計画における文字と数字を繋ぐもの
河内のパートナーCFO、まあーつんです。今回は事業計画を考えるうえで「どうすれば実行可能な計画になるか」を考えます。
1. 文字と数字を繋ぐ、とは
経営計画や事業計画は定量計画と定性計画で構成されます。
定量計画は「数値計画」ともいわれほぼ「未来財務諸表」の形で示されます。例外的に売上高は利益だけで示されることもありますが、収益の部、費用の部、資産の部、負債の部、資本(純資産)の部にはキャッシュフロー計算書もついています。
定性計画は「行動計画」ともいわれています。「収益を確保するためには何をする」、「どういうお金を使って何をする」、「お金の集め方と使い方はどうするか」という点を文字や図表等で描かれるものが定性計画です。
ここで問題となるのは文字と数値にどのような関連性があるかわからない、または整合性が取れていない場合があるということです。事業計画には外部に公表されることがありえますが、公表されるのは定量計画であることがほとんどです。第三者が数値を見たところで何を意味するのかが読み取れず、何をするのか分かりにくい計画ができます。
なぜこのようなことが起こるのか。理由は定量計画と定性計画の関連性を見出すことなく建てられる計画そのものにあるのですが、もう少し考えると、収益計画と支出計画の特徴の違いに求めることができます。収益計画は他人任せですが支出計画は自分の意思が働くので自由にコントロールできる特性があります。この、収益はコントロールできない性質があることが数値と行動を乖離させる要因です。
2. 答えは戦略マップです
先に「収益は他人任せであるが、支出は自分の意思で動かすことができる」といいましたが、文字と数値を繋ぐための答えがここにあります。
つまり「すべての企業活動は売り上げを確保するためにある」ので、収入を支出に変換することができれば自らコントロールできるはずです。
収入を支出に変換というのもそもそも簡単なことではありませんが、そのヒントになるツールが戦略マップです。
戦略マップは、企業活動を財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、(組織や個人の)学習と成長の視点の4つの視点から企業活動を分析するツールです。バランススコアカードと呼ばれる分析手法で用いられるものです。
戦略マップも最終的には財務の視点で表現することになるとは言っても、その前段階では企業活動があります。戦略マップを用いることで財務の視点だけではなく他の視点も入った事業戦略を作成することができます。
3. そんな戦略マップをどうやって作るのか
戦略マップを作るのは簡単か?と聞かれますが、必ず「簡単ではない」と答えます。しかし、難しくもない。
「適切な解説本を読みその通りやってみれば」難しくはありません。問題となるのは技法の適切な使い方であって技法そのものではないのですが、「適切な解説本を読むこと」「その通りやること」の二点を導いてもらう必要があります。
品質管理の世界に「なぜなぜ分析」がありますが、戦略マップの本質はここにあるようです。例えば「売上を100億円増やす(財務の視点)」には「顧客を3人増やす(顧客の視点)」、そのためには「インストラクターを10人(業務プロセスの視点)」確保し、「インストラクター養成の訓練プログラムはこう(学習と成長の視点)」ということを埋めていけばよいのです。
文字と数字が繋がった計画になりますね。
財務の視点は収益の話ですが、残りは費用の話です。なぜこのようなことができるのか、答えは実行計画の中に数値が入っています。
数値を使って表現できる指標を探し出すこと、そのためにはいくつかの方法がありますが今回は戦略マップを使いました、ということです。
一般社団法人日本パートナーCFO協会
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