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世界の歴史

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光山忠良による世界の歴史
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2023年1月の記事一覧

フランスの名優ジェラール・ドパルデュのロシア移住

フランスの名優ジェラール・ドパルデュのロシア移住

昔からフランスは憧憬の国だったし、現在でも辻仁成や金原ひとみ、中山美穂、後藤久美子など多くの文化人・著名人が移住している。私は大学でフランス史を専攻したこともあって、「フランス映画のためなら死ねる」とか「フランス人になりたい」とか言っている変人?をこの目で見てきた。

そんな文化人の憧憬の国・フランスの名優の一人が、ジェラール・ドパルデュだ。私にとってドパルデュといえば映画『シラノ・ド・ベルジュラ

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スティーブ・ジョブズと生き別れた妹

スティーブ・ジョブズと生き別れた妹

中国との和解というアメリカ国家100年の計を実現させた男・ヘンリー・キッシンジャー元国務長官が、ドイツ生まれのユダヤ人であることは記事にも書いた。外交という国家の肝に元移民を据えるというのは、なんだかんだいってアメリカの懐の深さを感じる。民間においては現在、マイクロソフト、アドビ、グーグル、IBMなどの大企業の経営者がインド出身である。テスラのイーロン・マスクは南アフリカ出身である。

スティーブ

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ゴルバチョフの禁酒キャンペーン

ゴルバチョフの禁酒キャンペーン

1985年3月、ソ連のチェルネンコ書記長が74歳で死去し、71歳のグリーシン、62歳のロマノフ、80歳のチーホノフらのライバルを押しのけ、54歳のミハイル・ゴルバチョフが新書記長に選ばれた。5月にレニングラードの路上に登場し、1メートルも離れない場所から市民に直接語りかけ、熱狂する200人もの市民の輪に囲まれた。続いて行った演説で、市民は、若く、親しみやすく、カリスマ性があって、そして(それまでの

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近視のスウェーデン王、つまずく

近視のスウェーデン王、つまずく

スウェーデンをヨーロッパ屈指の強国にのし上げた「北方の獅子」グスタフ・アドルフ。彼のことを調べようと思ってグーグル検索したら、「グスタフ・アドルフ、近視」との候補が上がってしまった。それほどグスタフ・アドルフといえば、近視と、それによる死が歴史ファンにとっても衝撃的なのだろう(私もそうだ)。スウェーデン王としてドイツ三十年戦争に介入し、傭兵隊長ワレンシュタイン率いる神聖ローマ皇帝軍とリュッツェンで

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「黒い悪魔」デュマ将軍が革命期フランスで活躍できたわけ

「黒い悪魔」デュマ将軍が革命期フランスで活躍できたわけ

『三銃士』で有名なフランスの大作家・アレクサンドル・デュマは、『椿姫』の作者である息子と区別するために父デュマとも呼ばれるが、父デュマにも当然父親がいる。しかし父デュマの父親がナポレオン軍の麾下の「黒い将軍」として恐れられたトマ・アレクサンドル・デュマ(1762-1806)であるという事実は、あまり知られていないかもしれない。
200年前のフランスで、有色人種であるトマが将軍にまで上り詰め、フラン

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