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子どもの能力を伸ばす『読み聞かせ』

皆さんは、子どもに読み聞かせをしていますか?
以前、絵本が子どもの世界を広げてくれる という記事で紹介したように、我が家では毎日読み聞かせをすることを心がけています。

せっかく毎日行っているのであれば、よりためになる方法で読み聞かせをしたいですね。
実は、従来の読み聞かせより子どもの能力を飛躍的に伸ばす読み聞かせ方法があります。それこそがダイアロジック・リーディングです。

Ⅰ、ダイアロジック・リーディングとは?

一言でいうと、対話形式の読み聞かせです。
アメリカでは一般的な読み聞かせ方法で、子どもと対話しながら、読み聞かせをします。
日本で行っている読み聞かせの多くは、親が読み上げて、子どもは静かに聞いていることが多いのではないでしょうか。

ダイアロジック・リーディングでは、読み聞かせをしながら
「あなたはどう思う?」
「あなたはなぜそう思うの?」

というように、絵本の内容を題材に対話しながら読み聞かせをします。

もちろん、従来の日本の読み聞かせが間違っているとか、どちらが正しいというものではありませんし、質問の内容も、年齢や発達でかなり異なってきます。
ただ、ダイアロジック・リーディングを取り入れることで、日々の読み聞かせに幅が広がり、子どものさらなる成長につながります。

Ⅱ、ダイアロジック・リーディングのメリット

ダイアロジック・リーディングによって、下の5つの力が育ちます。
①見る力
②(考えながら)きく力
③知識、語彙力
④考える力
⑤伝える力

特に、考える力伝える力は、実際の教育現場でも重要性が増しています。
記述式のセンター試験は見送りとなりましたが、単純な知識を問う問題ではなく、自らの考えを問う記述問題が増えていく流れは、今後も加速していくことでしょう。

それぞれの力を伸ばすような問いかけを列挙しました。

見る力      「どんな動物がいるかな?」「この子はどんな表情かな??」
知識、語彙力「これはなに?」「〇〇ってみたことある?」
考える力       「〇〇ちゃんはどう思う?」「なぜきびだんごをつくったのかな?」「なんで乙姫は玉手箱を渡したのかな?」
伝える力    「どんなお話だったか?」「どのページが一番好きだった?それはなぜ?」「〇〇ちゃんだったらどうしたと思う?」

*きく力は、読み聞かせ自体がその能力を伸ばす絶好の機会になっています。

Ⅲ、基本的なやり方:PEERシーケンス(順序)

ダイアロジック・リーディングは、PEERシーケンス(順序)に沿って行われます。

P:prompt  本について発言するよう〝促進する〟
「どんな動物がいるかな?」
「〇〇ちゃんがこの女の子だったら、どんな気持ちになるかな?」

E:Evaluation 子どもの発言を〝評価する〟 *否定はしない
「よくわかったね!ウサギさんがいるね!」
「そうだね、とても悲しい気持ちになるよね」

E:Expand 子どもの発言を〝拡張する〟
「そう、白くて耳の長いウサギさんだね(情報を足す)」 
「ウサギさんの他にはどんな動物がいるかな?(質問をかさねる)」
「〇〇ちゃんはどんな時に悲しい気持ちになるかな?(話題を広げる)」

R:Repeat 子どもの理解を促進させるため〝反復する〟
「そうだね!ウサギさんだね!」

もちろん、この順番通りに行わなければならないということはありませんが、このことを意識すると、親側の問いかけがスムーズになります。

Ⅳ、大原則

①発言の主導権をなるべく子どもにゆずる
②子どもの言葉はしっかり受け止める
③プラスアルファの情報をさりげなく足す
④子どもが楽しい

特に、④が最も重要です。
せっかくの読み聞かせが、国語のテストのようではちっとも楽しくありません。早く続きが聞きたい様子のところに、いちいち質問で止めてしまっては、逆効果になってしまうこともあります。
子どもの表情をよく見ることが大切です。

ダイアロジック・リーディングをしたことがない場合は、1冊の絵本のなかに質問1個入れるくらいから始めて、徐々に問いかけを増やしていくなどの工夫が必要でしょう。

Ⅴ、まとめ

実際にやってみて感じたのは、ダイアロジック・リーディングの考え方は読み聞かせに限らず、子どもとの会話全般に応用可能だということです。

食事の際
「ぶどうを食べよう。お皿にはなんこあるかな?一緒に数えてみようか」

動物園で
「あっちにはなにがいるかな?そう、鼻の長いゾウさんだね。ゾウさんはなにを食べるかしってる?」
「〇〇ちゃんはどの動物が好き?どんなところが好き?」

公園で
「葉っぱの色がかわってきたね。夏は何色だったっけ?なんで色がかわったのかな?じゃあ、家にかえったら図鑑で調べてみようか」

他にも
「はやぶさ2はなんで宇宙に行ったんだっけ?」
「お着がえが早く終わるようにするには、どうしたらいいかな?」
「どうしたらおもちゃでケンカしないようにできるかな?」


などなど、品詞や数を問うような単純な質問から、親自身も答えをしらないような質問、はっきりとした答えのない質問など、年齢や発達に応じて、様々な問いかけができます。
ここでも重要なのは、子どもの表情をよくみることです。
親だけがペラペラ話している状況ではなく子どもが積極的に発言する雰囲気作りが大切ですし、何か夢中になっていたり集中している様子であれば、決して邪魔してはいけません。

また、親は全ての答えを知っている必要はなく、わからなければ一緒に調べればよいのです。
一緒に辞典や辞書をひくうちに、調べ方を学び、子どもが自分で調べることもできるようになりますし、調べる過程でまた新たな興味が芽生えることもよくあります。(googleより、紙媒体の辞典が勝る理由の一つです)


こちらの書籍を参考にしました。


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主に子育てや教育の記事を、たまに医療系の記事を書いています。


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