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フェチ 



*刺青・秘密/谷崎潤一郎
*細雪/谷崎潤一郎
*春琴抄/谷崎潤一郎
*痴人の愛/谷崎潤一郎


『刺青・秘密』

初期の短編、中編7編を集めた1冊。

フェティシズムやマゾヒズムが詰まった作品もあれば、温かく幻想的な作品もあって、本当に濃い1冊でした。谷崎潤一郎の作品は圧倒的な美しさがあって、好きです。


『細雪』 

大阪の旧家、蒔岡家の4人姉妹のおりなす物語。三女の見合いを中心に話は進んでいく。

長く淡々としているのに、美しく惹かれる文章でした。4姉妹の描写が丁寧で、個性を生き生きと感じます。家父長制の窮屈さはあるものの、斜陽ながら上流階級の日常の美を感じました。


『春琴抄』

盲目の三味線師匠・春琴と、奉公人である佐助の物語。

佐助の”盲目的”な献身と、それを受ける春琴の関係に引き込まれました。谷崎潤一郎の本には何か気持ち悪さを感じるけれど、言葉・文体・語りかたに加え、世界観さえ美しいと思ってしまうのが不思議です…


『痴人の愛』

会社員の譲治はカフェの女給であったナオミに惚れ込み、立派な女に仕立てやりたいと同居を申し出る。譲治は妖艶に成熟するナオミの魔性に溺れていく。

倫理観とか取っ払って、これがロマンなんだろうなと思いました。譲治の気持ち悪さ(褒め言葉)とナオミの小悪魔的な魅力に引き込まれました。
やっぱり文章がとても綺麗… 

#読書感想文 #読書 #谷崎潤一郎


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