死と美
先日職場の先輩が亡くなった。
数年前に突然入院して以来、一度も会うことなく逝ってしまった。
仲が良いかと言われると、そこまでの繋がりもなかったけれど、あこがれの人ではあった。
他部署や取引先からの信頼、人気もあり、仕事もできる、かっこいい女性。
お通夜や葬儀には、職場からも数多くの人が弔問に訪れた。
初めて語られる、闘病生活と夫婦の絆。
人々は哀しみにあふれ、死を惜しむ。
そんな空間に立ち竦む私、もやっとした何かが生まれた。
お気に入りは溺愛し、出来の悪い後輩には容赦なく斬りつける。
仲の良い同僚は、いつも嘆いていた。
死んだら悪事はすべてリセット。
美化される生を目の当たりにして、ますます生きづらさを感じる。
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