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理系でも文系でもなかったわ

私が通った高校は、2年生から文系クラス理系クラスに分かれる。どっちにいけばいいのか、私にはわからなかった。

英語が好き、国語は古文漢文は好き、社会は特に…
数学、科学科目は好きだけど難しいと思っている。

文系に進むのであれば法律を勉強したい。理系に進むのであれば薬学を。
ぼんやりとした目標は立てつつも、どちらかに向かう理由となる決定的なものがなかった。

同じ部活のタロット占いができる男子(過去記事参照)に、わたしゃ、どっちに進めばいいのかね? と、いっちょ占ってもらった。したらば、「どっちでもよさげ」と出た。

えへへ、それじゃ困るな~ 占う意味よとツッコむと「将来のことを考えると、理系のほうがよさそうではある」だって。

将来、かあ。全然想像できないよ。
どうしよう。
占ってもらった後もモヤモヤと。ギリギリまで答えは出なかった。

よし、こっちへ行こう!と決めたのが理系への道。
結局は「将来」というワードが頭を離れなかったのだ(笑)

3年生になって。
いよいよ数学は難しく、物理にも頭を悩ませるようになった。学問としては好きなんだけど「得意」と言えるのかどうかは微妙だった。

進路相談で私の成績をチラッと見た担任の先生は、ふ~む、と唸った後、
「お前、文系でも理系でもないな?」と言い放った。

プッ

あ、は、あはは!

おかしいな、おかしいな。
文系か理系かで分かれたはずの道の先に、どっちでもないってさ!

そうなんです。
私は音楽・美術が最も好きだし、得意。昔から周囲に褒められるのはこの芸術分野だ。
先生の言う通り、実は私は、文系でも理系でもないんじゃない?

先生は見抜いた。自分でも納得した。でも、だからと言って、芸術系の学校に進学します! とは、ならなかった。

私は理系のまま現在に至っている。
芸術系で生きていこうとは考えたことがなかったから。
あくまで私の中では、音楽・美術は趣味だった。

大学でも成績は伸び悩んだ。
仕事に就いてからも、自分はサイエンスのセンスがないんじゃないか? と毎日のように悩んでいる。
ただただ、その分野が「好き」ってだけで歩いてきた。

世間一般的に、文系か理系か、2択しかないみたいな雰囲気あるけど、どっちでもない人もいるんよね。
体育会系、芸術系などもいるんよ。

早いうちに文理で分けてしまうのは、どうなんかなって感じることがある。
かと言って融合させるのも、それはそれで、別の何か新しい分け方が生まれるんだろうとも思う。
私は、日本ではいつ頃、なぜ文理で分かれたのか、歴史背景を知らない。現状もよく分からない。
知れば、また考えが変わるかも。

長い人生の途中で文理がひっくり返ることは全然ある。
好き嫌いがひっくり返ることがあるように。
私だって、これから急に芸術系に方向転換するかもしれない。途中で法律を学びたくなって、大学に入り直すかもしれない。

文系、理系で悩んでいた16歳の自分に言いたいのは、
人間は文理でキレイに分けられない。両方である可能性も、どちらでもない可能性もあるよ。どっちに行こうとも、自分で自分の可能性を潰さないように。後は何とかなります。
ってことかな。