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OUWNでバイトをすること【前編】

今回は番外編として、「OUWNアルバイト経験者に話を聞こう!」という回です。いつもは聞き手としてnoteを書いている私・星も実はOUWNアルバイト経験者。話し手として参加させていただきました。
今だからこそ言える大変だったことや、印象的な言葉や出来事など。内部・外部の両方の視点でたっぷり話します!

なぜOUWNに入りたいと思ったのか

石黒 : 今回はバイト対談を企画させてもらいました。いつものnoteだとOUWNの内部からの話だから、今までOUWNに接してくれてた人っていう目線で話を聞いたら、僕らもみんなもまた違った見え方ができて面白いんじゃないかなと。
ティーチャー(藤田)ともそういう話をしてたんだけど…なぜか今日ティーチャーはいないっていう(笑)。

三橋 : お会いしたかったです!

石黒 : なんかちょっとバタついてるみたいで、そういう星の下に生まれてるんだと思う(笑)

星 : 確かに、あんまり巡り会えないですね(笑)

石黒 : もしかしたら今後OUWNでバイトをしたいって考える人がいるかもしれないから、何か参考になったり繋がりにもなるかなって思って集まってもらいました。来てくれてありがとうございます!

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石黒 : では、簡単に自己紹介をお願いします!

星 : 私は新卒で入った広告制作会社の後、別の会社でデザイナーをした後にOUWNに入りました。今はフリーランスでデザイン・アートワーク制作をしています。最近は絵の活動をもっと広げていきたくて、布にプリントして服にしたりとか、日常の中に溶け込めるような展開をしていきたいなと思っています。

石黒 : じゃあアーティスト兼デザイナーって感じなのかな。

星 : そうですね。その他にも年に一度高校で授業をさせてもらったり、あとはOUWNに入る前ですが本を書いたり…その本のこともあって、今noteを書かせてもらえてると思うので、いろんなことが仕事に繋がっています。作品を作り続けて、それが誰かに喜んでもらえたらいいなと思います。

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石黒 : 星さんはコピー周りとかもうまいし、今はOUWNでもnoteを書いてくれていて、OUWNとも密接に関わってくれてるよね。OUWNに居た時は、スケジュール組んで進行管理もできて、ある程度任せられるようなタイプだった。逆に三橋くんは入ってくれた時が学生だったから、まっさらな状態だったよね。では、三橋くんも簡単に自己紹介お願いします。

三橋 : 僕がOUWNにいたのは大学生の時です。その時は就職も決まっていて、あとは卒業制作だけって時に入りました。
今はフリーランスでアートディレクターとグラフィックデザイナーをやっています。メインとしてはポスターやロゴ、パッケージなどのデザインですね。最近ではブランドの立ち上げに携わることが多くて、コピーライティングやネーミングの部分から一括してなんでもやるスタイルです。

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石黒 : 星さんはアート寄り、三橋くんはデザイン寄りで、2人ともフリーで頑張ってるって感じだね。なんかすごいなぁ、時代を感じるよね(笑)。
星さんは制作会社後にOUWNに来て、三橋くんは学生で就職が決まった後にバイトに来てくれたけど、その時にバイトしようと思った心境が興味あるなぁ。

三橋 : 僕は広告代理店に就職が決まって、完全燃焼しきった後だったんですよね。デザイン会社で経験してから入社することで、モチベーションを上げようと思って応募しました。

石黒 : 真面目だねぇ(笑)。星さんは?

星 : 私は広告制作会社で勤めた後、割とちゃんと社員になる気持ちでデザイン会社を探していました。その時にOUWNを見つけて、アパレルだったりエンタメだったり、自分が好きな分野でディレクション、デザインを一括してやっているところに魅力を感じましたね。

石黒 : OUWNはブティック系の小さい事務所だから、担当した案件がそのままダイレクトに自分の成果物だったり経験になったりとか、大きな会社との違いはあるよね。
三橋くんは学生の時だから、バイトを探す時に相当いろんな候補があったんじゃない?その中でOUWNを見つけて選んだ理由ってあるのかな?

三橋 : 学生の頃からMR_DESIGNの佐野研二郎さんのデザインが好きで、そこに居た石黒さんの存在を知っていたんです。OUWNのデザインはおしゃれで洗練されていて、そういうデザインを学びたいなって気持ちがあったので応募しました。

石黒 : なんだか三橋くん、ちょっと緊張してない?いつもそんなかしこまってたっけ?(笑)

三橋 : 緊張してますね!(笑)何を話そうかなと。
なので、石黒さんの洗練されたデザインに惹かれて応募しました。あと、僕は藤田さんと同じ大学で同じ学科(多摩美術大学・グラフィックデザイン学科)なんですよ。それで親近感が湧いたのも大きかったです。

石黒 : そうだね、ティーチャーの後輩にあたるもんね。星さんは、応募理由は他にもある?

星 : 私も当時いろんな会社を見てたんですけど、専門学校からの友達でありデザイン仲間であり、今ではOUWNとも仕事をしている川島さんにOUWNの存在を教えてもらったんです。元々は川島さんがOUWNファンで、「OUWNがバイト募集してるよ、きっと合うと思う」って教えてくれたんですよね。それでOUWNの作品を見ました。
私の中で一番大きかったのが、雑誌ブレーンで石黒さんが担当したブックジャケットの回があって。それを見た時にデザインはもちろん素敵なんですけど、話している内容や言葉が自分の考え方と合っていたんですよね。何を大事に思うかの感覚が近いように感じて、「この人と一緒に仕事をしたい」と思いました。

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> ブレーン記事 : キラキラ輝く旅の記憶を再現したブックジャケット

石黒 : すごいあれだな、僕が嬉しい回になってるね(笑)。
星さんをOUWNに導いてくれた川島さんは、今はLUMINE有楽町10周年のサイネージのモーションをやってもらったりしてて、一緒に仕事をしてるんだよね。逆にそれは星さんが川島さんを紹介してくれた。良い循環になってて嬉しいです。

今でも印象に残っている案件

石黒 : 当時の制作物で印象に残ってるものは?

三橋 : 僕が印象に残っているのは六本木ヒルズのポスターです。
僕はポスターの文字をレタリングしたのですが、自分がやった仕事で初めて掲出されたものだったのですごく嬉しかったですね。打ち文字にはない味を出しながらも手書きっぽくなりすぎないという、ちょうど良いさじ加減にするのが難しかった。ポスターは石黒さんの力が9割9分なんですけど(笑)

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石黒 : 打ち文字を使わないで全ての文字をレタリングするって、今思うと文字を細部までよくこだわったなーって感じるよね。三橋くんがやってくれたレタリングの部分って、デザインする中でも最後の余力みたいなところ。そういうのって意外と細かい作業だから、三橋くんみたいにバイトで来てくれてたり、アシスタントの人がいないとできなかったりもする。だけど、こういう最後の詰めで精度がぐんと上がるから大事なんだよね。

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2016年3月、Roppongi Hills WESTWALKにメンズゾーンがOPEN。この告知に伴い、コンセプトやメインビジュアル制作をOUWNが担当しました。
デザイン完成版はこちら >

石黒 : 星さんは色々広めにやってもらってたとは思うけど、自分の印象的にガッツリやってもらったのがKUMONのドリル。デザインや進行とか、何か思い出はあったりする?

星 : KUMONは付録シールのイラストをメインでやらせてもらって、食べ物、海の生き物、森の生き物…ってそれぞれテーマがある中でモチーフを考えました。クリオネだったりフクロウだったり、結構イレギュラーなものを多く入れていたのですが、それをOKしてくれたのが嬉しかったです。
作業の中で印象的だったのは、イラストを作っている時に「これだと可愛いイラストでグラフィックまでいってない」って言われたこと。その時はすごくショックでした(笑)。でも確かにそうだなって自分でも思って、角度を合わせたり規則を合わせたり、もっと細かく意識していったらすごくデザインとして良くなったのを実感しましたね。

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くもん出版 「できた!がいっぱい夏ドリル」の、3さい・4さい・5さいの特別版をデザインしました。 一冊一冊に夏のストーリーが感じられる仕様になっています。
デザイン完成版はこちら >

石黒 : ちょっと思い出してきた(笑)。やっぱり全てにおいて惹きのポイントは作らなきゃいけないから、イラストというよりもグラフィックにして、ちょっと変にしようかって話をしたね。でもこのドリルは、本当に良いものになった!

星 : 裏表紙とかも一緒にやらせてもらって、石黒さんが当時もその後も、良いデザインになったねって言ってくれていたので、それを一緒に作れたことが嬉しかったです。しかも最後、クレジットに名前を入れてくれたことが本当に嬉しくて。このドリルは3年前に発売されましたが、毎年ちゃんと夏になると売ってるんですよ。なので本屋さんで見かける度に、つい自分の名前を見てしまいます(笑)。

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三橋 : 自分の名前が入ってると嬉しいですよね。
僕も六本木ヒルズの時、新卒で仲良くなった同期と六本木ヒルズに行って、一緒に写真撮ってもらったりしてました(笑)。

星 : 分かります!(笑)
あとは結構アイデア出しも多かった印象です。Waterfrontとか…!
スキルではまだまだ敵わなくても、考えることは平等にできることだから、そこはもう「出さねば!」って気持ちで、とりあえず数を出してました。

石黒 : そういうのは本当に大事だよね。今のOUWNに是非浸透してほしい(笑)。話が広がって頭を柔軟にするってところでセッションしないといけないから、数を出さなきゃあんまり意味がない。2つ出して2つ良いよりも、ダメなのが100あって1つ良いモノがある方が良かったりする。
Waterfrontは心斎橋にできるお店のディレクションをやらせてもらって、星さんもサインのグラフィックとかギフトボックスをやってくれてたよね。あれも実はまた今、別の仕事に繋がっています!

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2019年6月、傘ブランドWatarfrontが日本最大級の旗艦店「Waterfront SHINSAIBASHI / OSAKA」をオープン。 OUWNでは、こちらのクリエイティブディレクションを担当。 
デザイン完成版はこちら >

「石黒の調子は声で分かる」

石黒 : OUWNの生活で何か印象に残ってることは?

星 : これは何回も言ってると思うんですけど…最初は本当に、会社全体が静かすぎて驚きました。今でこそそんな印象ではないんですが、藤田さんも出井さんも3人共、あまり喋らない人なのかなって思ってました。特に石黒さんの声が小さくて…(笑)最初だからあんまり聞き返すこともできず、全力で耳傾けてました。

石黒 : (笑)(恥)(笑)

三橋 : ちょっと分かるかもしれない。徹夜明けの石黒さんの声の小ささ、僕も覚えてます。声の小ささで石黒さんの今日の調子が分かる、みたいな…。

石黒 : ホントかよ(笑)でもまぁ、それは割とどこでも言われることなんだよね。名刺交換の時に「声ちっさ」って2回くらい言われたことあるよ。普段、全力のうちの3分の1程度しか声出してないんだと思う(笑)。

星 : 当時は仕事中、会話がほとんどSkypeで、隣に座ってるけど「キッチンにお土産置いてあります!」とか、「もうミーティングいけますか?」みたいな内容をSkypeでやりとりしてて。声をかけるとしても、1回Skypeで状況を伺ってからっていう方式でした。

石黒 : 普通に声かけ合う方がいいよね(笑)。そこはちょっと反省してる。なんでそうなってたのかも謎で…… 今はそんなことないかな。

身についている作業環境

星 : あと印象的だったのは、作業環境を整えることですね。基本的にデスクには物を置かないとか、Macに付箋を貼らないとか… あまり雑多にしないということ。ワークスペースやスクロールの向きをみんなで合わせることも最初は衝撃でした。ワークスペースを揃えるのは、同じデータを共有することも多いし、自分以外のMacで見てそのまま作業する時にもストレスなくいじれるようにするためで、作業効率を良くするためのこと。でも私はスクロールの向きが皆さんと違って、なかなか慣れなかったのを覚えてます…!

三橋 : 僕は学生の時だったので、ソフトの使い方も時にこれっていうのは決まってなかった。イラレのワークスペースや使い方をOUWNで学んで、今でもOUWNのものがベースになってますね。
作業環境のことで言うと、僕が最初に驚いたのは石黒さんが「物をグリッドで並べる」って言ってたこと。僕はデスクを使ってる時、紙とかを雑に置いたり、ちょっと汚しがちだったんです。でもそういう作業スペースがデザインにも影響するから、環境を整理整頓した方がいいよって言われました。
立体物であっても目で見てグリッドで合わせていくっていうことが、結局PCになった時にも文字の置き方やレイアウトに活きてくるんだなって実感しました。

石黒 : 今思うと、当時は真面目に教えてたんだなぁ。ちゃんと言葉で伝えてたというか…。今fumiとかに言葉で教えてるかっていうと、そんな感じじゃないかもしれない。

三橋 : 石黒さんに教えてもらった事はしっかり今に活きてます。学生のアルバイトだと雑用とかが多かったりするのですが、実際の仕事に携わることができて、そこで教えてもらえたことは大きかったです。身の回りの整理整頓をするって意識も、OUWNで学んで今も実践しています。

石黒 : 良いこと言ってくれるな〜(笑)。

OUWNと他の会社の違い

石黒 : 2人はそれぞれ他の会社も経験してるけど、OUWNとの違いやギャップって感じたりする?

星 : 色々ありますが、環境面のことが多いかもしれないです。ご飯を作ってくれて一緒に食べたり、朝はコーヒーを豆から挽いて淹れたり… 他の会社ではなかった、OUWNならではのことですね。
あとはやっぱり石黒さんがディレクターだから、石黒さんの考えを察することが一番というか。それでいて石黒さんは口数が多くないので、出井さんが石黒さんの気持ちを察して、それをまた私が察する…みたいな、「察する」の連鎖だった気がします。感じ取る力を強化していく、みたいな。

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三橋 : すごい共感します(笑)

石黒 : やばい事務所だな(笑)。本当に向き不向きがガッツリわかれるよね。言ってくれなきゃ分からないって人もいるだろうし、ご飯も手作りのなんて食べたくない、外で気分転換させてくれって思う人もいるだろうし。最近はそれもそうだろうなと思って、「今日はご飯作りません、しばらく閉店します」とか言ったりしてる(笑)。みんな外で息抜きしたいだろうしね。
三橋くんはどう?

三橋 : 他と比べると、やっぱり環境が整理整頓されてるってことですね。今まで自分が経験した会社の中で一番、綺麗に整えようとする意識が強いです。大きな会社だとそれぞれスタイルが違うけど、OUWNは石黒さんスタイルに統一されている。OUWNは環境が洗練されてるので、やはり定着も洗練されたものが出来上がるんだなって思います。

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> OUWNでバイトをすること【後編】へ続く

YUTA MIHASHI / @mihashiyuta
WEB : https://www.yutamihashi.com/
NARUMI HOSHI / @castlru
WEB : https://www.castlru.com/
note : https://note.com/castlru
OUWN / @ouwn_0402
ATSUSHI ISHIGURO / @ai_ouwn

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執筆 : 星成美


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