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肌の乾燥は血が足りない!

健康な方の肌が乾燥しているとき、中医学では肌に十分な栄養が行っていないと考ます。なので、乾燥肌のご相談があると、「血虚(けっきょ)があるな」と考えます。血虚とは、血(けつ)が足りない状態。でも、なぜ足りないくなってしまったのかは人それぞれなんですよね。

今回は、コミュニティメンバーのmatsunagamieko04さんのリクエストの乾燥肌のお話です。前半は健康な人の乾燥肌、後日公開する後半は、アトピー性皮膚炎など炎症状態の乾燥肌についてお話します。


血虚と貧血は違います

「血(けつ)」と、西洋医学が指す「血液」は別物です。そして、血虚は貧血ではありません。貧血とは、酸素を送り届ける血液中の“ヘモグロビン”の量が少なくなることです。対して血虚は、血が十分にないとか、血の状態が悪いとか、血がちゃんと仕事をしてくれていない状態を指します。ヘモグロビンを増やす(鉄剤の投与など)だけでは血虚は改善されません。

血とは?

血(けつ)とは、飲食物を元に、脾と胃の働きによって作られる、血管内を流れる赤い液体のことです。血は3つの作用を持っています。

  1. 体を潤す作用

  2. 体に栄養を与える作用

  3. 精神を安定させる作用

血は、主に飲食物から、脾と胃の働きによって作られます。まず胃が入ってきた食べ物をドロドロにし(この過程を”腐熟(ふじゅく)”といいます)、そこから血の元になる精微物質(せいびぶっしつ)を、脾(ひ)が作り出し、心の陽気で血に変わるのです。

血が足りなくなる

十分な血が、体内を滞り無く巡っていると、内臓にも器官にも組織にもちゃんと栄養が届きますから、しっかり各自の仕事ができます。でも血が足りないとか、血の質がわるいとか、ちゃんと巡ってなくて届かないとかそんな状況では、正しく働けず、組織の一部である肌も乾燥してしまいます。

血が足りない状況になるには様々な理由がありますが、よく見られるのは以下の3つ。

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