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不調と心理傾向と哲学と

心に不調をきたすと心理学に頼る人もいる。また、同じ理由で哲学に頼る人もいる。

ぼくはこれまで何十万回と人の健康に接してきたけれど、いろんな不調は学問的に説明できるものがほとんどだと思う。

身体的なものであれば生理学、病理学から説明でき、心理的なものは心理傾向から説明できる。

しかし、それらを「逆転」させるのはかなり困難だ。

癌を患った心身を逆転させることを想像してもらえればわかると思う。
心の不調も健常に逆転させることは簡単ではない。

長年培った体験は新たな体験を拒否するものだ。

腰痛であっても同じだ。
腰痛になりやすい身体的特徴というのがある。それらを逆転させることは簡単ではない。

ぼくが「即効!」や「簡単!」と言う人を信用してはならないというのは逆転の難しさを知っているからだ。

あなたの難しい問題を簡単だと言うのは、あなたの問題を軽く考えているということだ。

人間は心理傾向に引っ張られるものだが、立ち止まることが出来るのは哲学の力であることが多い。
損得勘定を乗り越えることが出来るからだ。

悪い心理傾向に引っ張られるのと、良い心理傾向に引っ張られるのとでは、その後の生き方を左右することは想像できると思う。

心理傾向は強い力を持つ。本能に従って生きることがほとんどである人間は、心理傾向の副作用から逃げることは難しい。

「難しいことは誰がやっても難しい」というのは真実だが、「難しいことを簡単だ」というのは真実ではない。しかし、後者の方に引っ張られることが心理傾向にはある。

真実に従うことで心理傾向に引っ張られずに済むことがある。

ぼくは良くない心理傾向に抵抗したいと思っているのだ。

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