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膝関節解剖学ー前十字靭帯ー

前十字靭帯は膝関節の靭帯として有名なものの一つですね。
その機能などをまとめました。


前十字靭帯

解剖学的構造

前十字靭帯は
大腿骨外側顆の内側面後上方部から脛骨関節面中央やや前方に付着します。


阿部信寛. 膝前十字靭帯損傷. 岡山医学会雑誌, 2011(123); 53-55.

右の図を見ると、後方から前方に付着していることがわかります。よって、脛骨が前方への過度な移動を防ぐ役割があります。
また、回旋方向への不安定性の制動にも寄与しています。


2つの繊維

前十字靭帯には主に
・前外側線維(anteromedial bundle;AMB)
・後内側線維(posterolateral bundle;PLB)
が存在しています。

この二つの繊維は少し機能が違うとされています。

AMBは等尺性でPLBは非等尺性です。
この二つは緊張する肢位も違っており
AMBは屈曲位、PLBは伸展位で緊張します。

下記は左伸展位、右屈曲位ですね。


Stone, Austin V, et al. Management of Partial Tears of the Anterior Cruciate Ligament: A Review of the Anatomy, Diagnosis, and Treatment. Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons 29(2):p 60-70, January 15, 2021.  DOI: 10.5435/JAAOS-D-20-00242

AMBは主に膝関節屈曲時の脛骨の前方移動に抵抗し、PLBは回旋、過伸展、伸展時の脛骨の前方移動に抵抗するとされています。


前十字靭帯は損傷やその術後のリハを行うことが多いと思います。
よくknee inを防ぐように指導するなどが必要とされていますね。
2本の繊維で、機能などもここまで違うとは思いませんでした。臨床などではあまり使用することはないかもしれませんが、受傷起点などでどの繊維が損傷されたかを考えることは重要かもしれません。

ではでは

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