哲学は優劣を目指さない
「真理を知ると自由になれる」という言い方がある。これについてはぼくも本当のように思う。
人間は生存や繁殖の心理が働くことで「優劣」に強く反応する。
このことは真理なのだが、理性によって考え抜くと「優劣」を超える。その時に「自由」を手に入れることができる。
このこともまた真理なのだが、真理がたくさん生まれてくることが真理なのかを考えさせられる。
しかし、「優劣」を目指すことは、新しく真理が生まれてくるのと同じくらいの速度で、真理でないことが示される。
多くの人が気にかかる「優劣」への思いは一時的なもので、「そうではない」と気づかされる時間稼ぎのようなものだ。
いずれ誰でも気づくことだ。
もしそうなら、初めから「優劣」を目指さず別の道を行くこともできる。
その道を探すことが出来るのは心理学ではなく哲学だ。これは能動的な意志が必要だができないことはない。
本能に従うことは楽だが、その後に訪れる苦に悩まされることを知っておくのもいい。