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Pivot Shift Test:前十字靱帯(ACL)損傷の検査

Pivot Shift Test(ピポッドシフトテスト)。
ピポッド…バスケのピポッドを思い出します。日本代表すごかったですね。
方法や診断制度をみてみましょう。


結果からなにが考えられるのか?

前十字靱帯(ACL)損傷の検査。

松村 将司, 三木 貴弘. 適切な判断を導くための整形外科徒手検査法.メジカルビュー社.

検査方法

1患者さんは背臥位。
2検査側膝関節伸展位。
3膝関節に外反、内旋ストレスを加えながら、徐々に屈曲。
4脛骨近位部を前方へ移動させる力を加える。

松村 将司, 三木 貴弘. 適切な判断を導くための整形外科徒手検査法.メジカルビュー社.

伸展位から外反・内旋させながら屈曲していきます。少し複雑です。

陽性時の所見

・屈曲30°付近でガクツと脛骨外側関節面が前内方へ。亜脱臼を触知する。
・さらに屈曲し40°〜60°で、急に整復される。

松村 将司, 三木 貴弘. 適切な判断を導くための整形外科徒手検査法.メジカルビュー社.

実際に臨床で行ったことはありませんが、どんな感覚なんですかね。亜脱臼っていうと少し怖い気もします。痛みは伴わないのでしょうか。

評価の精度

感度49%
特異度98%
陽性尤度比16.0
陰性尤度比0.17

松村 将司, 三木 貴弘. 適切な判断を導くための整形外科徒手検査法.メジカルビュー社.

診断精度に関してはこちら

特異度が高いですね。陽性であれば、前十字靭帯の損傷が疑わしくなります。

関連する文献

Pivot Shift Testに関する文献を探してみました。

Nicola Lopomo, Stefano Zaffagnini, Andrew A Amis. Quantifying the pivot shift test: a systematic review. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2013 Apr;21(4):767-83. doi: 10.1007/s00167-013-2435-x. Epub 2013 Mar 2.

Abstractしか読めていませんが、こちらのシステマティックレビューでは、Pivot Shift Testの定量化とその方法などに関するレビューを行なっております。多くの研究では、テストでの前後方向への並進、回旋、加速度に焦点を当てているが、その定量的な評価方法は確立されていないそうです。動的な不安定性などをどのように定量化していくか、難しい内容ですね。今回記載した方法も、書籍の内容を参考にしておりますが、研究間でテスト自体の方法も若干違う可能性がありますね。

ではでは。

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