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【第一回 Pallet Radioはたらきがい向上委員会】心理的安全性の本質とは?

リスナーからの組織に関するあらゆるお悩みに応えていく、Pallet Radio「はたらきがい向上委員会」。
パーソナリティーを務めるのは、当社代表の羽山暁子と、当社メンバーで組織開発のエキスパートとして様々なコミュニティのプロジェクトマネージャーを務める(株)そしきのコーチ代表の小松由(こまつ ゆう)氏。
当ラジオはPalletに関わってくださる方限定で公開しており、その内容を一部修正して書き起こしたものをお届けいたします。


小松:
初回のテーマは「心理的安全性の本質とは?」についてお届けしたいと思います。最近、心理的安全性という言葉をかなり耳にするようになりましたが、元々はGoogle社が生産性が高いチームの共通点を発見する企業向けリサーチとして発表した、「プロジェクトアリストテレス」で紹介された生産性向上に必要な要素のうちの1つですね。

 そのGoogle社が今年3月上旬に、全世界で1万2千人の大量解雇を通達したというニュースがありました。Twitter上では「心理的安全性を謳った会社に一番心理的安全性がないじゃないか!」と、同社を批判するようなツイートがバズったらしいです。

 それを見たあるPalletメンバーから、「心理的安全性は雇用を保証する文脈で使われる言葉ではないのに、現在もまだ意味が浸透していない感じがします。組織開発のプロの視点から、改めて心理的安全性の本質とはなにかを語ってほしいです」というリクエストをいただき、今回のテーマとして取り上げることになりました。


羽山:初回からテーマが大きいね(笑)。心理的安全性だけで100回は行けるテーマだよ?

小松:そうですね、今日だけじゃ終わらないのでとりあえず全100回中の初回と言うことでお願いします。あっこさんは心理的安全性をどのようなものとして捉えていますか?

羽山:心理的安全性というのは「手段」であって「目的」ではない、ということが非常に重要ですね。どのような目的のための手段かというと、一人ひとりがはたらきがいを持つことで組織が変化・成長し続ける目的のための一つの手段であり、とても重要なファクターの一つが心理的安全性ですね。

小松:心理的安全性って言葉として使いやすいので、誤って手段が目的化してしまうことは人事界隈でもよくあることですよね。まさにはたらきがいを向上していくことや、一人一人のWell-Being度合いを高めて活き活きとはたらくことに繋がるのが心理的安全性だよ、という話ですね。

 心理的安全性に関しては(株)ZENTechさんがアワードを主催されているほか、同社の石井遼介氏が著書を多数出版し、すごく構造化されていて分かりやすいのでまだ読んでいない方にはぜひおススメです。

 本の中で私が目から鱗だったのが、「心理的安全性の高低」と「仕事の基準の高低」をマトリックス図で捉える考え方ですね。

引用:心理的安全性とは? 忖度しない活気あるチームを作る鍵 (nikkei.com)


仕事の基準も高く、心理的安全性も高い職場が「学習する職場」といわれ、生産性の高い理想の職場とされています。仕事の基準の高低を無視してしまうと、心理的安全性を高くしているはずなのに、はたらきがいが向上しないということが起きてしまう。心理的安全性を捉える上で、「仕事の基準の高低」は大事な観点と言えますね。

羽山:つい5年くらい前まで私より上の40代後半~50代の管理職の方に心理的安全性の話をすると、「心理的安全性を高めるとか言ってるとぬるい組織になりますよね」とか、「サークルみたいなものでしょ。そんなことやってもしょうがないんだよ!」と、結構真顔で怒られたんだよね。当時の私はそう言われて「まあ確かにね」と思ったの。

 なぜならば、私も割と長く仕事の基準は高いけど、心理的安全性が低い職場ではたらいてきたから。図の右下に該当する「キツい職場」ですね。私よりも上の世代は「キツい職場」で結果を出してきたので、それがマネジメントの基本だと思ってしまうのも仕方がないんですよ。

 なので心理的安全性を理解する上でのポイントは、目的ではなく手段であり、仕事の基準とのかけ合わせという観点がとても大切。その観点を落としてしまうと、心理的安全性だけが高い、ただのぬるい組織で終わってしまうんですよね。

 生産性の高い組織を作るための順番として、まずは心理的安全性の高いチームを作った上で、メンバーのWiLLを確認し、「もっと一緒に頑張ろうよ」と自分の期待を伝えることで、要求水準を高く持っていくことができるようになる。するとメンバーは自分自身の成長を目指していき、その結果としてお客様に対してよいパフォーマンスを発揮し、企業も成長していけるという流れなんですよね。


小松:心理的安全性が高ければ、例えば自身の成長に限界を作ってしまっているメンバーに対して、「もっと自分を高められる」と思えるような支援をマネジメントできるようになりますよね。

羽山:そうですね、Palletではそのマネジメントの方法を「胸ぐら(を掴む)経営」なんて内輪では言ってますけどね。

小松:ご覧の皆さん…本当に胸ぐらを掴んで「お前もっとやれるだろう!」と言っているわけではないので、ご安心くださいね(笑)。あくまでメタファーですからね。

羽山:そうです、あくまでメタファーです(笑)。こまっちゃんが上手にまとめてくれて、サマライズしてくれたお陰で皆さんも持ち帰りやすい内容になったのではないでしょうか?

小松:ありがとうございます。まだまだ話したりないですが、お後がよろしいようなので、今回はこの辺で。また次回のはたらきがい向上委員会でお会いしましょう!



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