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資金調達の手段として助成金に頼り続けるのは危険

これまで私はいくつかの事業や研究において、国や地方自治体からの助成金を受けるプロジェクトに関わってきました。助成金を受けられるようなプロジェクトなので社会的に意義が認められた内容で、仕事をする側としてもやりがいを感じるのですが、その一方でそれぞれのプロジェクトに関しては継続性の観点で疑問が残る部分もありました。

今回はプロジェクトの資金調達の手段として助成金というものに焦点を当てつつ、継続性のある活動を行なっていくにあたって重要なポイントを考えみようと思います。

助成金という資金調達

まずは本題である助成金という資金調達方法について見ていこうと思います。世の中には様々な助成金があります。厚生労働省や経済産業省といった国の中央省庁が出すもの、地方自治体が出すもの、そして新規事業の開発や既存の事業の維持・改善、新規の研究など内容も様々です。

この助成金を受ける方法としては、ネットなどにあがっている助成金の公募情報をもとに申請者は助成金をいただいてやろうとしていることについて、その内容や関わるメンバー、資金の使い方を記入して申請を行います。そして採択されればその助成金を受け取れる、というような流れが一般的かと思います。

そして今回のタイトルにあるような、資金調達の手段として助成金に頼り続けるのは危険、という要因の1つがこの助成金というのが1〜3年など期間が限定されているということがあります。

助成金依存体質

これまで助成金というものについてざっと見ていきましたが、最後に書いた期間限定ということについて見ていきましょう。一度助成金を受け取ることができた場合、ある程度社会的に認められたプロジェクトになるのですが、やはり1度目の助成金の期間内で全て終えることは非常に難しいと思います。

よって助成金の期間が終わったあと、さらに活動を続けていくためにはまた資金が必要になるのですが、ここでまた違う助成金に頼り続ける、というような助成金依存体質のプロジェクトが世の中にはいくつか存在していると思います。もしかしたらいくつかというくらいでない、かなりの数がそうなのかもしれません。

個人的にはこの助成金依存体質が危険だと思っています。

助成金依存による思考停止

助成金を申請する際には1つの申請書を書き上げるわけですが、これにはなかなかの苦労が伴います。社会的な背景から、関連する周囲のプロジェクトの様子、そしてそのプロジェクトの今後の発展性や現実的な資金の使い方などを考えていく過程はけっこう時間がかかる大変な作業です。

この大変な作業を通して作った申請書には少なからず愛情が湧き、なかなか捨てづらくなります。そしてこの申請書を少し書き換えて他のところに申請をしたりするプロジェクトもあるように思いますが、1度採択された実績があると他のところでも採択されるという可能性もあるでしょう。

ただ、ここではかなりの思考停止状態に陥っているように思います。助成金に頼り続けるということは作り出したサービス・商品を提供した顧客からお金をいただくわけではなく、結局そのサービス自体が"意義がありそう"という不確実な内容に助成金がおり続けている可能性があります。

可能な限り早く依存を脱する

これまで書いてきたように、助成金に次ぐ助成金に頼り続ける依存状態から抜け出すにはいち早く助成金をもとに作り出したサービス・商品を実際の顧客の元に届け自立したプロジェクトにしていくことが必要だと思います。

今まで助成金に頼り続けてきた人はおそらくこれが非常に大変な作業になるんだと思います。助成金に頼り続ける中で思考停止していた状態から、実際にサービスや商品を世に出して顧客に届けた際には様々なフィードバックが届いて次々に改善をしていかないといけない状態になるでしょう。

世の中は日々変化しているので、今まで考えていたこととは違う方向性に舵を切らないといけないタイミングも訪れると思います。失敗も多くなると思いますが、ずっと助成金依存体質でいるよりは実際に社会のためになる活動に繋がっていく可能性は高まると思います。

助成金以外の資金調達

今回は主に助成金という資金調達の方法について考えていきましたが、世の中にはたくさんの資金調達手段があります。クラウドファンディングや融資、株式会社であれば株式を発行するのも資金調達の方法でしょう。

ただ最終的に最も大事なのは1つのプロジェクトを通して自立していくことだと思います。やはり何らかの他の資金に頼らないといけない状態は危険です。

たとえ一度助成金に採択されたとしてと、それだけで確実に社会のためになる活動をできる保証はありません。思考停止に陥らず、常に世の中の動きを見ながら本当に必要なことを見極めていくことが大事だと思います。

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