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民間ロケット飛んだけど、自転車もがんばってるらしいよ!?

便利というだけでなく、環境にはいいし、3密も避けられるよねってことで、本気で自転車人口を増やすための改革に取り組んでいるパリの今をお伝えいたします。※当記事はロケットとは全く関係ありません、ごめんなさい…。

コロナ前とコロナ後でどのくらい違う?

2019年10月の自転車利用率は通勤・通学者全体の4%でした。ヨーロッパのほかの大都市に比べるとパリは自転車を移動手段として利用している人の割合はまだまだ低かったのです。アムステルダムなんて通勤・通学者の40%が自転車使ってるんですよ!?

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しかし2020年5月頭に行われた「外出制限措置が解禁された後の移動方法はどうする?」のアンケートでは、なんと約30%の人が自転車で出勤したいと答えたのです。

実際に2020年の5月20日の一日で自転車利用者数は一年前の50%も増えました。

ちなみに外出制限後のパリ市内のテレワーク継続率と移動手段について調べてみたのですが、統計は見つかりませんでした。自転車利用者の割合が全体の何パーセントを占めるのかわからないのが残念なところです。

この10年で緩やかに、この1年で爆発に的増加。そして…

過去10年で自動車を使って通勤をする人が45%→35 %と、10ポイント減少しています。 逆に過去10年で自転車利用者は緩やかな増加傾向にありました。

そして2018年~2019年の1年間で自転車利用者はなんと54 %も増加しています!!これには理由がふたつあります。

ひとつは黄色いベスト運動による公共交通機関マヒと道路封鎖が原因です。

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二つ目はパリ市の都市再開発に大きく加担しているのです。

パリ市長の気合がすごい

これからの数年で車による通勤者よりも自転車による通勤者を多くする、とパリの市長アン・イダルゴ氏が公言しています。2019年には道路の車線数を大幅に削減し、その替わりに自転車レーンを増設しています。シェア自転車や電動スクーター、電動キックボードの台数も天文学的に増えましたね。

そんなタイミングで起きたのがパンデミック!コロナ禍をきっかけに、これからはさらにサステナブルな社会を構築していこう!いままで発展させてきた環境にクリーンなミクロモビリティを浸透させよう、という事業をパリ市が盛り上げています。

リボリ通りなどパリの目抜き通りを当面自動車乗入れ禁止にするなど、結構ラディカルな政策をしています。

また自転車の購買欲を促進するために、通勤用に自転車を購入する人のために最大400(約5万円)ユーロの助成金をだすことを発表しました。

このような政策に合わせて企業もここぞとばかりに自転車のセールをしています。自転車の修理を自分でできるようにするためのワークショップも人気だそうです。(一応競合のはずの)パリ地下鉄を運営するRATPさえ、自転車利用を促すプロモーションをしています!

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※ vélo-boulot-dodo =自転車 仕事 睡眠

世界での石油エネルギーの1/4が移動に使われているのだそうです。確かにこの部分が削減されたら環境対策になりますね。でも自転車のプロモーションだけでは無理でしょ!?

パリ市長は電気自動車も増やそうという努力をしており、市内のタクシー・バス専用レーンを電気自動車にも開放しました。※こちらの詳細は別の投稿で書こうと思います。

時間差出勤とか

1976年から渋滞する時間帯はかわっていないそうです。出社時間をずらして混雑を防ぐという対策も間違いなく進むでしょうね。あっ、そもそも出勤するということ自体が疑問視されている昨今…。

会社の業種や雇用人数に合わせて最適な引越先をアドバイスしてくれるスタートアップが注目されているようですよ。(https://www.manouvelleville.fr/)

テレワークが一般化して、パリに住む人が減るのはいいことだと思います。パリの方が東京より人口密度高いですし。

自転車移動が楽な都市サイズ

一般的な自転車での平均移動距離は5㎞(乗車時間15分)で、体力に自信がある人は15㎞程度でも問題なく移動するといわれています。私は10㎞圏内であれば普通の自転車であっても疲れを感じることなく移動していますし、電動自転車を使う場合は15㎞という距離を判断基準にしています。パリの最北端~最南端は10㎞、最西端~最東端は20キロメートル強といわれているのでかなりのエリアは自転車でいけてしまうサイズ感です。

フランスと日本を比べると見えてくるもの

パリ首都圏の平均通勤・通学時間は44分(片道)
都内の平均通勤・通学時間は58分(片道)

パリ首都圏の平均通勤・通学距離14,6㎞
東京首都圏の平均通勤・通学距離は25.8㎞

東京は超大都市です!そしてアップダウンもあります。自転車を使うとしたら電動自転車じゃないと無理そうですね。

通勤時間については様々な情報がネット上に掲載されているのですが、通勤距離に関する情報はほとんどありません。どのくらいの人数がどくらいの距離を移動しているのについての情報があればミクロモビリティに関しておもしろい提案ができると思うのですが…。



2020秋からフランス国内の展示会視察や企業訪問をしながらレポート記事を投稿していく予定です。現在その資金が必要なのでサポートをお願いいたします!