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乾燥肌後編 炎症時の対策について

前半は健康な状態の肌の乾燥のお話でした。後半では、アトピー性皮膚炎や湿疹などの乾燥と炎症のトラブルについてお話しましょう。

正常な肌では、皮膚のバリア機能によって潤いが保たれています。バリア機能は、皮膚上にある、0.02mmの角質層という死んだ細胞の層(10−20層)を、汗と皮脂がその隙間を埋めることで保たれています。壁を作るときの、”レンガとセメントの関係”のイメージですね。そうすることで強い防護壁を作っているわけです。角質層は同じ厚さのプラスチックと同じぐらい水を通さないようです。

この角質層によるバリア機能が、何らかの影響で壊れると、肌は直で外的刺激(紫外線、気温、乾燥や湿気、空気中の菌やカビなど)にさらされることになります。そうすると、炎症や感染症などの肌はトラブル状態になります。炎症が起きれば痒くなって、”ここにトラブルがあるよ!”と教えてくれますが、その主張が強すぎて、夜も眠れなくなるかゆみになることもあります。

肌のバリア機能が壊れてしまう要因は、紫外線、空気の乾燥、ホルモンバランスの変化、マスクなどの物理的な摩擦、合わない化粧品や間違ったスキンケアと、脂質・糖質や刺激物が多い食べ物などが考えられます。

紫外線は、皮脂膜を酸化させ弱らせますし、空気の乾燥は潤いを奪いますから、角質層の間に隙間ができて弱ります。ホルモンバランスでは、プロゲステロンという黄体ホルモンが増えると皮脂分泌が増え、炎症を起こします(皮脂と炎症の関係はニキビのお話を参照して下さい)。物理的な刺激は言うまでもありませんが、こするとバリアが崩れます。化粧品によって肌が荒れることもあるでしょう。加えて、食べ物です。脂質や糖質が多いと、肌の潤いと皮脂のバランスが崩れ、炎症が起こります。

熱が潤いを乾かしてしまう

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