互作用の理論におけるCP対称性の破れ」という理論です。CP対称性の破れは、日本人の物理学者が発見した、と記憶していただければと思います。

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一方、ボース粒子は、
強い力を伝える粒子としてグルーオン(グルー、つまり、糊付けするという意味で膠着子ともいう)
弱い力を伝える粒子としてWウィークボソン&Zウィークボソン
電磁気力を伝える粒子として光子(フォトン)
そして、素粒子の標準模式には含まれないのですが、
天体に働く粒子として重力(※6)(グラビトン)
最後は、
質量をもたらす粒子としてヒッグス粒子の合計5種類あります。

つまり、インフレーション宇宙の「ウ」が、「宇宙の種」の「ス」から継承したものは、物質をつくる粒子12種類、物質に力を伝える粒子4種類(強い力、弱い力、電磁気力、重力)、物質に質量をもたらす粒子1種類(ヒッグス粒子)の、合計17種類の素粒子を継承したわけです。

また、素粒子間に働く4つの力の区分は、以下の表をご覧ください。量子力学の分野において重力が作用する力が圧倒的に小さいことがおわかりいただけると思います。

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※3.重力:重力は粒子の区分としては素粒子に含まれるのですが、素粒子の標準模式には含まれません。理由は、量子力学の領域(ミクロ世界)では、重力が作用する力はあまりに弱すぎるのです。どのくらい弱いかというと、重力の作用する力を1とすると、電磁気力(光子)は重力の10の36乗倍、弱い力(ウィークボソン)は10の28乗倍、強い力(グルーオン)は10の38乗倍、とその作用する力の差は圧倒的です。重力の作用力は量子力学の計算結果にほとんど影響を与えない数値なのです。重力は天体間というマクロ世界で有効な数値であって、原子核や原子の内部というミクロ世界では無視してもかまわない数値なのです。そのために素粒子の標準模式図には重力は含まれないのです。この重力の値が大きく影響する領域は、ループ量子重力理論という、重力理論と量子理論を統合する究極の大統一理論のときです。超ヒモ理論も大きく関係してきます。


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【杉山 彰(すぎやま・あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎<作成論文&レポート>:
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎<開発システム>
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としてのカナ漢字置換装置・
  JCN<愛(ai)>
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎<出願特許>
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎<取得特許>:「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等

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