出会いの楽しさを教えてくれた場所

大好きすぎて人に教えたくないものがある。秘密にして自分だけのものにしていたいもの。思い出すと嬉しくなるもの。その“大切なもの”は、「この人なら、私の”大切なもの”のスペシャルさを、ちゃんと受け取ってくれる。」って思ったときにだけ、思った人にだけ、こっそり、教えるようにしていた。

書くとちょっとどきどきするけど、残したくて書こうと思った。

大切で大好きで特別な場所、

古宇利島。

2014年の9月、大学3年生の夏休み。私は初めてこの場所に行った。沖縄から車で行ける離島、「古宇利島」

今でこそ観光地として有名になっているけど、当時の私は「古宇利島」という名前を聞いてもピンとこず、確かGoogleで検索した。でもだからこそ私の「特別な場所」になった。最近、有名になっていくのが嬉しいんだけど、寂しいくらいに本当に大好きな場所。

きっかけは、今でも覚えている。大学生活に退屈していた私と大親友の真由は、”何か”面白いことをしたくて、バイト前に渋谷のカフェで「沖縄で1ヶ月くらい遊ぼう計画」をたてていた。確か、就職活動を目の前にして、最後に思いっきり遊べるチャンス！！と、思っていた。

その数日後、「大学の先輩が、沖縄の古宇利島のお店でボランティアを募集している。」という情報をゲットした真由が私に連絡をしてきた。なんのことかさっぱりわからなかったけど、何も迷わず「とりあえず話を聞きに行こう。」ということになり、同じ大学だった真由がその先輩（今では大尊敬のシンジさん。）に話を聞きに行った。

古宇利島の海の家で、住み込みで働く。お給料は出ないけど、住むところと食事はタダ。

「なんか楽しそう。」と思った私たちは、即決で古宇利島に行くことを決めて、ジェットスターで沖縄までの片道切符を買った。

もし真由がシンジさんと同じ大学じゃなかったら、古宇利島には行っていなかったし、そしたら私は今ベトナムにいないんじゃないかと思う。きっと留学にも行っていなかったし、もうちょっと落ち着いて日本で暮らしていたんじゃないかと思う。（それはそれで楽しい何かをしていたかもしれないし、それはそれで両親は安心したかもしれないけど。）

そのくらい、本当にここで私の人生が変わったと言っても過言ではない。もしアナザースカイを聞かれたら、私はこの場所をあげると思う。

*

沖縄には、全国各地から旅行客が来る。ボランティア先では、”接客”ではなくて、”人との出会い”を大切にすることを教えてくれるお店の人たちに出会った。

それまで人見知りばかりしていた私に、「人見知りなんてしていたら勿体無い！」と思わせてくれた。”出会い”って、こんなに楽しくて素敵でハッピーで人生を変えるものなんだと思わせてくれた。

朝は早く起きて海に行って、仕事が終わったら夕日を見て、夜はみんなで星を見る生活をした。お客さんとたくさん話して仲良くなって、最後には”友達”になってバイバイをする。出会った人が、古宇利島の旅行を思い出したときに、自分のことを思い出してくれたらいいなあと思っていた。

このお店で出会った人たちは、大学生だった私に本気で向き合って話をしてくれた。本当に素敵な人たちだった。素敵な大人だった。幸せな人生を生きている人たちだと思った。すごく逞しかった。全部を本気で、楽しんで、とにかく”人”を大切にしていた。

あのときすごく感動したのはきっと、出会って数日の私にこの大人の人たちが、「本気で」向き合って話をしてくれたからだと思う。こんな私にも、こんなに向き合ってくれる人がいる。ということが、私を変えてくれたのかなあと思う。

私が大学生の時に想像していた大人は、「たくさん遊べるのは学生のうちだから、今のうちに遊んでおきな。」って言う人ばかりだったけど、ここで出会った人たちは、「社会人もこんなに楽しいんだよ。」って、ワクワクさせてくれた。

今でも思い出しても、心がきゅっと切なくなるくらい眩しい思い出。

ずっとずっと私の大切な場所！

ボランティアに誘ってくれたシンジさんは、今でも相変わらず古宇利島で最強にかっこいい大人だし、素敵な写真を撮ってくれたえーちゃんは、今はプロのカメラマンになっている。ここで出会ったありちゃんとゆかねえは、わざわざベトナムまで遊びにきてくれた。真由は連絡取ってないけど元気。それがわかるくらいには親友。

古宇利島の良さを受け取ってくれると思って、この場所を教えた親友の梨香子は、私が伝えた以上にこの場所を好きになってくれて、今では年に何回も行くヘビーユーザーになっている。（笑）

みんなみんな元気かな。

思い出したらワクワクした。

旅に行くとき、またその場所に行きたいなあと思う1番の理由って、”人”だと思う。楽しかったなあと思わせてくれるのはいつも、思いがけない出会いだと思う。

それを教えてくれた「古宇利島」

小さな出会いも、本気で大切にしようと思ったきっかけ。もっとたくさんの人に会いたいなあと思ったきっかけ。自分が本気で人と向き合ったら、相手の心に必ず響くということを教えてくれた。

古宇利島に行って帰ってきた後、私は「記録に残したい」と思って、Facebookに投稿したけれど、うまく言葉が書けなかった。

言葉にすると、古宇利島でのスペシャルな経験が薄っぺらくなってしまう気がした。誰かに話してうまく伝わらないのも嫌だった。だから私はあまり人に話さなかった。大切すぎたから。

今でこそ少し書けるようになったけど、あの時の特別な気持ちと、ワクワクをいつかもっと言葉にできる日が来るといいなあと思う。

ここが私のアナザースカイ、in 古宇利島〜！