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WiLL-basedマネジメントとは何か?Vol.1~Palletはたらきがい向上委員会番外編~

リスナーからの組織に関するあらゆるお悩みに応えていく、Pallet Radio「はたらきがい向上委員会」。今回からPalletが提唱している「WiLL-basedマネジメント」について数回に分けて解説します。

パーソナリティーを務めるのは、当社代表の羽山暁子と、当社メンバーで組織開発のエキスパートとして様々なコミュニティのプロジェクトマネージャーを務める(株)そしきのコーチ代表の小松由(こまつ ゆう)氏。

当ラジオはPalletに関わってくださる方限定で公開しており、その内容を一部修正して書き起こしたものをお届けいたします。


WILL CAN MUSTから組織と個人のWiLLをベースとしたマネジメントへ


小松
:今回からPalletが提唱している「WiLL-basedマネジメント」についてあっこさんに語っていただこうと思います。そもそもWiLL-basedマネジメントとはなんなのか?なぜWiLLがベースとして必要なのか、時代背景も含めてお話いただけますか?

羽山:そもそもWiLLという言葉に耳馴染みがない方が多いかも知れませんね。よくキャリアを語る時に使われるWill Can Mustの1つですね。自分自身の「やりたいこと(WILL)」を大切にするのか、それとも「できること(Can)」を大切にするのか、はたまた「やるべきこと(Musu)」を大切にするのか。どこから取りかかり、自分のキャリアを形成し、組織に対して価値を発揮していくのかということをリクルートさんが提唱したのが始まりですね。今もリクルートさんはWiLL Can Mustの3つのベンズが重なる中心部を発見することで、パフォーマンスが最大化されると語っています。

引用元:https://wakamonoshien.com/media/will-can-must/

 人事領域に20年以上携わる中でWiLL Can Mustの重要性はずっと意識してきましたが、その中でも改めてWiLLの重要性が最も大切だと思い、「WiLL-basedマネジメント」という言葉を独自に創り、最近提唱し始めた次第です。

 PalletではWiLLを「価値観×未来への意志」と定義しています。ではWiLL-basedマネジメントとは何かというと、メンバー一人一人が大切にしたい価値観と、その価値観を大切にしながら実現したい未来は何なのか?という想いにちゃんと寄り添いながら、個人のWiLLと組織のWiLLのベンズの重なりをマネジメントとして発見しに行く。その発見したWiLLの重なりを、よりマネジメントとメンバーの対話を通して大きくしていくことを実現するのが
WiLL-basedマネジメントだと定義づけています。では、なぜ今の時代にWiLL-basedマネジメントが必要なのかというと1つの背景と3つの理由があります。

人口減少によって生じた3つの変化


まず背景として人口減少が挙げられます。日本においては2008年を境に約1億2800万人をピークに現在まで減少を続けています。人口が減少することで何が起きるかというと、1つめがビジネスの変化、2つめが価値観の変化、3つめがその結果によって起きる組織マネジメントの変化、つまりコミュニケーションの変化が起きています。

 いままでのビジネスの形は、人口をベースにした大量生産・大量消費型が成功しやすかったわけですが、今後は人口が加速度的に減るので、当たり前ですが大量に物を作ったとしても以前のようには売れなくなるわけです。ではビジネスがどう変化したかというと、最初に小さく始めて、失敗をしながらPDCAを高速でまわしながらイノベーションを起こしていくという形に変わっていったのが1つめの変化です。

 2つ目の変化が価値観の変化ですね。価値観の変化の背景には、人口減少に伴ったメディアの変化とテクノロジーの変化という背景もあります。人口が多い時はマスメディアが台頭し、同じ情報をマスに対して発信すると、同じ情報を同じタイミングで多くの人が享受することで同じ価値観が形成される。いわゆる同調性の高い社会が、高度経済成長期においては機能していたわけです。皆さんも経験があると思いますが、例えば月9が流行っていた時代には、みんなが月曜日の夜9時に同じドラマを見て、俳優たちのセリフやファッションや髪型に影響を受け、同じような価値観が形成されるということが起こっていたわけです。

 
 そして現在は、人口減少と共にテクノロジーが発展し、テレビや新聞などのマスメディアに代わって、各種SNSや動画配信サービスなどのソーシャルメディアが台頭してきました。それによって様々なメディアが生まれ、各自のタイミングで色々な情報を得るということが起きてきているわけです。例えば、5人家族で子どもが3人いる家だとしたら、長女はタブレット端末でマンガを読み、長男はスマホでゲームをし、次女は父親のスマホを借りて動画を見て、母親はパソコンでニュースサイトを見て、父親はテレビを見る。同じ時間に異なったデバイスからバラバラの情報を得て、その得た情報によって価値観が形成されていくので、テクノロジーの発展とメディアの変化が価値観の多様性に拍車をかけている一因でもあるわけです。


 3つ目は組織マネジメントの変化ですね。大量生産・大量消費の時代からスモールビジネスでPDCAを高速でまわす時代へ変化し、価値観が多様化している若者が入社をしてくるということがそれぞれの組織に起きている中で、今までの強いリーダーが作った正解をやらせ切るというコミュニケーションではビジネスが立ちいかなくなっているのが現状です。個人一人一人の価値観が多様化しているので、自分の価値観を尊重してほしい欲求が強くなっている若手は、リーダーが出した正解に対して、なぜそれをやらなければならないのか肚落ちされていないから、行動が加速しきれないということが多くの企業の中で起きています。

 なので今は強いリーダーが正解を作るのではなく、一人一人が大切にしたいことや会社の中でしていきたいWiLLに寄り添われ、すぐにできないことでも「この組織の中で実現できるように頑張っていこう」と動機付けをしながら、若手の発想の中にあるビジネスの種になりうるアイディアを引き出し、新規事業の作成やサービスの参考にしていくことがこれからのマネジメント層には必要になってくるわけです。


組織の中でWiLLがなぜ必要なのかと言えば、2つの観点が挙げられます。1つは新規事業を創っていく観点において、メンバー一人一人の意見を引き出し参考にしながら、事業を作成していくことが必要です。2つ目はメンバーのWiLLを大切にすることで、ここで頑張っていれば自分の大切にしたい価値観や描いた未来が実現できるかも知れない、と組織で働く動機付けをしていくという観点。マネジメントが組織と個人のWiLLの実現を応援していくのが、人口減少などの大きな背景の影響を受けながらさまざまな変化が起きている時代において、改めて大切であると考えています。


実現したいことのために仕事と人生があっていい


小松:一人一人が活き活きとWell-Beingを感じながらはたらき甲斐を持って働くという意味でも、WiLLがとても大事なんじゃないかなと改めて感じました。一つお聞きしたいのが、あっこさんがなぜWiLLが大事なベースだと確信し、この「WiLL-basedマネジメント」に辿り着いたきっかけがあれば教えてください。

羽山:一番最初に強い違和感を感じたのは、私が就職活動をしていた2002年です。まだまだ就職氷河期ではあったものの、日本もちょっと元気だった時代に就職活動をしていたので、説明会で様々な大企業の幹部や社長と会っている時に、「なんでこの人たちはこんなに疲れ切った顔をして、つまらなそうに働いているのだろう」と感じ、大人たちの様子にものすごいガッカリしたんです。もっと自分のやりたいと思う気持ちを持ちながら働いてもいいのではないか?ということに疑問を持ち、色々な人にその考えをぶつけてみたものの、「仕事ってそんな甘いもんじゃなくて、自分のやりたくないことを歯を食いしばりながら我慢してやるから力が付く。そうしてお金がもらえるんだよ」とことごとく言われたわけです。

 その時に私の中で「絶対に違うでしょ」という強烈な違和感が生じたんですよね。それじゃ長続きしないし、その働き方をしている人生の先輩たちが私には決して幸せそうには見えなかったんです。私の中で人生というのは、最後に息を引き取る時に「幸せな人生だったな」「やり切ったな」「この人生で良かったな」と思えるものだという考えがあるので、実現したいことのために人生ってあっていいし、実現したいことのために仕事をある意味利用してもいいよね、という思想は大学四年生のころに持ちました。

 そういう思いを持ちながら、ずっと自分のキャリアを形成してきた過程の中で、改めて自分を客観的に見つめてみると、自分のWiLLがちゃんと自分の仕事に重なっていると感じる時ほどやっぱりパフォーマンスが高いし、当然自分の中のエネルギーも高い。結果としてパフォーマンスの高さと比例してお給料が上がっていくという現象が起きることを淡々と観察してきたので、やっぱり自分のWiLLが大切だなと思うに至りました。


小松:もう、流石ですね。大学四年生のころから、はたらくことを通して幸せに向かうことが当たり前の社会につなげていくという観点で、まずは自分が幸せであることと、周りのみなさんにそれを伝えていくことが大事なんだろうと思いました。あっこさんの在り方にも繋がる部分を聞けた感じがしました。ありがとうございます。

羽山:いつも素晴らしい要約をありがとうございます!ではまた次回、お会いしましょう!

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