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キャリアの専門家は、子育てもプロなのか?返ってきた答えは「たぶん上手くいかない(苦笑)」

銀行で働いてる人って、自分の資産をどうやって運用するんだろう?
飲食店で働いてるコックさんって、普段どんな料理を食べているんだろう?

なんらかの専門的スキルを持った人が、そのスキルをなんらかの形で自分自身の生活へも還元しているのかどうか、気になったことはありますか?


パパ経営者に、子育てと事業の両立について尋ねる、パパスマイルBLOGの連載企画。

今回は、キャリア領域を中心に婚活や資産形成、ボディ・ヒューマンメイクなど、人生を豊かに生きるための包括的な支援を行うコンサルティングカンパニー「Tanpan & Co.」の代表・佐地 良太(さじ りょうた)さんに、登場していただきました。

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対談相手は、日本で唯一のベビーテック専門メディア「Baby Tech」の運営や、育児系IT商品サービス総合コンサルティング事業などを行う、パパスマイル代表の永田。6歳の娘さんの育児にも奮闘中です。

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佐地さんは、2017年の12月に創業した現在の会社と、約2ヶ月前にお生まれになったばかりのお子様の育児を、どのように両立させているのか。

そしてリクルート社の新卒採用担当時代、年間2,000人の学生と会って話をするなど、キャリアのスペシャリストである佐地さんは、今後お子様をどのように育てていくのか。


「テクノロジー」と「キャリア」、それぞれに強みを持った2人のパパ経営者による、子育て対談が始まります。

(インタビュアー:パパスマイルBLOG 編集長・藤本けんたろう)

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佐地良太さん。1983年愛知県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、リクルートキャリアへ入社。 新卒採用担当を経て、人材紹介の法人営業に従事。全社TOPセールス等、営業成績において常にTOP水準の成績を納め、表彰実績多数。2014年、個人事業主として独立。 年間延べ約2,000人の経営者や個人のクライアントの、あらゆる相談に乗る。2015年に顧問としてLiBへ参画。2016年6月LiBz PARTNERS代表就任。2017年9月に退任。そして、2017年12月にTanpan & Co.を創業。


逆に会社員の人って、どうやって子育てと両立しているの!?

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藤本
早速なんですけど、佐地さんは子育てと事業をどうやって両立していますか?

佐地
いまは自分が100%株主のオーナー企業を経営しているので、比較的、時間の融通は効きますね。そもそも、ぼく以外の社員も、勤務体系や出社時間はかなり自由です。ただ、2ヶ月前に生まれた子供だけじゃなくて、犬も2匹いてその世話もあるので、朝はまあまあ忙しいですね。

まずは犬のトイレ掃除をしてご飯をあげて、散歩にいきます。その間に妻が子どもにミルクを飲ませて、それらの合間の時間で、手が空いてるほうがオムツを変える、みたいな流れです。それとあと自分自身の用意も合わせて、8時から10時の2時間くらいで、バタバタしながらやっていますね。

永田
とはいえ、朝の10時出勤って、一般的な会社員と比べると少しゆっくりですよね。

佐地
そうですね。だから、そこはありがたいなというか、逆に、これ会社員で子育てもしてる人って、どうやって両立してるの!?と思ってます。

永田
ぼくも子供が生まれた当時は、まだパパスマイルを創業してなくて、他の会社の取締役をしていたんですけど、「とりあえず午前中は在宅でやらせてほしい」とお願いしてましたね。あと夜も、できる限り18時には仕事を終えて帰宅するようにしていたので、とにかく日中に打ち合わせをどんどん詰める、みたいな生活をしてました。

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藤本
あと、佐地さんはすごく食べることがお好きで、365日ほぼ毎日会食してると伺ったんですけど、それはいまも続けられているんですか?

佐地
いや、子供が生まれてからは、週末には会食の予定を入れなくなりました。理由としては、自分が子守をして、妻に美容院だったりネイルだったり、妻自身の時間を過ごしてもらうためですね。

でもそうすると、自分は週末は家にいて「左に犬、右に犬、そしてお腹の上に子供」みたいな、本当に身動きが取れない状態になります(笑)。できることといったら、もうNetflixを観るくらい(笑)

永田
映像をかけっぱなしにしておくくらいが、子守をしながらできるギリギリのラインですよね。

佐地
いまの会社を立ち上げる前は、女性に特化した転職エージェントの事業をやっていたので、なんとなく子育ての大変さについて理解してたつもりだったんですよ。

それこそ、仮にいま2ヶ月の自分の子供が保育園に入れなかったら、自分が在宅で仕事しながら育てればいいや、くらいに思ってました。でも、これは無理だなと。いま自分が子育てを経験してみて、日々その大変さを実感してますね。


奥の手は、子供との「真夜中ドライブ」

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佐地
ぼくは、子供を腫れ物に触るように丁寧に丁寧に育てるというよりは、どっちかというと、ワイルドな感じで育てて、健康でたくましい子になって欲しいなという思いがあって。家の中に閉じ込めておくんじゃなくて、どんどん外に連れ出していきたいなと考えてます。

実際、2週間前くらいに金沢へ行って、妻とお寿司を食べたり、そのあと岐阜の山奥にあるジビエ屋さんへ行ったりしたんですけど、そこに子供も連れていきました。「え?まだ生後2ヶ月ですよね!?」とよく確認されます(笑)。あと、年末には海外旅行にも行こうと思ってます。

永田
むしろ、乳幼児のうちに一緒に出かけるなら、いまの佐地さんのお子様くらいの時期がいいかもしれないですね。これでもう少し大きくなって歩き始めると、一瞬でも目を離したすきに勝手にどこかへ行ってしまう危険があるので。

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佐地
そうですね。新幹線にしろ飛行機にしろ、移動中の乗り物のなかでは寝ててくれますし。車も含めて、どうやら乗り物の「ゴォー」っていうエンジン音と、お母さんのお腹の中の音が似ているらしいんですね。だから、子供を車に乗せてて渋滞にハマると、子供は起きて泣くし車は進まないしで、最悪な状況になります(笑)

永田
ぼくもまだ娘が小さくて、夜中に全然寝てくれないときは、車に乗せて走らせることがありました。特に目的地もなく適当に走って、気づいたら「あっ、寝た寝た」みたいな。

同じような話で、ベビーテックの最新の研究でも、赤ちゃんの表情や心拍、発汗などのデータを見ていると、実は適度な揺れや音があったほうが、心地よいのではないか、という話もあるようですね。だから、子育て商品のメーカーの方なんかと話していると、最新のベビーカーとして、タイヤ部分の土台はもちろん安定しているんだけど、上部分では赤ちゃんが心地よく感じるような揺れを意図的に少し起こす、みたいな構造のものも試行しているみたいです。


夫婦間や親子間にも「コンサルタント」が必要

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藤本
佐地さんはキャリアの専門家として、今後ご自身のお子様の子育ての際に、こういったことを大事にしたいというものはありますか?

佐地
子育てに反映させる点で言うと、子供の「なんで?」を大事にしてあげたいなと思っています。そもそも、人間の魅力を大きく「専門性」と「人間性」の2つに分けるとすると、前者の専門性って、これからは機械に置き換えられたり、時間の経過とともに陳腐化しやすかったりするんですよね。

だから大事なのは後者の「人間性」で、これをもう少し分解すると、人間性を大きく占めるのは「思考力」と「性格」です。そして、思考力には「速さ」「深さ」「持久力」の3つの要素があって、これらのうち特に「深さ」を鍛えるためにも、子供の「なんで?」という問いを大事にしてあげたいです。

子供って、本当にいろんなものに興味や関心を持つんですけど、つい大人のほうが面倒くさがって、その芽を摘んでしまうことがあるんですよね。

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藤本
そう言えば、いま6歳の永田さんの娘さんは、永田さんに対してものすごい量の「なんで?」がやってくると言ってましたよね...?

永田
めっちゃ来ますね(笑)。ぼくも時間の許す限り答えるようにしているのと、あと科学的なものに対しては、娘が仮にその時点では理解できなくても、ごまかさずにできる限り正しい情報を伝えるようにしています。

例えばこの前は「ねえねえ、夏至ってなに?」っていう質問が来て。「夏至っていうのは、昼の時間が一番長い日のことだよ」と答えたら「えっ、昼って長いとか短いとかあるの?」と返ってきました。良いところに気がついたな、って思いつつ「じゃあ、1日が何時間あるかは知ってる?」って聞いたら、何時間あるかは分からないけど、1日が決まった時間で区切られていることは理解しているみたいで。

そのうえで「実は、昼と夜の長さって違うんだよ」と伝えたら、娘が「そう言えば、保育園からお家へ帰るときに、明るい日と暗い日がある」っていうことに気づいたんです。だからぼくが続けて「帰るときに明るい日と暗い日で、なにか違うことなかった?例えば服装は?」と問いかけたら「あっ、暗い日は長袖を着てた!」と。

そんなふうに、子供の脳内でシナプスが増えていくような瞬間を見るのは、ぼく自身とても楽しいですね。

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佐地
実は今後、新しい事業として「パートナーシップの構築コンサル」もやりたいなと思っていて。要は「男性脳と女性脳」みたいな話なんですけど、当然、男性には男性脳の方が多くて、女性には女性脳の方が多いです。

よく言われるものだと、話を聞いて欲しいだけの女性側の悩みや愚痴の共有に対して、男性側が合理的な正論や解決策を言って、女性側は「ただ聞いて欲しい、分かって欲しいだけなのに・・・。」とか「そんな正論聞きたくない!」となって、女性側の感情が爆発してしまう、みたいな話で。

これって、当事者同士しかいないから、こんがらがってると思うんですよね。例えば「宿題やったの?」と親が聞くのは至極まっとうで普通のことなんですけど、聞かれた子供は「いまやろうと思ってたのに!もうヤル気なくなった!」みたいになってしまう。当事者同士だと、感情が邪魔をして、ロジックや正論の意味が無くなってしまうんです。

だからそこで「コンサルタント」という第三者が間に入ることによって、お互いの気持ちや視点に寄り添いながら、問題を解決していく。そういうスムーズなパートナーシップの構築を、お手伝いできたらなと。

藤本
客観的な視点を交えつつお互いの意見を伝えることによって、それぞれ相手の考えを受け入れやすくするってことですね。

佐地
そうです。なので、ぼくも自分と子供との間にコンサルの方に入ってもらわないと、たぶん上手くいかないだろうなと思ってます。結局、自分と子供だけだと、そこには当事者しかいないので。

もちろん、自分が持っているノウハウは最大限使って子供に接しますが、それを受け入れる相手側の問題もあるので、究極的には第三者に入ってもらったほうがいいだろうなと思っています。

ただ結果的に、子育ての当事者になってみて、自分が事業として行っているコンサル業の価値を再確認できたので、それは良かったですね。

藤本
自身のスキルを最大限使いつつも、子育てにもコンサル的な第三者の必要性を感じていたのは意外でした...!

ということできょうは、子育てについて「テクノロジー」と「キャリア」、それぞれからの観点が交わったお話を聴けて楽しかったです。ありがとうございました!

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今回お話を聴かせてくださった、佐地さんの経営する「Tanpan & Co.」のHPはコチラ!


パパスマイルの運営する、日本唯一のベビーテック専門メディアBaby Techも、合わせてチェックしてみてください!


パパ経営者と永田との、これまでの対談記事はコチラ↓

第1回 【パパ兼経営者の二刀流ライフ】子育てして、親育てされて。父親になって、経営者としても成長できた
第2回 ロボット世界大会最年少出場で入賞、孫正義育英財団3期生の息子を育てたパパ経営者が、社会に描くビジョン
第3回 ベトナムで2人のお手伝いさんと共に3人の子育てをするパパ経営者からみた「ここがヘンだよ日本の子育て」


執筆/写真:藤本 けんたろう

最後まで読んでいただきありがとうございます! コーポレートサイト( https://www.papasmile.jp/ )と メディア『Baby Tech( https://babytech.jp/ )』も、ご興味ある方はぜひ覗いみてください!