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『理系が得意な子の育て方』


算数に特化したタブレット学習サービス『RISU算数』を運営するRISU Japan株式会社の代表取締役 今木智隆 氏の著作です。

*タブレット学習教材の感想については、以下の記事で紹介しています。
▼過去の記事
夏休みにタブレット学習教材『RISU算数』体験をしました!
【驚異的】RISU算数を始めて一か月の成果!

今回、『理系が得意な子の育て方』について以前投稿した記事をもとに改め、再掲しました。
本記事には載せていませんが、書籍には実際の問題も収録されており、つまづきやすいポイント、なぜ間違えてしまうのか、どのように学習すればよいのか、有効な声かけの方法などが具体的に記載してあります。
幼稚園~小学生くらいのお子さんがいる親御さんは、ぜひ一読されることをお勧めします。*2020年10月18日現在、kindle unlimitedで無料で読めます。


Ⅰ、『算数』を学ぶことが大切なこれだけの理由

 ①全ての理系科目の入り口

算数・数学の培われる計算力、論理的思考は、全ての理系科目の礎となります。
従って算数・数学につまづくと、他の理系科目も苦手になってしまうことが多いのです。

 ②挽回が難しい

他の教科、例えば歴史であれば、縄文時代についてよくわからないけれど、戦国武将についてはすごく詳しいということはあるでしょう。
地理であれば、レタスの名産地は知らないけれども、川の名前はたくさん覚えていることももあるでしょう。

しかし、算数の場合は、かけ算がわからないとわり算もなかなかこなせません。
平面図形の理解が不十分だと、立体図形はさらに理解が難しいです。

このように、算数は学習した内容をもとに、徐々にレベルアップしていく構造になっているので、わからない単元を残したまま、次の単元で挽回するということが非常に難しいのです。

 ③中学受験では算数が得意な子が受かりやすい⁉

進学校の入試結果に、以下のようなデータがあります。

合格者平均と全体平均の差(過去5年分の平均)
開成中学:算数15.4%>国語8.5%
早稲田中学:算数17.3%>国語11.2%

他の進学校も同様に、『合格者平均点』と『全体平均点』の差は算数が大きい傾向にあります。
言い換えると、算数は解ける子と解けない子の差が激しく、算数ができる子は合格しやすい傾向にあるといえます。

 ④将来の年収に影響する

『理系』であることは、年収においても大きなアドバンテージになります。

日本において、2011年の統計では、下記のデータがあります。
文系出身男性平均年収:559.02万円 (平均年齢46.09才)
理系出身男性平均年収:600.99万円 (平均年齢46.19才)
アメリカにおいては、下記のデータがあります。
BA(文系)平均年収:6万ドル
BS(理系)平均年収:6.8万ドル

*医者がお金の話をするといやしい感じになるので、データの解釈や感想は省略し、呈示するだけにとどめます(><;)

もちろん、仕事で大切なことは収入だけではありません。
仕事を文系、理系に区別することも、優劣を決めることも、望ましいことではありません。
しかし、収入が大切な要素の一つであることは、否定できないでしょう。

Ⅱ、算数のつまづきやすい単元

 ①ワースト1~5

RISU JAPANがタブレット学習を通じて収集した10億件以上のデータを解析したところ、多くの子どもたちが算数でつまづきやすいのは、以下の単元であることがわかりました。

ワースト1 2~3桁の位の理解
ワースト2 図形の組み立て、立体の基礎
ワースト3 単位、目盛りの読み方
ワースト4 文章題

書籍では、どのように間違えてしまうのか、どのようにすれば正しく理解ができるのか、それぞれの単元について具体的に記載があります。

本記事では、うちの娘(5才)もつまづいた『2~3桁の位の理解』について取り上げたいと思います。

 ②『位(くらい)』の概念

『位(くらい)』は算数で子どもが初めて触れる抽象的な概念なので、戸惑うのも無理はありません。

『りんご2個とリンゴ1個をたしてリンゴ3個になる』

画像1

これは目でみてわかります。

『りんご5個とリンゴ6個をたしてリンゴ11個になったから、十の位は1になる』と説明しても、なかなかすんなりとはいきません。

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うちの5才の娘も、くりあがりのある足し算ができても「582」のような大きい数字になると「5802」のように誤って書くこともありました
(580と2を続けて書いたようです)

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 ③『位(くらい)』の苦手を克服する方法

◎お金を使う
お金は身近にあり、手に取ることができるため理解しやすいです。
最近では〇〇payやクレジットカードで支払ってしまいがちですが、駄菓子を買うときなどは、あえて子どもに現金を渡して、どれくらい買えるか、おつりはいくらになるかなどを考えさせることも大切です。

はじめは、1円は一の位、10円は十の位、100円は百の位・・・と説明して、まずは一緒にいろんな数字をお金で並べてみましょう。

親が数字を書いて、子どもがお金をならべるというクイズ形式
数字をひいて、どちらがはやくお金をならべるかというバトル形式
もいいですね。

工夫しながら『楽しく学ぶこと』が大切です。


◎ビーズを使う

モンテッソーリ教育(藤井聡太二冠も受けたといわれる教育法)で用いるようなビーズセットも有効です。
ビーズ1個は一の位、ビーズ10個つなげたものは十の位というように、視覚的に理解できます。

手作りでもできそうですね。

『位の概念』を具体的なものに落とし込むことが大切です。
手で触れることができれば、理解しやすくなります。


Ⅲ、おわりに

著者の 今木智隆 氏が書籍の「おわりに」の中で次のように述べています。

当たり前のことですが、算数や数学が得意だからといって、必ずしも幸せになれるわけではありません。いくらいい成績をとっても、それだけで人生の幸福が保証されるわけではないからです。
(中略)
算数・数学が得意になり、偏差値があがれば単純に将来の職業選択の幅も広がります。それだけでなく、数に強いということは、仕事をするうえで大いに役に立ちます(後略)

算数に限らず、子どもの無限の可能性を伸ばしてあげたいと願い、日々子育てに向き合う親御さんは、共感される部分もあるのではないでしょうか。

私は、子どもにいい成績をとり、いい大学に入学し、いい会社に入ってほしい、まして医者になってほしいなんて考えはありません。
私は、『子どもが大きくなった時に、好きなことに出会い、それをつかみとり、自らの人生を主体的に生きてほしい』と願っています。

そのためにも、好きなことに出会えるような環境に身をおいてほしい、それをつかみとるための学び方を身に着けていてほしい、失敗したとしてもくじけない心を養ってほしい、自分で考える頭をもってほしいと考えています。

だから、子どものためにはどのようなサポート、どのようなコーチングが有効か、いろいろな書籍で学び、日々実践と反省を繰り返しています。

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主に子育てや教育の記事を、たまに医療系の記事を書いています。


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