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【第一回 Pallet OD対談】プロジェクト成功の秘訣は楽しむこと。でもそれだけでは片手落ち

組織開発に関する情報を対談形式でお送りする、Pallet OD対談。
対談するのは、当社代表の羽山暁子と、当社メンバーで組織開発のエキスパートとして様々なコミュニティのプロジェクトマネージャーを務めるパーソルキャリア(株)兼パラレルワーカーの小松由(こまつ ゆう)氏。
初回は当社のホームページリニューアルプロジェクトを例に、プロジェクトの成功に必要な要素は何かを対話から紐解いていきます。

妥協しないWiLLを発露し、行動し続けることで想いが伝播する


小松:改めてホームページ(以下HP)リリースおめでとうございます!

羽山:ありがとうございます!

小松:めちゃくちゃステキですよね。どうですか?このHPリニューアルを振り返ってみて。

羽山:まさにPallet的なプロセスで出来上がったHPだなと思っていて。そもそもこのプロジェクトを立ち上げたのは私だけど、主要メンバーの雇用形態は全員業務委託。自分の本業があってPalletにジョインしてくれているメンバーが作ってくれたんだよね。

トップページを作成する際に、最初にデザイナーさんが出してくださった案もよかったけれど、言語化できないしっくりこない感があったのね。最終的にはいろんな試行錯誤を経て、「最高だね」といえるものが出来上がったのだけど、特に印象に残っているのが、そのプロセスにおいてリーダーが1ミリも妥協しなかったこと。

リーダーのWiLL(※)にメンバーが引っ張られて、プロジェクトメンバーじゃない人たちまで巻き込みながら、最終的には全員で最高の作品をつくりあげたっていうそのプロセスが、まさにひとり一人の彩りが発見され、それが広がり繋がっていくみたいな。

一人が妥協しないWiLLを発露し続け、関わり続け、行動を1歩踏み出し続けることによって、それが伝播して他の人の彩りが増して最高の作品になるプロセスを見せてもらったなと思いますね。

1ミリも妥協しなかったトップ画面のアニメーション
ぜひ実物をご覧ください:https://pallet.work/

小松今まではウオーターフォール型の上意下達のプロセスが多くの日本型経営にとっては当たり前だったかもしれないですけど、全然違うプロセスで双発的に共感の輪が広がっていき、プロジェクトメンバーが自分たちのWiLLを大事にし、そこに立ち返ってプロジェクトを進めたところが面白いと思っていますね。

羽山:ホントだよね。

プロジェクトリーダーがHOWに寄る前に、どれだけFUNを大切にしてくれるか

小松:世の中のプロジェクトってだいたいうまく行ってないんですよ。さっきの妥協しないリーダーの在り方ひとつ取っても、リーダーシップを発揮して突き進められる人もまだまだ少ない。在り方を求めるよりも、ともするとプロジェクトをマネジメントするHOWの方に寄ってしまいがちなところを、WiLLも重要で、その両方が組み合わさって最高のものができるというのは、なかなか実感できる人も多くないと思います。

いままで沢山のプロジェクトを見てきているあっこさんは、その辺をどんな風に感じていますか?

羽山:プロジェクトリーダーがHOWに寄る前に、JOYとかFUNっていうことを大切にするという在り方でいてくれるかどうかが、プロジェクトの成否に大きく関わるんじゃないかなって思っていて、それがもしかするとエンゲージメントっていう言葉に人事領域だとなるのかもしれないけど、もっとエンゲージメントよりも楽しむとかそういうことの方が重要なんじゃないかな。

今回のHPリニューアルプロジェクトを見ていても、ひとり一人が大変なことも沢山あったり、ぶつかることも沢山あったけど、最終的にはすごく楽しみながら進めてくれたなっていうのを感じていて、リーダーが楽しみながら進めていけるかどうかが大切なんじゃないのかなと思っていました。

小松:今回のHP作成において、FUN・ENJOY・JOYという部分で、印象に残っている部分ってありますか?

羽山:やっぱりトップページ作成の時かな。最初しっくりこなくて、試行錯誤しながらバージョン3くらいまで作り変えてきたんだよね。私的にはもうバージョン3くらいでもいいんじゃないの?と思ったから、全社ミーティングで一旦みんなに共有して意見をもらってみたらいいんじゃない?って言ったら、プロジェクトリーダーとメンバーが「いや、お見せするのは今じゃないんだ」と(笑)。「もっと自分たちが納得いく形になって、みんなに『おお!』と言わせるまであと一歩だから、このタイミングでは出したくない」って言われて。

その後バージョンを重ねて現在のトップ画面が出来上がり、全社ミーティングに出した時に、まさに彼女たちが意図した反応が得られた時の、プロジェクトメンバーの表情が「してやったり!」っていう顔だったんだよね。その笑顔を見た時に、すごい楽しんでるなと感じて嬉しかったですね。

小松:そのプロジェクトに対してどれだけ想いを持って進められているか、自分のWiLLを込められているかっていうところが伝わるエピソードですね。世の中のプロジェクトを進めようと思ってでも上手く行かなくて悩んでいるみなさんに伝えていきたいなって思いましたね。

このプロジェクトは自分のキャリアや人生にとって、どんな位置づけになるのか?

羽山:プロジェクトが「圧倒的な自分事」になるから楽しむことができると思うんだけど、そこの境界線ってなんなんだろうね?

小松:私はいま社内外を含めて15個くらいプロジェクトをやっていて、自分で自分をリードして行く時に、このプロジェクトってどんな意味・意義があるのか、自分のキャリアや人生にとってどんな位置づけになるのかっていうのを、自分なりに言葉にしてみることを大事にしています。

この間、途中参加したまあまあ難しいプロジェクトがあったんですけど、その時に一番最初にやったのは、みなさんに対して自己紹介と、このプロジェクトに賭ける想いっていうのをスラック上でコメントしたんですよね。その行為って、メンバーのみなさんに自分のことを知って欲しいという面もあるんですが、それ以外に自分に言い聞かせてドライブをかけるっていう意味もありました。

そうやって意味付けをする機会になると思って、結構その行為を大事にしているんですけど、それを伝える場面もあれば、最初からプロジェクトを立ち上げる時には、必ず皆さんにこのプロジェクトにかける想いみたいなものを聞いていって、それを共有ビジョンにし、実現していこうという話にしていく。なので、想いを伝え合っていく、自分で自分の想いを言葉にするっていうのは大事にはしてますかね。

羽山:大事だよね。やっぱりプロジェクトでアジャイル的に物事を進めてくときに、セルフリーダシップ、まずリーダーのWiLLである「わたしはこれを実現したいんだ」っていうことを、本当にちゃんと人の心を開き、響くように伝えるっていうことはすごく大切なんだけど、そこがおざなりにされがちで、「いや、仕事なんでとりあえずやります」みたいになっちゃうと、結果HOWに寄ってしまい、ただWBSを進めていきましょうという話になってしまう。

そこでこのプロジェクトが何のために、自分の人生にとってどういう意味を持つのかっていうのを、リーダーが伝え続けてくれるっていうのは大事だよね。同時にメンバーたちのWiLLを知ってそれを尊重してくれるって大事。

一方でWiLLだけだと当然のように片手落ちで、今回のHPプロジェクトが成功したのはしっかりHOWのベースがあるからっていうのもすごく大切なポイントで、ややもすると組織開発ってWiLLだったり、ひとり一人を尊重しましょう、寄り添いましょうということがフォーカスされがちだけど、ひとり一人のベースとなるスキルとかHOWがあるからこそ、個々のWiLLが活かしあえるよね。

今回のホームページプロジェクトではリーダーのビジネススキルがあるからこそ、プロジェクトを納期通りに進捗させることや、不快感を与えないように他のメンバーを巻き込みながら気持ちよく動いてもらうということができたなと思っていて、そのビジネススキルも当然だけど大事だったりするよね。

小松:確かに。ビジネススキルってどうやったら高まるんでしょうね。結構悩んでいる方が多いと思うんですよ。とはいえ、プロジェクトマネジメントの本を読んでできるようになるかと言われたらそういう訳じゃないし、やったことないから分からないとか色んなお悩みのポイントがあると思うんですよね。

羽山:最近思ってることが、地域の中小零細企業さんのプロフェッショナル人材の活用法と、都心にある大手企業さんのプロ人材の活用法って、活用の目的も方法も違うんだなということ。

大手企業さんはプロマネが社内にいるんですよね。その上でプロジェクトを推進していく手足として、プロ人材を活用するという形が主流。例えば、デザインができる人とか、プログラマーとか、手を動かしてくれる人を活用して社内でPMをするという方向性なんだけど、地域の中小零細企業さんってそもそも社内にPMがいないんですよね。

プロジェクトとして何かを推進していくっていう経験がほとんどないから、PMのスキルが付きようがない。だから外部人材としてPMをアウトソースするんですよね。プロの外部人材にPMをしてもらいながら、自分たちが手を動かすプロセスを経て、PMというのはこういうものか、ということを外部のプロ人材から学び、経験していくのが一つの形だなと最近思っていて。

そこの活用法を間違っちゃうと、「全然プロ人材使えないんだよ」っていうことになると思うんですよね、地域の中小企業さんの場合は。

小松:そういう意味では難易度が高くなるんですよね。本来はPMが中にいて、社内の人間関係を把握して、この人とこの人は仲がいいからこの人側から伝えておくと通りやすいとか、そういうところまで知っていないとPMって成り立ちづらいところがある。

外部人材がPMを任せられて、「あとはマルっとよろしく!」と投げ出されてうまく行くかっていうと、難しさはあるのかも知れないですよね。

羽山:外部人材としてPMに入るっていうことが、こまっちゃんもあるでしょ?

小松:そうですね、私はだいたいそういうことが多いですけどね。なのでさっき言ったみたいな、組織の中でどういうコミュニケーションがされているかは、ものすごい個人としても関心があるし、それを知らないと仕事が進まないと思っているので、まさにHPのトップ画面のメッセージの通り、組織の進化はコミュニケーションから始まるなと。じゃあ今は、どういう組織のコミュニケーションなんだろうかと、すごくよく見るようにしているし、聞くようにしていますね。

羽山:大事ですよね。まさに組織の進化はコミュニケーションから始まりますね。なんだか話したりないので、また次回対談しましょう!!

小松:はい、またよろしくお願いします!


※WiLLとは…一般的には「実現したいと思っていること」を指しますが、Palletでは「価値観×未来への意志」という意味で用いています。

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