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哲学: 心の柔軟性と逆境

可塑性と弾力性。弾力性は皆が知っている能力だ。押せばはね返す力のことだ。

日常では、あまり可塑性という言葉は使わないように思う。

ボールを指で押すと凹み、離すと元の形に戻る。弾力性があるからだ。

粘土を指で押すと凹む。指を離しても空いた穴はそのままだ。可塑性があるからだ。
この穴を埋めるには周囲の粘土を寄せてくることだ。

脳には「可塑性がある」といわれる。
脳に障害を受けると周囲の神経細胞が代償しようとする。それを促すには訓練が必要でもある。

実は、人間が逆境に陥った時や挫折感に襲われた時は、この可塑性の働きによって耐え忍び、新しい分野を切り開こうとする。

この働きは日頃の訓練で能力が高まる。

心が落ち込んだ時、その感情を放置しがちな人は、逆境や挫折の際に弱い。可塑的変化が起きにくいということだ。

ぼくは心についてあれやこれやとnoteでも述べるのは、この心の可塑性の機能を高めるためでもある。引き出しを多くするのだ。

何度も何度もそういった可塑性を促しながら心の問題を解決していくと、「人間の本質」に迫っていくような感覚になることがある。
それはどんな状況や環境においてもグラつかない心の状態を維持する境地に入り込んだ感覚だ。

きっと脳の働きは、哲学的思考によって「不満」から始まった思考が「満足」で終わろうとする際に健常な機能を獲得していくのではないかと思われる。

逆境や挫折を乗り越えた人たちは、脳の可塑的変化の結果であるともいえるのだ。

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