香木。

ボクの本名は
香木から
つけてある

香木を
順番にあげると
出てくる

なので
匂いに敏感な方々には
ボクの名前の漢字
読むことが安易だ

しかし
必ず香りに無縁な
暮らしの方々には

よく見る
漢字ですけど
何と読みますか？

インド香にも
ボクの名前の
香がある
もちろん
日本語ではない


ボクの自慢の
名前は公に
公開できないけど
母さんとお揃いだ

母さんは
かなり
匂いフェチだと
感じられる

アロマにも
お香にも
香水にも
すごく詳しい

好きな薫りも
詳細に残っていて
調合してもらう

それでも
母の場所の微妙に違う
何とも言えない
良い香り

アロマも
お香も
香水も
直接
肌や被服に
スプレーしない

お部屋のすみで
焚いたり

クッションにサッと
ひと吹き

「いい匂い」

叔母も叔父も
おじいちゃまも
おばあちゃまも
みんなそれぞれ

お部屋の香りの
好みがあるので

目隠ししても
すぐわかる

柔軟剤のように
キツイ
ニオイはしない

ふんわり
サッとおさまる

母に一度も
お会いできないのに
母の香りは
懐かしい感じがする

やさしくて
やわらかく
あったかい香り

ふわっと
匂うだけで
ぐっすり眠くなる

そして
香りを学んだのも
母が何故
ボクに香木の名前を
つけたのか
知りたかったから

母の想いを
知る
手がかりは
日記だけではない

謎かけの好きな
母のイタズラ

もうすぐ
母の日だから
ちゃんと理解したい