考える能力
「考える能力が進化してきたのは、それによって有効な最終目標に到達するための複雑な行動を起こすことができるようになるからである」
と神経科学ではいわれる。
生理学では、行動の機構の説明を、行動の制御の研究によって説明しようとする。
私たちの行動は「損か得」かの動機によって始まることが多く、そのことが将来的に有効なこともあるがそうでないことも多い。
考える能力を磨くことは、そういったことを整理して、より有効な行動を生み出すことに貢献する。
行動の機構が説明できたとしても、生きることに必要な知恵まではわからない。これらは考える能力に依存しているからだ。
よりよく生きることは、ヒトにとって「損か得」のどちらかと問われれば「得」であることは誰でもわかる。
では、考えることが「損か得」かと問われれば「得だ」と即答できないのは何故だろう。
それが生得的なものか後天的なものかはわからない。
「損得勘定」は簡単に出来るのに、「考える」ことの利点は意外にも難しい。
とりあえず「有効な最終目標に到達するための複雑な行動を起こすため」に考える能力が必要なのだと覚えておくしかないようだ。
ぼくは考えることの重要性をこれまで嫌というほど思い知らされてきた。
頭がいいとか悪いとかの話ではない。考えることの重要性だ。無知は自分の能力の足を引っ張るものだ。
自分を変えたいと思っている人は多いが、考える能力を磨くことが、自分を変える有効な手段だということを知らない人はもっと多い。