![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136645186/rectangle_large_type_2_3322aea0c9b02d6ce843cd2cb828bd16.jpeg?width=800)
on the road to eclipse #03 『SKATE PARK IN SLAB CITY』 by 熊谷義朋(写真家)
サンディエゴを出た僕らは
ブリアにお勧めされたスラブシティのスケートパークに向かった。
サンディエゴから東に車を走らせて、3時間。
だんだんと景色は単調になり、どこまでもまっすぐ続くような道路を越えると、スラブシティは見えてくる。
後から知った事だが
ここは元々アメリカ海軍のキャンプがあった場所で
戦後、何もなくなった場所にキャンピングカーで暮らす人が集まりだし
徐々にここで暮らす人が増えていったらしい。
人口は流動的で、流れるようにやってくる人、出ていく人
ずっと暮らしている人もいるようだ
住所や電気、水は存在しない。
有名なサルベーションマウンテンを少しだけ見た後
僕らはスケートパークにたどり着いた。
車をとめて奥に進んでいくと見えて来たのは、巨大なプール状のスケートパーク、瓦礫やガラクタの山
その隣には簡易的な木製の小屋があり、バーカウンターのようなものが併設してある。
そしてその奥にはコの字型のソファ。
バーカウンターとソファには人が集まって話をしている。
小屋の横では、男が斧をふるって瓦礫を壊していた。
まるでマッドマックスのような世界が広がっていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1712584258226-Xl0Lr09PXu.jpg?width=800)
奥から緑のモヒカンの少年が三輪車で笑顔で近づいてくる。
今まで見た頃がないような景色ばかりで思わずクラクラした。
![](https://assets.st-note.com/img/1712584258171-G1zJbBXuk1.jpg?width=800)
バーカウンターにはいろいろな人が集まっていた。
最初に話した緑のTシャツの男性は、BMX をやっていた。
英語の訛りがかなり激しい。
彼がいうにはここを堪能するなら二日はかかるらしい。
目立ちたがり屋でたくさん喋る。
次に僕らに話しかけて来たのは、紫のバンダナを首に巻いた男性だった。
すごく陽気な男性で、名前を『ゲイジ』という
ゲイジはバスでアメリカ中を旅しているらしい
「僕の家を見に来る?」
ゲイジから誘いを受けて家を見にいく事になった
スケートパークのすぐ近くに彼の家(バス)は停まっていた。
鮮やかな青色のバス、
窓にはビートルズのメンバーの絵が書いてある
バスの入り口から中に招待してくれた
バスの中は物で溢れていた。
洗ってない食器や洗濯物、
奥の方にはベットが見える。
人の動線だけがギリギリ確保されている空間。
ゲイジはここで家族で住んでいた。
ゲイジ夫婦とさっきの緑のモヒカンの少年、
まだ生まれて数ヶ月の赤ちゃん。
窓からさす光の中で写真を撮らせてもらった。
日本での日常で交差する事ない
奇妙な世界があった。
![](https://assets.st-note.com/img/1712584258252-cqoOcnlvUf.jpg?width=800)
その後、スケートパークで皆と話をして
夕方まで遊んで
最後集合写真を撮らせてもらって
その場を後にした。
今考えても本当にあったとは思えない、夢の世界のようだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1712584258199-Ffow2eyrYn.jpg?width=800)
熊谷義朋(くまがいよしとも)
1982年 福岡県生まれ
2011年 独立
2016年3月 個展 "SOIL" @ APART GALLERY & LIBRARY
https://www.kumagaiyoshitomo.com
https://www.instagram.com/kumagaiyoshitomo
🙋♂️ 記事がおもしろかったらぜひサポート機能を。お気に入りの雑誌や漫画を買う感覚で、100円から作者へ寄付することができます 💁♀️