採血。
そろそろ春服が着たい。
どうも、コーシです。
これは恥ずかしいのでずっと記事にできずにいたのだが、もう時効だと思うので白状する。
それは1年半前のこと、高校三年生の夏のこと、私は採血に行った。どこか具合が悪く、リンパ節が腫れたりしていて、血を採って検査してもらった。結果的には特に大心配するほどのことは無かった、という感じだ。
しかしこの採血は私の人生にかなり爪痕を残した。幼い頃から、血が割と苦手だった私は、採血中に怖いもの見たさで自分の血を見てしまい、意識を失ってしまった。
言い訳として、その日ちょっと具合が悪かった、とはいえる。しかしそれにしても私の意識の失い方はそれは立派な倒れようだった。あれはいわゆるトラウマである。恥ずかしながら、映画『パルプ・フィクション』のアドレナリンを注射するシーンとかちょっと観ていられない。作品は好きなのだが。
おまけに、当時はコロナ禍だったためPCR検査をすることにもなり、渡すものがあるため会う予定だった彼女と会えず、結局母に渡してもらい、彼女が母との女子トークで私とのトークよりも楽しそうな感じに見えたという思い出も含めてトラウマである。
今となれば良い思い出だし、母よありがとうなのだが、受験期ど真ん中の私にとって貴重な時間を得られなかったショックが大きかった。
昔から、雷と注射の2つだけがこの世の嫌いなものなのだが、採血も追加されて3つになってしまった。しかし、針を刺すという点に関しては素人目に見て注射と採血は重なる点があるため、2.5個でも良いかな、とか思っていたそんな頃、再び採血をする日が来てしまった。
実は前回の採決の結果で若干気になる数値があり、再度受けておいた方が良い、という流れになった。というかそんな話は一年前くらいからずっとあった。あまりにも採血に行きたくなくて、忘れたふりをしてやり過ごしていた。
大学のキャンパス内で献血の募集を見るたびに、思い出しては打ちひしがれていた。
しかしもう決めた、明日採血に行く。乗り越えよう、この壁を。ちなみに注射に関してはもう割と克服できていたので、この採血さえ乗り越えれば、私の苦手なものは雷だけになる。1.5個を一気に無くすことができる。
相変わらず寝れずにいる深夜2時だが、いつもと違う理由で寝られずにいる気がした。深夜に感じる特有の不安の矛先が、ここぞとばかりに採血に向いている。この不安を解消すべく、ネットで採血をすることの重要性や痛みを感じづらくする術などを検索した。
そもそも俺はなぜ採血で倒れたのか。「採血 ぶっ倒れ」で検索すると”血管迷走神経反射”が起因であると出た。難しくて倒れそうなのでスマホを消した。
そんなこんなで眠りにつき、目が覚め、いつもよりちょっと冷たい水で顔を洗う。気合いを入れるために。しかし昨日深夜に読んだ記事には、副交感神経を働かせた方が倒れない的なことを思い出し、少し温い水で顔を洗う。
朝ごはんは少し血管に良さそうな納豆を食べ、クリニックへ向かった。
受付を済ませ、気を和ませるためにnoteというホームグラウンドに転がる記事を片っ端から読む。アウェーで採血は厳しそうだ。
しばらくすると、テレビのニュースで”無人ロケット打ち上げ失敗”が報じられていた。なぜ成功した時は普通に報道するくせに、失敗した時はわざわざ速報で報じるのか。少し血管がうずいたその時、名前が呼ばれた。
待って、今うずいちゃってるんだけど、うちの血管。急いで水を口に含んで、私はクリニックの奥に進んだ。
副交感神経を優位に、深呼吸をして、採血の大切さを実感しながら、奥に進む。
看護師さんが「採血で具合が悪くなったことはないですか?」と優しく聞いてくれる。少し食い気味に「前にちょっと倒れてしまったんだすよね。」と言ってしまった。プライドとかもう、ない。
結果的に看護師さんの優しさに甘え、横になりながら採血を受けた。ちくっを一瞬感じた頃にはもう血を採り終えていた。こうなるとちょっと、興味が湧く。採られた血を見てみたい。
しかし私は自分の興味と自分のキャパが釣り合っていないことを思い知っている。見ないでおい、、見えてしまった。割とたんまり採ってんだな。やばいやばい、副交感神経深呼吸採血の大切さ。
結局、事なきを得た。お会計をして家に帰る。恥ずかしいから大きい声では言えないが、その清々しさたるや半端じゃ無かった。
フクダコーシ しそとツナ缶。
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