日々の機微(48) 第70回不器男忌俳句大会レポート


不器男忌俳句大会講演「不器男の魅力」レポート

仙台時代の芝不器男さんは、瑞雲寺に下宿していました。その瑞雲寺には、不器男さんの「白藤や揺りやみしかばうすみどり」の句碑があります。

そういった縁から仙台文学館に不器男コーナーがあったり、不器男を慕う「荒星俳句会」があったりします。荒星のグループ名は、芝不器男さんの「風鈴の空は荒星ばかりかな」が由来となっています。

第70回不器男忌俳句大会は「荒星俳句会」代表の島松舶さんにご講演をいただきました。

不器男の魅力 時間と空間の視点から

島松舶さんの講演では、「瞬間の時間」と「空間のかがやき」というキーワードで不器男さんの俳句を分類していただきました。

まずは「瞬間の時間」から。
不器男さんの俳句がもつ、時間感覚を5つに分類していました。一部当日の資料から抜粋します。句のあとの、コメントは私のものです。

1 映像の消滅 
椿落ちて色うしなひぬたちどころ
稲妻の穂のしじまるや石畳

最初に映像があって瞬時に暗転するような映像を想わせます。

2 新たな映像の出現
椿落ちて虻鳴き出づる曇りかな
白浪を一度かゝげぬ海霞

映像が次の場面へと切り替わるような想像が掻き立てられます。

3 比較的長い時間
汽車見えてやがて失せたる田打かな
夜長さを衝き当たり消えし婢かな

ここから先は

985字 / 1画像
この記事のみ ¥ 200
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が参加している募集

#ふるさとを語ろう

13,669件

川嶋ぱんだの、俳句雑誌「つくえの部屋」をはじめとした俳句活動は応援していただいている皆様に支えられています。また資金的な応援は、「気に入ったらサポート」からいただけます。たくさんの応援おまちしています!