【OWLオムニバス】旅してみたいW杯開催地
みなさまこんにちは。
オムニバス担当のHarakoです。
浜松へ向かう新幹線の中でこれを書いています。
そう、今日は着々と制作が進む「すたすたぐるぐる静岡編」の取材なのです!はたしてどんな記事ができるのか、お楽しみに。
好評発売中の信州編も、旅のおともに、雨の日の読書タイムに、ぜひどうぞ。
さて。
ついさっき、Twitterでこんな投稿を見つけ、懐かしい気持ちになりました。
この6〜7月は、日韓W杯から20年の節目。いろいろな形で話題になっていますね。私はまさにこのW杯でサッカー観戦にハマった世代。この画像にも、当時夢中でプレーを見た選手がたくさんです。
日本を応援するのはもちろん、いろいろな国の選手やサポーターの姿に触れられるW杯。TV越しでも本当にワクワクします。まだ現地観戦したことはありませんが、きっと感動もひとしおなのではないでしょうか。
カタールの次の2026年大会は米国、カナダ、メキシコの共催が決まっています。そして、その次の2030年はW杯100周年の記念すべき大会。第1回開催地のウルグアイと周辺国などが立候補の意欲を見せているようですが、どこに決まるでしょうか。
というわけで今月のオムニバスは、旅好きぞろいのOWL magazine執筆陣が、ぜひW杯が開催されてほしい国、W杯現地観戦に合わせて訪れたい国について書きました。
それでは、アジアから西回りで出発です。最後はちゃんと日本に帰ってきますよ。
よい旅を!
東南アジアW杯開催で、俺たちのJは微かに微笑む(中村慎太郎)
我々日本人は快楽主義者だ。だから、自分たちが気持ちいいかどうか、楽しいかどうかで物事を決める。そのためお笑い芸人が都道府県の首長になり、国や自治体の政策もその場しのぎのものが増えていく。我々はその場さえ気持ちよければいいのだ。
ここが欧米諸国との差である。彼らは長期的視野に基づき、どこに布石を打つのが得なのかを怜悧に考え抜く。それでも大きなミスをすることもあるのだが、それはさておき。ここでは、どこでW杯が開催されると日本とJリーグが得をするのかを考えてみよう。
自国開催が理想だがハードルは高く、リスクも大きい。そこで次点となるのが東南アジアである。東アジアでの中国、韓国、日本の共催という線もあるのだが、中国のサッカー界は深刻なダメージを受けていて、今後しばらくは立ち直らないような気がしている。当然ながらW杯の招致に動くエネルギーはないだろう。
となると東南アジアのASEAN諸国である。実際にインドネシア、タイ、マレーシア、ブルネイ、シンガポールが共催で2034年W杯への立候補を検討している。
5カ国の人口を合計すると4.3億人となるため注目度も高い(ベトナムはなんでいないのだろうか)。肝心のサッカーがまだ弱いのが気になるところだが、熱量はかなり大きいようだ。日本からすると時差は少なく、高温多湿の環境ではあるが、比較的慣れている。何より美味しいのが、東南アジアの選手は直接欧州へは行けないことだ。だからまず、Jリーグで実力をつけて、そこでも抜き出た活躍をするようなら欧州へと移籍していくことになるだろう。移籍ルートは日本人選手のものを使えばいいのでスムーズに行くように思う。
このような理由から、東南アジアでのW杯開催が決まると、自然とJリーグへの注目もあがり、Jクラブの広告効果も高まり、視聴数も稼げるようになっていく。嫌な言い方だが、我々Jリーグが世界の中で立ち位置を得るには、下のカテゴリーに属する地域があるほうが好都合なのである。
というわけで、非常に嫌な書き口の記事になってしまったのだが、我らがJリーグは、東南アジアでの開催を強力にバックアップしていくべき……。あ、それはJリーグじゃなくてサッカー協会の仕事か……。うーん……。
旅先としては、ブルネイの熱帯雨林を行くツアーを満喫したい。天然のドクターフィッシュがいる滝壺で足を食われてみるのも一興。大金持ちの国なのでゴージャスなモスクの荘厳さを味わうも一興。インドネシアもマレーシアもタイも行ったことがないので是非行きたい!日本代表ユニフォームを着て歩きたい!!というわけで色んな意味で東南アジア推しです。
アイガー北壁のちスイスW杯(Harako)
旅してみたいW杯開催地。
妄想トラベラーの私が書かずにはいられないお題である。
この記事のように、いつもは中東を旅している私。
今回の旅先にはスイスを選んでみた。
登山の後にサッカー観戦する「山のちサッカー」も、私の大好きな旅のスタイル。アルプスを訪れてからW杯を見るなんて、まさに世界最高峰の「山のちサッカー」だ。
スイス、イタリア、フランスなど6カ国にまたがる広大なヨーロッパアルプス。なかでもスイス・イタリア国境にそびえるマッターホルン(4478m)は、誰でも一度はその名を聞いたことがあるのではないだろうか。
鋭く尖ったピークがどこから見てもかっこいい、まさに名峰中の名峰。
ああ、本当にかっこいい。
ちなみに、これは氷河の侵食で山が削られてできた形で「氷食尖峰」という。日本の槍ヶ岳も同じだ。
アイガー(3970m)も、ぜひこの目で見ておきたい。
いくつかある登頂ルートのうち北東山稜からの初登頂を果たしたのは、日本人登山家の槙有恒。1921年、今から100年ほど前のことだ。
そしてマッターホルン北壁、グランド・ジョラス北壁とともに「アルプス3大北壁」と呼ばれる難所・アイガー北壁の冬季単独初登頂を果たしたのは、日本を代表するアルピニスト・長谷川恒男。日本の登山史においても重要な山なのだ。
もちろん、北壁に挑む実力は私にはない。
近くのグリンデンワルトの町に滞在して、名峰を眺める所要2時間ほどのトレッキングコース「アイガートレイル」をのんびり歩くことにする。
そそりたつ岩壁、カウベルを鳴らして草を食む牛たち、色とりどりの高山植物——。アルプスの絶景を堪能したら、山を下りてW杯の試合へ向かおう。
ここはやっぱり、スイス代表の試合を見てみたいところ。
対戦相手はどこにするか。山のちサッカーinスイスにふさわしい、最高のカードを考えたい。
イタリアやフランスとのアルプスダービーはEUROや欧州予選でも実現可能。せっかくなら他の地域の山、いやチームとの対決がいい。
一晩考えて導き出した答えは……、
スイスvs日本!!
世界中の山を比べた結果「富士山はすばらしい」という結論にたどり着いた私は、やっぱり日本人。
というわけで、スイスアルプスと富士山の対決。どんな試合になるだろうか。標高ではスイス有利だが、山は高ければいいというわけではない。
山歩きの余韻に浸りつつ、勝負の行方をじっくり見守りたい。
「まさかの4カ国共同開催!?イギリスW杯を考える!」(キャプテンさかまき)
2026年のワールドカップは、史上初めて3カ国共同開催になるようだ。カナダ・アメリカ・メキシコ。北米大陸の大半を使うのではないかという印象だ。移動距離も相当なもの、これほど規模の大きな大会は史上初ではないだろうか。
共同開催の流れは、大会への出場国数自体拡大していく動きにも呼応しているのだろう。よほど大きな国やもともとスタジアムがたくさんあるような国ではないと、これからは単独開催が難しくなるかもしれない。
そんな共同開催の流れが来ている中で、ぜひ立候補してほしい国がひとつある。
その国とは、「イギリス」だ。
イギリスは4つの国から構成される連合王国だ。イングランド、ウェールズ、スコットランド、そして北アイルランド。国家としてはひとつだが、サッカーの世界ではそれぞれの国がサッカー協会を持ち、それぞれに代表チームがいる。ある意味では単独開催、ある意味では共同開催になる稀有な国なのだ。
ワールドカップの歴史を紐解けば、1966年にイングランド大会が開催されてから50年以上が経過している。イタリアやドイツ、フランスでは既に2回大会が行われており、イギリスでもそろそろ……というタイミングではないだろうか。
実現性もありそうだ。プレミアリーグが開催されるイングランドには、ウェンブリースタジアムをはじめ大規模なスタジアムが既にある。それだけでなく、スコットランドのグラスゴーやウェールズのカーディフにも数万人仕様のスタジアムがある。実際に2012年ロンドン五輪では、サッカー競技の舞台としてマンチェスターやグラスゴー、カーディフのスタジアムが使われた実績がある。既存インフラを使えるし、DAZNでよく見たあのスタジアムで日本代表戦が見られる……こんなに幸せなことはないだろう。
一方で、共催大会で問題になるのは開催国枠だ。2026年大会以降については単独開催ならばこれまで通り開催国枠が設けられ、共催の場合の開催国枠はFIFAの評議会で決まるそうだ。そりゃ3枠も4枠も開催国枠が使われてしまったら、他の国からしたら「勘弁してくれよ!」と思うだろう。
イギリスで大会が行われる場合は開催国が4となるかといえば、現実的に厳しそうだ。しかし今から64年前、1958年大会ではこの4カ国が本戦に勢揃いしたことがある。カタール大会で久々に本大会へ出場するウェールズが前回出場したのがこの大会だ。スコットランドや北アイルランドも全く弱いチームではない。仮に開催国枠がもらえなくても、きっと自国開催ならば自力で本戦まで駒を進められるはずだ。
さて、最後はもしイギリスW杯が開催されるならの話だ。その際には是非ウェールズへと行ってみたい。
実は私は以前ウェールズを訪れたことがある。2016年の夏だから、今考えるとEURO2016の快進撃のすぐ後のことだった。しかし当時の私の興味はウェールズよりもスコットランド。エジンバラやグラスゴーを観光した後、ウエールズはロンドンへと戻る途中のおまけのような位置付けで、首府のカーディフに1泊しただけでほとんど素通りしてしまったのだ。
今考えてみると、非常にもったいないことをしたと思う。旅のおまけのはずのウェールズだが、意外なほどに記憶に残っている。カーディフの街には赤い竜が描かれた国旗がなびいていた。ロンドンでみたユニオンジャックとは違う、強烈なアイデンティティの発露だ。看板を見れば書かれた見覚えのないウェールズ語が幅を利かせている。併記された英語が無ければ全く理解できなかった。連合王国とはこういうことだったのか。同じイギリス国内でも、こんなにも文化が違うのだ。
この部分が共同開催の上で枷になるのか、むしろ良く作用するかはわからない。しかし、サッカーを通じて我々の知らない「イギリス」を知れたらと思うのだ。
当時の写真を見返してみたら、旅行熱が高まってきた。イギリスW杯の暁には、ぜひこの国をゆっくりと満喫してみたい。山もあれば海もある。産業革命の頃に栄えた炭鉱や、古い鉄道が残っている。大きな男の子にはぴったりだ。
日本戦がない日は、パブで馬鹿騒ぎしながら過ごせたら最高じゃないだろうか。まずいポテトでも食べながら。そんな妄想も膨らむ大会、是非実現してほしい。
リベンジの地、アメリカ (のんちゃん)
日韓W杯開催時、私は0歳4ヶ月でした。
共同開催といっても、母国日本で開催されたW杯。
出来ればこの眼で見たかったです。
しかし、小学生の時のW杯の盛り上がりは覚えています。2010年の南アフリカ大会や、2014年のブラジル大会。TV越しでしたが、盛況を呈する様子を見ていました。
4年に一度しか体感できない盛り上がり。
2026年W杯はカナダ・メキシコ・アメリカでの共同開催が決定しています。
24歳、順調に行けば社会人3年目のタイミングで迎えるW杯。
私は、その盛り上がりを思い出の地、アメリカで体感したいです。
3歳の時、初海外で行った土地、アメリカ。
母と2歳年上の兄と3人で、母の友人の家に遊びに行きました。
2週間という期間で旅行をしたり、現地の生活を味わったりとても思い出深い経験になりました。
せっかくの初海外、といっても幼稚園児のわたし。当時も英語を学んでいたにも関わらず、現地で日本語を貫いていたようです。
私は、1歳から18歳まで英会話教室に通い、英語習得に励んできました。
現在も英語を学べる学科で翻訳や通訳、そしてアメリカ圏の文化理解に努めています。
リベンジがしたい。
次にアメリカへ行くなら、ちゃんと英語を使ってニューヨークのタイムズスクエアを散策し、ブロードウェイでミュージカルを鑑賞するなど、存分に満喫したいです。
そして、アメリカのスポーツバーで現地のクラフトビールを飲みながらサッカー観戦がしたいです。
ブルックリンラガー(Brooklyn Lager)は、私のバイト先のカフェでも提供している、有名なクラフトビール。
ビールづくりの町、ブルックリンの傑作。
香りが豊かなラガービール。
飲んだらガツンとくる満足感。
濃厚で癖になるブルックリンラガーに、ニューヨークのスポーツバーで酔いしれる。
なんて至福なのでしょうか……。
想像しただけでアドレナリンがみなぎります。
調べてみると、ニューヨークの有名高層ビルであるエンパイアステートビルの前に、素敵なスポーツバーがあるじゃないですか!
The Football Factory at Legendsは20もの大きなスクリーンのテレビで、1週間で100以上の試合を放映しています。
プレミアリーグやラ・リーガ、そしてW杯開催時にはW杯の試合も見れちゃいます。
日本戦がある日にはスタジアムへ足を運び、試合がない日にはThe Football Factory at Legendsでクラフトビールに陶酔する。
最高のサッカー旅が出来そうです。
実は8月に、短期留学でカナダへ行ってきます。
海外でサッカー観戦することは夢でした。
実際にW杯へ行けるのか分かりませんが、下見も兼ねてどこかしらのリーグの試合を目に焼き付けて来ようと思います。
東京五輪の無念を晴らすのは「日韓ワールドカップ」(斉尾俊和)
2021年夏、ガランとした東京メトロ。伏し目がちにすれ違う人たち。緊急事態宣言下、静まり返る街。会場の国立競技場や日本武道館の周辺も閑散としていました。
こんな寂しくて悔しい情景のなか、「東京2020 夏季オリンピック」は人々の熱狂を写すことなく終わりを告げました。
こんなはずじゃなかったのに――。
コロナ禍は今でも続いています。過ぎ去った日々を振り返ったってそこには後悔しかありません。こうして「痛み」のような感情を誰もが忘れたふりをしながら、日常を過ごしておりますが。できれば、可能であれば、東京五輪のリベンジをしたくありませんか!
そうです、もう一回やろうじゃありませんか、日韓ワールドカップ! 開催国が決まっていない2030年以降であれば、緊急事態宣言とともに大会をやる心配もないでしょうし、さすがに、おそらく、たぶん、もろもろの問題は落ち着いている頃でしょう。
2002年と同じく日本と韓国で共催すれば、スタジアムの数は担保できるので、巨大スタジアムの負債とレガシィに苦しむことを軽減できるでしょう。パナソニックスタジアム吹田や豊田スタジアムも新たな選択肢に入りますしね。
2002年から数十年が経ち、Jリーグを頂点として47都道府県にサッカーが根付いた日本であれば、お題目程度に留まらない「おもてなし」を世界の選手やサポーターに提供するでしょう。キャンプ地となった土地で、同じくサッカーを愛するものとして交流するんじゃないでしょうか。
そして、東京五輪の開会式を巡って不祥事が相次いでザンネンな出来となってしまった、もろもろのクリエイティブ。「痛み」を知った我が国だからこそ、今度こそは日本オリジナルの演出や映像で世界中の度肝を抜いてほしいです。
お隣の韓国はBTSやBLACK PINKなどの一流アーティストを輩出し、『イカゲーム』や『パラサイト』などの作品を生み出し、もはや日本に先んじる「エンタメ大国」と言っていい存在です。共催する隣国に学ぶよう、競うようにクリエイティブを生み出すことができれば、自然と汚名は返上できるはずです。
歴史を積み重ね、サッカーが根付いた日本は、2002年と比べてサッカーを愛する人が格段に増えました。そして先の東京五輪では無観客での開催、不祥事などの「痛み」を知りました。
10年以上先の未来になってしまうかもしれないですが、愛と痛みをさらに知った日本で、世界中のサポーターと交流できれば、どんなに幸せなことでしょうか。
20××年、スタジアムで、パブリックビューイングで、街角の酒場で。世界のサッカー狂たちと最上の歓喜に酔いたい!
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OWL magazine 旅とサッカーを紡ぐWeb雑誌
サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…