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病は気から。

風邪をひいちゃいました

熱が続き
咳が少し

頭が痛くて

もしかして?
今は流行りの?

いいや、きっと
気象病だ

コンコン
咳が出る

夕方から
いつもの
かかりつけ医

よかったね
567じゃないよ
風邪だね
お大事にだよ

先生はおじいちゃまと
お友達
いっしょの学校だった

だから先生は
実の孫のように
ボクを大事にしてくれる

あったかい
先生の笑顔とキモチが
伝染してきて
ホッとして
涙があふれた

せんせいありがとう

もう大丈夫だ
お薬だしておくから
あったかくして
おやすみなさい

おじいちゃまが
ボクを毛布で包んで
車に乗せ込む

歩いて1分の場所だから
車で来るほうが面倒なのに

冷やしたらだめだって
おじいちゃまが必死に
やってくれてる姿

ブランケットとか
コートとか何でもあるのに
どうしてか
おじいちゃまの
寝室から
フツーの毛布もってきて
ボクを包んでくれた

「おじいちゃま毛布汚れるよ」

「かまわないさ。洗うよ」

キモチが嬉しい
立ち上がると
目の前がくらくらした
ゆらゆらするのは
涙のせいか?

自宅に車を止めて
車庫から部屋に入る時
おじいちゃまが裸足なことに
気が付いた

おばあちゃまも大きな声で
出てきて

「パコちゃんもう大丈夫よ」
すぐにボクを抱きかかえるように
部屋へと連れて行ってくれた

「まぁ毛布!汚いわ!おじいちゃま?!
毛布、表に持ち出すなんて!!」
「黙っておきなさい」
「イヤだわ!いまは567も流行ってるのに!」
「クリーニングを呼んである」
「捨ててください!」
「大丈夫だ」

567を心配するおばあちゃま
ボクにうつすまいと
神経質になっていて
ボクはあっというまに
素っ裸にされ
温められた浴室の
湯船に優しく入れられた

「おばあちゃま自分でできるよ」
何度も言ったが
声が出ない

ボクはお湯で何度も流され
スグにふわふわの
バスタオルに包まれて
ドライヤーで髪を梳かされた
気が付くと
おばあちゃまのパジャマかな
柔らかくて良い香り

耳元に
ちゃぽちゃぽ
氷まくら

毛布や布団がミルフィーユみたい
ボクに覆い重なる

叔母様達が
夜中じゅうボクを交代で
診ててくれたようで
アロマが焚かれ
手足をさすってくれていた

ボクがサンダルウッドか
サンパギータの香りが好きなこと
知ってるので
それに様々なブレンドしてくれてた

ユーカリやネロリの香りが
優しくて目覚めたとき
天国かと錯覚した

「痛みはどう?」

鎮痛剤のほとんどに
アレルギーのあるボクには
耐えるしかない

「いたいよぉ」

「そうかそうかじゃあ
腕もマッサージしようね」

そういって
摩りはじめた

午前4時
ボクは再び眠りにおちた

はやく治りますように



読了ありがとうございます 世界の片隅にいるキミに届くよう ボクの想いが次から次へと伝播していくこと願う 昨年のサポートは書籍と寄付に使用しています 心から感謝いたします たくさんのサポートありがとうございました