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売上を伸ばさないことの難しさ

いい記事を読んだ。『サイボウズ式 -新しい価値を生み出すチームのメディア-』の <世の中は、行き過ぎた資本主義から「人の幸せ」に戻ってきつつある──『売上を、減らそう。』中村朱美×サイボウズ副社長 山田理>という記事だ。(リンクは下に。)

サイボウズの山田副社長と、京都で国産牛ステーキ丼店<佰食屋>を経営する中村さんの対談。

中村さんの "一方通行の愛" という言葉のインパクトが強い。経営者が大事にすべきは、お客様よりまず社員だと。その社員への愛が、社員を介して最終的にお客様に行くのだと。つまり、会社の成長より社員の幸福を優先している。

私の会社は飲食店やホテルを企画して、運営までする会社なので、お店やホテルが新規で増えればその分社員(ホテリエやシェフなど)も増える。入社当時は社員全員で200名程度、ある程度顔も覚えられる規模だったけど、今となっては400名?500名?それ以上?もう、名前を覚えることも諦めた。

会社が大きくなることはいいことだ。売上が増えて、社会の認知度が上がってまた新しい仕事につながる。私は企画ポジションなので、そんな風に運営のメンバーの努力が新しい企画の仕事を持って来てくれるのを知っている。

しかし今の規模になり、「チーム感」がなかなか感じられないのも事実。会社という大きなチームでやっていた気でいたけど、気づいたら複数のチームが存在していた、みたいな。それ自体は全く悪いことではないけど、なんとなく他人行儀になる。

中村さんの "私がやりたいのは、私の会社でちょっとでも幸せに生きられる人を増やすこと" という言葉もすごくいい。

ここで思い返すのは、<自遊人>2019年2月号のソーシャルデザイン特集で、HAGISOを設計+運営する宮崎さんの言った ”半径数メートルの日常を尖らせていくと、地球の反対側からも人がやってくる" という言葉。

頭を打たれたのを覚えてる。これぞ場作りの本質、と思った。大規模な開発もいいけど、すぐ目の前のヒトやモノやコトを丁寧に厳しく掘り下げてアウトプットすることがいかに大切か。いま、世の中の潮流も、少しそんな風に寄って来ているよね。山田副社長の言うように "行き過ぎた資本主義から、もう一度「人の幸せ」という言葉に戻ってきつつある" という感じ。わかる。問題は、人の幸せの優先度をあげながら、どうやって勝っていくのか。何に?世の中に。世界に。そもそも勝つってなんだろう。

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