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勉強会やセミナーで基礎を学ぶことはいけないことか?

昨日Twittterでこんなツイートをしました。


たまにSNSで「セミナーで基礎を学ぼうとするのはいかがなものか」という言葉を目にします。

皆さんはそういう色んな方々の発言や書込みを見たことありますか?

今日は『セミナーで基礎を学ぶのはおかしいことなのか?』ということについて書いていきます。

10分程度でまとめてみますので、気軽に読んでみてくださいね。


セミナーや勉強会に行く目的とは


確かにセミナーに行く目的は、今持っている疑問や悩みを解決するため、というのが多いですよね。

我々の仕事であれば、当然臨床での悩みを解決したい。
臨床での悩みというのは、その多くが「患者さんが良くならない」「痛みがなかなか取れない」という内容じゃないでしょうか。

それらの悩みを解決するための知識や技術を学びにセミナーに行く。

その目的を達成するためには、確かに「基礎を学びに行く」というのは違うように聞こえるかもしれない。なので1つの考え方としては間違えていないと私も思います。

実際、私もそういう目的でセミナーや勉強会に参加したことあります。特に若手の頃はそうでした。


自分で開催して気付いたこと


私はセミナーや勉強会を個人で開催しています。昨年のコロナ禍になってからは開催できていませんが(今年はオンラインで少し開催する予定です)。

自分で勉強会やセミナーを開催していて感じたことがあります。

『基礎を知らない or 忘れている状態で応用を知ろうとしている人が結構多い』

ということです。

養成校で国家試験合格を、臨床に出てから役立つように、3年ないしは4年で基礎をしっかり学びます。

なので、1度は習っているはずの基礎。

でも臨床に出ると、どうしても偏りが出やすくなるんです。

わかりやすいのは整形外科クリニックに就職した場合。多くは運動器に関する悩みを持つ患者さんを担当することが圧倒的に多くなります。

そうなると、運動器に関することを学ぶ、経験するのでそこの技術や知識は深まる。でも、その一方で呼吸や循環器の知識や技術はなかなか深めるのが難しくなります。もちろん、必死に学んでおられる方も知っているので、全員がそう、ということではありません。傾向としてそうなりやすい、ということです。

人間どうしても使っていないと忘れます。下手をすると習ったことも「習ってない」みたいに感じるくらいになります。

でも、どうしても業務としてその時必要だと思ったからセミナーや勉強会に参加しますよね。

たまにセミナーとか勉強会とかで「基礎は当然知っているものとして話はします」みたいに進行していくことがあります。皆さんは経験ありませんか?

そうなると、基礎置き去りで、いきなり応用を学ぶことになります。その後でちゃんと自分で基礎を確認する方なら問題ないのですが、基礎を復習しないまま応用技術や知識を臨床で活用しようとする人も結構いるはずです。

表現は悪いかもしれませんが、『上辺だけでどうにかしようと』している感じ。

そうなると、直近の悩みは解決するかもしれませんが、その後での活用や応用が利かなくなることがあります。

そうすると、せっかく学んだ応用的な知識や技術を、そのうち活用しなくなります。同じような症例に出会わない限り。だって基礎がないと、応用技術をどう活用したらいいかが、イマイチはっきりしないからです。

元々センスがある人は、多分上手く活用できるのでしょうが、私なんかはセンスがないので、そういう場合はうまく活用ができず、お蔵入りになってしまうことが濃厚です。

だからこそ、私は基礎が大事だと思う。で、自分で学ぶのが本来ではあるかもしれないけど、セミナーや勉強会で学ぶ方が定着しやすいと思うんです。緊張感をもって学んだ方が、入りやすい。そんな経験ありませんか?

セミナー講師に突然質問されて、答えられなくて、その後解説を聞いた内容って時間が経っても結構記憶に残ったりしていませんか?

あと、実習でもスーパーバイザーやケースバイザーに質問されて、一所懸命に考えて、ディスカッションとかしたことって、結構記憶に残ったりしていませんか?

私はそういう経験がかなり多くあります。

自分がそうだから他の人もそう、ということにはならないかもしれませんが、同じ感覚の人も一定数いるはず、と考えています。

だからこそ、私はセミナーや勉強会で基礎を学ぶのはありだと思います。私が開催している呼吸リハの勉強会は、タイトルに『基礎から応用まで』と入れています。

基礎がしっかり固まれば応用は利く。基礎を理解していれば解決できる不安や悩みは結構多い。

そう確信しているので、私は基礎的なセミナーや勉強会を開催しています。


おわりに


基礎をセミナーなどで学ぶことも大事にしましょう。
そして、基礎をしっかり持ちつつ応用的なものも学ぶようにしていきましょう。

基礎を固めてから応用を学ぶ、という順番でもいいけど、基礎が固まらないと応用を学んだらダメ、ということでもないですからね。同時進行でもいいわけですから。

私もですが、自分のため、臨床で待つ人たちのために、学び続けましょうね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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