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日々よしなしごと~着物のこと~

今週末日曜日に流派の「チャリティ茶会」というのがあり、ほぼ毎年参加している。学生や子供たちがお運びをしてくれて、いつもの茶会とは違うどこか初々しいような軽やかな茶会だ。
その茶会に、着物は何を着ていくか少し迷っている。

着物は季節、さらに現代では月によって着る種類もある程度決まっている。
10月から5月までは袷(裏生地のついたもの)、6月は単衣(裏のないもの)、7月8月は薄物(絽や紗などの透けるもの)、そして9月は単衣。
茶席では、この決まりは結構厳しく順次られていて、お茶をやっている人は、こういう決まりごとに尻込みしてしまうこともあるかも・・・

そうは言っても最近の夏の暑さにとその時期が長くなっているので、暑い夏に着物なんて着てられない!ということもあるし、6月でも9月でも薄物を着ることも多くなった。
で、迷っているのは、単衣にするかまだ暑そうなので薄物にしようか・・・

着物を着ることはとても好きだ。というか着ている状態が好きなのだと思う。緊張感とか着物を着てのお点前は、おのずとゆっくりと丁寧になるのでとても充実した気持ちになる。
点前中は非日常感と一種の瞑想状態にも近いが、着物だとさらにそれが増幅される感じ・・・・のような気がする

なので、私は基本的にお茶の稽古と茶会、そして最近は能鑑賞には着物を着ると決めている。言ってみれば着物は茶席の制服のようなものなので、いろいろと暗黙のルールもある。

・半襟と足袋は白のみ(おしゃれな伊達衿はつけない)
・アクセサリーは基本禁止なので、帯留めなどもしない
・茶席では原則紬などの着物は× いわゆるやわらかもの

着物好きの方たちのおしゃれな着物姿から比べれば、まあ地味なものだ。
がしかし、着物そのものの着こなしについて言えば、制服のように自然体で着物を着るお茶の先生たちのこなれた(着崩すとは違う)着姿には、うっとり見惚れてしまう。
着物はあのように着たいなあと憧れている。

そうなるには着物を着ることに慣れることしかない。それに、茶会や研究会(流派での合同稽古)は基本着物と決まっている。そのためには、自分で着物を着ることができないとだめだ・・・

ということで、着物着付け修行としてお茶の稽古には着物と決めた。
着付けの先生はyoutube。自分に合いそうな人の着方を自分なりに何度もやってみる。最初の頃は、とにかく時間もかかるし、仕上がりもどんくさい。
それでも続けていると、準備の仕方や持っている着物と帯の癖なども分かってくるようになる。もちろん一つ一つの所作も手馴れてくるし、なんと言っても着物が体に沿う感覚が生まれてくるし、着物を着ることのストレスがなくなった。
最初は1時間近くかかっていた時間も、最速15分だったことも!
まさに、習うより慣れよ!

着物が着れないから、面倒くさいからとおっしゃる先輩方も多いのだけど、
せっかくたくさんお着物を持っていらっしゃるのに、なんてもったいないことだろうと思う。最初は下手でもお稽古に着物を着るようにすれば、誰だっていつかは上手に着れるようになるのに・・・

とそういう私も、お茶も着付けも一緒にやろうと思えたのも、ある程度の余裕の時間や心構えも含め、今だからこそできたのかもしれない。
だって若い頃はyoutubeなんてなかったもんね。

これも60の手習いの効用かも!

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