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OUWN is : 出井がOUWNを卒業⁈ 変化のとき [後編]

前回は出井のOUWNヒストリーを振り返りました。
今回は、OUWNのディレクター・石黒からの質問に答えます。OUWNのこれからを問いかけるような深い内容に、7年を経て出井が思うこととは?

組織のバランス・関係性

ー 石黒さんからの質問にいきましょう。

「良くも悪くも個としての石黒という存在が大きい組織ではあるけれど、石黒篤史という1人の人間とOUWNという組織とのバランスや関係性についてどう思いますか?」

出井 : これは答えを考えるのが難しいですね…。
OUWNは大体4〜5人でやっていて、人数と1人1人の経験が少ないからデザイン面では石黒さんのカラーが強く出る。でも事務所の中では他のスタッフの個性も立っていて、その時のメンバーによってOUWNのテンションが変化する面もあります。
事務所内の環境面の工夫でも、スタッフが良い案を出したら石黒さんは採用してくれる。デザイン作業以外でも自分の存在価値が認められるような、そういう環境だと思っています。

出井 : 以前在籍していたスタッフが、富士山に登りたいって言ったことがあって。それがきっかけでOUWNメンバー全員で休みの日に集まって登ったんですよね。石黒さんはその話が出た時は登りたくないって言ってたのに(笑)、「面白そうだしみんなで登るか」ってなる感じがOUWNらしいなって。
誰かの意見に賛同して前向きに取り入れてくれる雰囲気が、良い関係を築くポイントの1つなのかなって思います。さらにその時は、作品を山頂まで持って行って作品撮りをしました。そこもOUWNらしいですよね。

ー もしかしてこの写真ですか?

出井 : そうです!一眼レフも重いのにわざわざ石黒さんが山頂まで持って行ってて(笑)、創作意欲に溢れてますよね。結果、富士登山はとても良い経験になりました。
意見の違いがあった時にはスタッフそれぞれの考え方があるから、その都度みんなで話し合うっていうのもOUWNらしさかな。もちろん最後のジャッジは石黒さんがするけど、みんなが意見を言いやすい空気が作られていると思います。

ー OUWNならではの習慣やルーティーンもありますよね。

出井 : 事務所内に花を絶やさないこととか、毎朝コーヒーを淹れるとか。ルールまでいかずとも、やんわり習慣があるっていうのは会社の個性で面白いし、みんなで共通の認識がとれてチームワークが生まれやすいから良いと思っています。
小さなことでも石黒さんの考えがあってそれをやってるので、その習慣を一緒に行うことで急速に親しくなれる。考え方も取り入れやすくなって環境に馴染むことが出来るので、結果OUWNでは、デザイン技術の向上に繋がると思っています。逆にこの段階で違和感を感じたら、合わないのかなとも思います。

ー そういう気持ちでいないとやっぱり吸収できないですよね。しんどいなって思ったことはないですか?

出井 : 正直言うと多々ありました(笑)。作業に追われている中、花を買いに行くのは大変だし、コーヒーも毎朝豆を挽くところからだから意外と時間が取られますし、「あ、牛乳切らしてる...!」とかね(笑)。事務所の掃除も自分がやらないといけないし。
ただ、リフレッシュになることも多いです。コーヒーをドリップしていると心が穏やかになりますし、ひとりゆったりと今日の作業のことを考えたりも出来ました。

ー 「組織のバランス」はどうですか?

出井 : 1つ前の記事でも話していますが、石黒さんは個々の意見を尊重してくれます。作業中は厳しくなる時もあるけど、お菓子を買ってきて場を和ませてくれたり、バランスを取ってくれる。
ご飯を作ってくれるのも嬉しいし、仕事以外の部分で石黒さんの人間性が見える時があるから、社長としてというよりも1人の人間として接することができる。だから関係性が良いのかなと思います。

OUWNの強み

ー では次の質問です。

「OUWNの強みはどこだと思いますか?技術面・スタイル面、何でもOKです!」

出井 : デザイン面で言うと、細部までのこだわりです。どの案件にも細かいところまでアイデアが組み込まれていること。あとは色のカラフルさ、グラフィックの強さですね。それは外から見る人も最初に感じることだと思うのですが、私もそう思います。
スタイル面で言うと、フレキシブルに動ける、動いているという部分。今後どこまでできるかは分かりませんが、何か急な変更があった時にも柔軟に対応したり、むしろそのトラブルもプラスに変えていくアイデアと熱量がある。そこも他の会社には負けない部分かなと。
あとは、常にチャレンジをしているところ。COLOR by COLORもそうですが、一見無茶に思えることでも、これはしないって決めつけることなく何でもチャレンジしていくことが強みなのかなって。だから案件の幅が広いんだと思います。
スタッフの私でも目が離せない感じで、これって人に置き換えてもすごく魅力的じゃないですか。自分自身もそういう人間でありたいなと思う部分です。

「その強みの中で、出井という人物は、どのようなところを担い、強みとして貢献していたと思いますか?」

出井 : 自分で言うのは難しいです…!
しかも最近石黒さんに、私は唯一石黒さんに反発する人物だって言われたことがあって(笑)。石黒さんの意見を受け入れないことがよくあるって言われて、自分では全部受け入れてるつもりだったから驚きました。ボスの意見に従わないスタッフってちょっと問題ですよね。

ー でも自分の意思があって別意見を言えるっていうのは、会社にとっても良いことじゃないですか。

出井 : 石黒さんが納得できるようなことを言っていればまだ良いんですが、的外れなことを言っていないかどうか(笑)。
ただ、OUWNに勤め始めてから7年間、とにかく全力でやったなっていうことは、唯一貢献できた部分かもしれません。フットワーク軽く、すべてをOUWNに捧げて生活していたと思います(笑)。

これから必要になっていくこと

「向こう数年で、OUWNはどのようなチャレンジが必要になると想像していますか?」

出井 : 今までもそうだと思うんですが、石黒さんがやりたいことにチャレンジするのがいいのかなって思います。色々やってみるとまた新しい仕事に出会えるから、それに飛び込んでいくと何かがまた繋がるはず。
あと、個人的には事務所の地方進出とかも面白いんじゃないかなって。大阪とか、関東でも東京から少し離れた場所に何拠点か作ったり。空気も変わるし、楽しそうだな〜。

ー 楽しそうですね!いくつかあったら、私もどこかに入りたいです。

出井 : いろんな人が一緒に参加したり、様々な形で関わる人ができたりしても良さそうだよね。
今のOUWNは賞に向けて力を入れてやっていますが、それが落ち着いて…もし私が石黒さんなら、ちょっと人数増やそうって思うかな。今が5人なので、10人くらいとか?経営的なことは分からないけど、より会社を整えていくというか。そうしたらまた新しい風が吹くかなって思います。

ー 人数が増えたら、結構変化がありそうですよね。

出井 : ある程度経験があって1人でも立ってできるアートディレクターが2〜3人いて、そこにデザイナーがついて…みたいにやれたら、OUWNとしてまた変わるんじゃないかなって思います。
人数ありきでできることは色々あるだろうから、人数を増やすチャレンジ。

OUWNのこれから、出井のこれから

「OUWNはこれから、どのような組織となっていくと思いますか?」

出井 : 石黒さんがさらに活躍して、立っていくような気がします。理由としては賞が大きいと思うんですが、先日パッケージデザイン大賞で金賞に入ったり、単純に人の目に触れる機会が増えていくと思うんです。他にも展示とかをすることで石黒さんが立ちそうだなって感じています。
会社としては、これから新しく入ってくる人が大きく影響するんじゃないかなと。そして少し人数が増えて、今より組織がちょっと大きくなる気がします。

ー 出井さんとしても新たな日々になるのかなと思うのですが、今後のことで何か思っていること、決まってることなどはありますか?

出井 : 妊娠して自分ひとりじゃなくなった分、先のことが分からないっていうのが正直なところです。ただ、これまでと違うスタイルで働くことになることは覚悟しています。出産復帰後、4〜6月くらいから新しい働き方で本格始動する準備はしているところです。

ー 変化すること自体がチャレンジだと思いますが、どのように変化していきたいですか?

出井 : 変化は自然としちゃうだろうから、ちゃんと「デザイナー」としてやり続けること。母になる(なった)自分に負けず、心身と環境を整えていきたいです。そして、今より良い仕事が出来るよう努めたいです。

ー 出井さんにとってのOUWNはどんなものですか?

出井 : 変な表現かもしれませんが、学校以上家族未満の場所です。いろんなことを学んだし、こんなに長い時間どこかに在籍して、朝から夜中まで日々を共にするってなかなか無い。それに、組織の中でここまで1つのことに力を注ぐってことが、これ以上ないような気もしています。

ー 最後に何か、石黒さんへメッセージなどあれば、!

出井 : OUWNを完全に離れるわけではありませんが、少し俯瞰した気持ちで「OUWNと石黒さん」の今後をすごく楽しみにしています! 
そして、復帰後は美味しいお酒と食事に誘ってくださいね!(笑)

Creative Studio OUWN
YUMI IDEI / @yumi_idei

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聞き手 ・ 執筆 : 星成美

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