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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿146

第145回から続く


上髭陰線包み足


「ニューヨークダウは、昨日3月22日水曜日は、その日の安値から10ドル戻して引けておりましたが、S&P500のインデックスを見ますと、安値引けの形でした。それで、3月22日水曜日に限っては、上髭で、前日に対して、日足、(前日の陽線を全部包み込んで余りある)上髭陰線包み足の形。下落トレンドの起点?サインかなあ?とか思うだけは思ってはいたんですね。そこからの戻りを売ったらどうなんだと。」~口だけです(笑)。戻りを売っていません。言って見ただけです。思うだけです。何もしていません。実際、現実、どこまで戻るかわかりませんでしたし。無理しません。

そして、FOMC後の24時間。
本日は、この辺の事とクレジット(与信)・リスクについて述べます。


クレジット(与信)状況がより引き締まっている


今、一言で言いますと、クレジット(与信)状況がより引き締まっているという環境です。マーケットものはもちろん大事ですが、今後今まで以上に、より、クレジット(与信)状況を見て行て行く必要があると思います。(どうぞ第143回から第145回の寄稿もあわせてご参照頂けましたら)

これと同時に見るのは、FRBとイエレン財務長官ですね。

FRBパウエル議長のトップ・プライオリティ(最優先事項)は、インフレ抑制です。


昨日第145回の寄稿や過去の寄稿でも述べました通りですが、昨今のアメリカでの{いくつかの腐ったリンゴ」への対応を適宜適切に行い、現在は不透明感がただよっている銀行ストレス問題が今後緩和して行けば、FRBは、本来のインフレとの闘いにまた、戻るという事。

そのために、今後、より高いターミナルレート(金利の最高到達点)を探し求める事も出来るし、予期せぬ何かが起こった時には、それに対して適切に対処する事も出来る。FRBが、いろいろな政策を状況に応じて取れるように、オープンな形、姿勢になっているという現状だと解釈しております。


ターミナル・レート予想、より高い、4.1%ではなく4.3%



それが証拠に、委員会(FOMC)のメンバーの皆さまの2024年末時点でのターミナル・レート(金利の最高到達点)予想は、これまでの4.1%ではなくて、それより高い、4.3%ですね。
この寄稿で述べて参りました、”より高く”、”より長く”が、ここにも、示唆されております。

僕は、過去の寄稿で、マーケットは、この、”より高く”、”より長く”マントラ(真言、祈りや瞑想などで唱えられる聖なる言葉)とさえ、解釈していると述べて参りましたが、FRBの口先だけだろ、マントラ、ではなくて、真の意味でのマントラ(”より高く”、”より長く”)になる可能性が今後十分にあるとも思っております。

それで、この、いっとき先の将来の事の前に、目先、足元。


これから2,3か月は、マジ、シビア・モードへのギア・チェンジ



これから2,3か月は、マジ、シビア・モードへのギア・チェンジだと自分に言い聞かせております。

それを自分に言い聞かせながら、
15年前、リーマンショックがあった時を思い出しますとね。

当時、リーマンショックで、FRBのバランスシートって、急激に膨れ上がって行ってたんですね。
でも株は、ご存知の通り上がらなかったんですよね。
それはなんでかって言うと、その時は、それは今さら言うまでもなく、クレジット(与信)リスクがあったからなんですね。

ある意味、ある意味ですよ、これは、今と一緒ですね。
短期間でFRBのバランスシート膨れ上がっている事と、
目の前にクレジット(与信)・リスクが存在するという意味においてです。
ただ、当時と今とでは、問題の性質とその大きさが異なりますから、この、問題の性質の違いと大きさの違いは、まず頭にいれておかなければなりませんね。そうしないと、見誤ります。今回の事は過小評価せず、でも、過大解釈はしないという事です。

ちまたでは、なんとか、かんとか言いながらFRBのバランスシートがこんだけ膨れ上がっているから、これはQE(量的緩和)だとか、チャートまで用意して説明とかあって、だから、株は、うんちゃら、かんちゃら、とかありますけど。

「あ~、FRBのバランスシートがここ短期間で膨れ上がっているんですね~」で話終わりです。

今、「いくつかあった腐ったリンゴ」の銀行ストレスから、クレジット(与信)・リスクが高まっているわけですね。これを取り除くために、パウエル議長は、銀行システムを守るために全てのツールを活用すると明言されておられるわけです。

だっから、リーマンショック時の事の重大さと、今とを、単純に、比較はできません。

いっぽうで、現実に、今は、そこに、クレジット(与信)・リスクがある事は事実です。これは、あるのです。
今後そのリスクが、クレジット・クランチ(信用収縮)まで誘発するかどうかは別としても。そうならないように、今、取り組んでいるわけですね。

これ、しつこいくらいに同じこと繰り返していてすみません~だから、僕は、「ベアマーケット(弱気相場)が終了するには、クレジットイベントと(将来の)リセッションを見る必要があり、それが新たな強気相場へとつながって行くという解釈をしています」となるわけです。

銀行の融資基準ってずっと引き締まって来てた


だいぶ以前からもそうですが、過去のこの寄稿で引用チャートを用いて述べてきました通り、すでに、銀行の融資基準ってずっと引き締まって来てたわけですね。

そこに、この「いくつか腐ったリンゴがあった」問題、銀行ストレスの問題が今そこにありますから、融資基準はより厳しくなるわけですよね。「銀行ストレス問題が今後緩和して行けば、本来のインフレとの闘いにまた、戻る」。でも、これは、まだ先、将来に対する言葉と観測であって、その前に、まず今そこに、眼前に、今、クレジット(与信)・リスクは、これは、あるわけです。

この事が、リセッションの確率を高めて行くことになる可能性~という事なんですね、オーソドックス(正統的)に考えましてね。
すなわち、第140回の寄稿で、BofA(バンク・オブ・アメリカ)のストラテジスト、マイケル・ハートネットさんのブルームバーグ記事を引用しましたが、その記事から~「ハートネット氏はこのところの銀行危機に加え、”それに伴う貸し付け基準厳格化が起これば、地銀への依存が大きい中小企業に特に大きな打撃となる可能性がある”とも指摘した。」~これ~””部分~です。

この寄稿で述べてきました通り、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウス氏がつい先日2023年のリセッション確率を25%から35%に引き上げて(もともと氏が予想していた)確率35%に戻しましたでしょ。過去のこの寄稿で述べた通りです。

リセッション確率はもっと高まっている



僕は、氏をご尊敬申し上げておりますが、しばしば、意見は異なります。
この状況を眼前に示されたら、リセッション確率はもっと高まっているのではと、僕は思います。
だから、ここのところ、前述の同じフレーズをしつこいくらいに同じことを繰り返していてすみません状態なのです。「クレジットイベントと(将来の)リセッションを見る必要があり」というフレーズの事を意味しています。

今、僕がここで申し上げている事の前提として、これまで申し上げてきました通り、まず、現在の状況と2008年の金融危機の状況とは根本的に性質が異なりますという事です。

そして、2008年の金融危機全体と今とを比較して、お話させて頂いているのではありません。
目の前に、クレジット(与信)・リスクがあるという、そのひとつの共通項をもって、リーマンショック時のその月と今について、お話させて頂いております。

これまで述べてきました通り、2008年の時は、俗に100年に1回の金融危機と言われますが、それは、ソルベンシー・クライシス(支払い能力不足の危機)だったわけです。

今は、取り付け騒ぎがおこならないようにするところから始まって。この事は、シリコンバレー銀行の破綻以来、ずっと述べてきました。
そして、イエレン財務長官もこれと同様の事を述べておられますと、つい先日、寄稿させて頂きました。

事の大小、その大きさの問題は今ここで脇に置いて。
当時も、今も、眼前に、クレジット(与信)・リスクがあった、あるというところ、その共通点にだけに焦点を当てますと。

それが、リセッションにつながる可能性さえ、今は、”今は”ですよ、かつてより、高くなってきている可能性があるという事は、前述のBofA(バンク・オブ・アメリカ)のストラテジスト、マイケル・ハートネットさんのコメントからも、感じとれます。

リーマンショックの時、株は上がりませんでした。株が上がらなかった理由は、目の前に、クレジット(与信)・リスクがあったからです。その意味において、今、クレジット(与信)・リスクが目の前にありますから、似たように、感じる事はあります、という事を述べております。

僕の株に対する目線は、もともと、売りです。


それで、僕の株に対する目線は、もともと、売りです。
ただ、売り目線なんだけれども、当時と問題の性質、事の大きさ、時代がもう決定的に違います(15年の歳月を経ています)、そして、パウエル議長は、銀行システムを守るために全てのツールを活用すると明言されておられる事、この事を、やはり、売るという行動をとる時、その時には、売り方として、舐めてはいけません。

売り方として、慎重に行動する、という事を述べております。


日柄、時間が、少々、必要だ


だから、「あ~、リーマンショックの時と同じだあ~。株は売りだあ~」と、クレジット・リスクがあるという事だけを前提に、今、すぐは簡単にはなりにくいわけです。だから、日柄、時間が、少々、必要だと述べて参りました。

今、目の前に、クレジット(与信)・リスク、リセッション(景気後退)・リスク、企業利益悪化リスク、バリューション縮小リスクは、要因としてあります。


要因として目の前にありますが、それらが、まだ、絡み合い重なって行く形で雪だるま式になっていません。それぞれに要因があり、”可能性”がある、という状態です。

”それぞれに”、そこにある、という状態。

いったん、これらが、雪だるま式になると下落速度に加速がついて、顕著に下落トレンドも出るだろうと思うのですが、今、まだ、その状態にはなっていないという解釈でいます。

目線を売りで持っても、「突っ込み売らず、戻り売り」「戻りを売る」を心がけて、今後のこういった出来事を見て行く上に置いて、今、そして、向こう2,3か月がいつにもまして大切な「時」「時期」、この上半期と考えております。

逆イールドの解消も含めて


この流れを見る時に、これまで述べて来た逆イールド、逆イールドの解消も含めて、当然考えます。

事の大小は別として、クレジット(与信)・リスクがリセッション(景気後退)を誘発するというところになった上で、本格的に売りの目線とか、目線だけではなくて、それにともなった、行動にしたいなあと内心思っているんですね。

いっぽうで、アメリカの結構多くの機関投資家さんが、今でもまだ、ソフトランディング(米景気の軟着陸・リセッション(景気後退)回避)のシナリオを採用されておられること、これは、承知致しております。なにげに、この寄稿でこれを機会あるたびに記しておりますが、これも違った視点から重要な事なのです。


悪材料軽減からの反騰ラリー



パウエル議長は、銀行システムを守るために全てのツールを活用すると明言されておられる事からも、クレジット(与信)・リスクは今、目の前にあるんだけれども、時間の経過とともに、これは封じ込められて、逆に株のマーケットは悪材料軽減からの反騰ラリーしたとかなったら、これは、やっぱり、売り方としては、目も当てられませんから。

前述のゴールドマン・サックスさんもそうですし、アメリカの結構多くの機関投資家さんが今でも採用しているソフトランディングのシナリオ。

そのシナリオを採用するには採用するで、組織としてのシナリオ構築があるわけですから、これを無視する事は出来ません。頭にいつも入れています。

1か月後はまたどうなっているか、鎮静化されているのか、わかりませんが、今、目の前に、クレジット(与信)・リスクが存在している以上、そこから同様にリセッションリスクも高まってはいるはずだと、僕は、”今は”、考えてはいます。

”少なくとも、今は”、という事です。だから、今の「時」「時期」、企業利益やバリュエーションも、もちろん大事なのですか、クレジット(与信)・リスクからのリセッション(景気後退)誘発の可能性がどうなるのか、加速するのか、加速せず減速するのか。加速して雪だるま式になるのかどうか。ここがひとつのポイントで、ここを見る事だと思っています。

クレジットイベント~信用リスクを対象に売買を行うクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引において、国や企業などの参照組織が引き起こすデフォルト(債務不履行)につながる行為や事象(イベント)のこと(出所:野村證券)

それで、クレジット(与信)・リスクの存在も、リセッション・リスクの存在も、それぞれ、これは株が上がる要因ではありません。ですから、FRBの努力とこの2要因の綱引きだというような視点から今は見てます。

少し余談も入りますが。



実は、昨日の寄稿をさせて頂く時に、これは本当に冗談と皮肉なだけなのですが。「イエレンさんって、巨星なんだけれども。昨日ではなくて、その前、一昨日までのご発言などを聞いておりますと、これ、イエレンさん、米議会を飛び越えて、もしかして、ご自身の権限とかも飛び越えて、アメリカの銀行を国有化でもなさるおつもりですか?(笑)」っていう寄稿文章を書いていたんですね(笑)。そのぐらいに、一昨日までのイエレンさんのご発言が、僕には聞こえていたところもあり、少し、皮肉を言わせて頂きたくなったからなんです。(笑)。これは、ホント、冗談と皮肉です(笑)。



ただ、昨日の寄稿の冒頭
ブルームバーグ記事からの引用~上院小委員会の公聴会でイエレン長官は「預金の全面的な保険や保証に関することを、私は検討したり議論したりしていない」と述べた。


それで、
【ウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス氏によりますと、
パウエル議長の会見中であったけれども、
イエレンさん(財務長官)のこの発言に、今日(3月22日水曜日)の株のマーケット(3月22日)は反応した(下落した)ようだと述べておいででした。】
という事があり、3月22日水曜日、マーケットは、急落しましたので、前述の冗談の「」部分は削除させて頂き、うがった聴き方をすると、大変、政治的に聞こえるという表現にとどめました。

ただ、こう、イエレンさんのご発言の全貌などを振り返りますと、僕にこのような感じがあったことは事実です。それがあって、今、これについて、あらためて、感じていたことを述べさせて頂いております(笑)。


マーケットは、イエレンさんが支えてくれない、イエレンさんがちょっと突き放す、という事になりますと、もう、もろ、脆弱になりますね

やはり、QE(用的緩和)ステロイド体質というところも多分にまだあるような気も致しますし、なにより、眼前に、クレジット(与信)・リスクが存在していますから、その事をマーケットは認識していると思います。

冒頭で述べましたとおり、ニューヨークダウは、昨日3月22日水曜日は、その日の安値から10ドル戻して引けておりましたが、S&P500のインデックスを見ますと、安値引けの形でした。それで、3月22日水曜日に限っては、上髭で、前日に対して、日足、(前日の陽線を全部包み込んで余りある)陰線包み足の形ですね。下落トレンドの起点、サインかなあとか思うだけは思ってはいたんですね。

売りたいなあ~と言う欲望にかられます。欲望に駆られていただけです。現実、実際の行動ではありません。これは、実際には、まだ時間を使ってよく見る必要があると思っていますから、欲望くらいでとどめておくのがちょうどよい、実際にはここでは行動できない、という感覚からです。

スーパー神業、「頭としっぽはくれてやれ」


売る事においても、一番高いところを売って、一番安いところを買い戻すなどというスーパー神業は、僕みたいなへたくそに、ご縁はございませんので、まあ、何するにしても、いつも、利食いの時でも、魚に例えますと「頭としっぽはくれてやれ」と最初から割り切っております。

で、この寄稿で、最初の頃から「FRBに逆らってはいけない」という事についても述べてきました。

もちろん「FRBに逆ってはいけない」なのですが。これについて、僕に限って個人的な事をもうちょっと具体的に付け加えて述べますと。
良し悪し、内容云々、状況は別にして、それらとは離れたところで、FOMCが終わってから、24時間は、自分で注意する、そう先走らない、決めつけない、慎重にするという事にしています。

もちろん、注意するという事であって、何もしないとかっていう事ではありません。今回3月22日水曜日、3月23日木曜日のマーケットでは、何もしなかったというだけです。なにかする時も、もちろんあります。

マーケットの動きが、FOMC当日の流れとは変わっちゃった



注意するという事については、これは、FOMCが終わった直後は、こうで、こうだったんだけど、また24時間くらい時間が経つうちに、その時(FOMCが終わった直後)とは別の解釈やなにかが出て来て、マーケットの動きが、FOMC当日の流れとは変わっちゃったなどという事があり、過去にそれで、「うぎゃ~、とか、あ、痛~、とか、あ~あ」とかなった経験もあるからです。


もちろん、アメリカのトレーダーの方など、FOMCに合わせてその前後でトレーディングの法則を構築し、それを自信を持って、公表したりしているトレーダーの方もいらっしゃることを承知致しております。
が、しかし、僕の場合は、相場、へたくそなので、FOMC終了後、24時間は注意しよっ~っと、っていう、心構えと感覚でいます(笑)。

過去に何度も述べました通り、「突っ込み売らず、戻り売り」。

売る場合は「戻り売る」事を心がけています。



話をもとに、「これから2,3か月は、マジ、シビア・モードへのギア・チェンジだと自分に言い聞かせております」に戻しますと。

理屈や理論では、企業利益が、バリェーションがと、これまで過去の寄稿でたくさん述べて参りまして、もちろん、これらは言うまでもなく大切な事なのですが。
これらを踏まえた上で、目の前にある、クレジット(与信)・リスクとリセッション・リスクについて、過小評価せず、過大解釈せず、どう見て行くか。ここです。
それで、3月22日水曜日にS&P500のチャート上に描かれた、上髭、(前日の陽線を全部包み込んで余りある)陰線包み足から、そこから、今後、日柄をかけてでも、下落トレンドがでるのか、でないのか、どうか。ここでもあります。

そして、ブルームバーグ記事の引用です。
・「パウエル、イエレン両氏の発言で市場混乱―相反するとトレーダー解釈

この記事からの引用~「一方で、イエレン長官の発言だけでなく、必要と判断すれば米金融当局として従来予想よりも高い水準に金利を引き上げる用意があるとパウエル議長が重ねて表明したことも、株価の重しになったとの見方があるのも確かだ。


イエレン氏とパウエル氏が銀行預金について同時に矛盾するメッセージを発するのは驚くべき事態だ



それで、この記事を全部を読んだ上で、僕が慎重になっているのは~同記事からの引用~フェデレーテッド・ハーミーズのシニアポートフォリオマネジャー、スティーブ・チアバロン氏は「イエレン氏とパウエル氏が銀行預金について同時に矛盾するメッセージを発するのは驚くべき事態だ」と指摘した。~この部分について、もう少し、今後、マーケットがどう反応するのか、修正するのか、少し時間をかけても修正出来ずに下落トレンドが出るのかを、もうちょっと時間をかけて見たいと思っているんですね。

売る場合には、企業利益の悪化、バリュエーションの縮小も大事。でも、今、目の前に、クレジット(与信)・リスクとリセッション(景気後退)リスクは、これまで以上に存在する。ただ、これが、FRBの取り組みと努力で、丸め込まれる、封じ込められるリスクも十分にある。まだ、今、判断するのは時期尚早。もう少し、時間と日柄を使って、そこをよく見たい。

だから、僕は、アメリカの多くの機関投資家さんが今でもソフトランディングのシナリオを採用されておられることを舐めたりすることはないのです。
まだ、クレジット(与信)・リスクとリセッション(景気後退)リスクが雪だるまになっていませんから。


売るなら、雪だるまになりそうだ、そういう時に売りたい



どれも、企業利益悪化も、バリュエーション縮小も、要因として、そこに、それぞれありますが、(下落)要因として、それぞれあるだけで、今は。
それらの要因が、クレジット(与信)・リスクからのリセッション(景気後退)誘発、どれもが、ひとつ、ひとつの要因としての存在ではなくて、それらが絡み合い重なって行って、雪だるま式に、雪だるまになる時。

売るなら、雪だるまになりそうだ、そういう時に売りたいと思っているんですね。思っているだけです(笑)。その時、本当にそれが出来るかどうかこそがポイントですからね(笑)。
今は、こんな感じですかね。あせらず、無理せず、思い込まず、ってところです。

金融システムって日々進化して行っているわけですね。まあ、他のなんでもそうですが。僕なんか、知らないことだらけです。

この寄稿で、インフレ抑制についてお話させて頂いた時に、サンフランシスコ連銀の調査チームが論文形式のレポートを発表して、インフレ抑制のペースが予想以上に速いという内容だったというお話、覚えていらっします?
2023年、昔じゃ、考えられないような事もたくさんあるわけですね。

だから、僕は、歴史から学ぶことは、これは大事な事だと思いますが、あの時と今、とかって、かつての昔と今とを、単純比較する話にはあまり乗らないんですね。

この寄稿で何度か述べましたが、イエレンさんがFRB議長時代、FRBには、最新のツールとモデルがあるから大丈夫だと、事あるごとにおっしゃっておられました。

それで、僕は、その最新のツールとモデルの事を知りませんとも述べました。
見たことがないわけですから(笑)。
ゆえに、だから、僕は、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウスさんって、よく、この寄稿で、言うのです。彼は、それをよく知っているわけですね。FRBのモデルと自分のモデルを対比させてもいるでしょうから。その察しは、つきます。

だから、自分と意見が異なる事があっても、ハチウス氏のご意見を拝聴致しております。氏の今年2023年のリセッション確率35%他と比べて確率がかなり低い数字)を、無視する事はありません。
そして今回、パウエル議長は、銀行システムを守るために全てのツールを活用すると明言されておられる事、この事を舐めようはずもありません。

今は、あせらず、無理せず、思い込まず、決めつけず、慎重に、ですね。


ブルームバーグ記事の引用です。
・「米利上げ決定に民主党議員から批判はい次ぐ―経済へのリスク警告


記事からの引用~「ウォーレン議員はFOMCが利上げを決め、追加引き締めの可能性を示唆したのを受け、「FOMCとパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が極端な利上げを一時停止しなかったのは過ちだ」とツイート。シューマー院内総務は今回の利上げについて「経済への影響を私は懸念している」と述べた。

下院予算委員会所属のボイル議員は、「金利をあまりに高く、過度の急ピッチで、特にこの状況で引き上げることは、バイデン大統領の下で米国人が享受してきた記録的な回復を台無しにしかねない」と警告した。


チャック・シューマー アメリカ合衆国上院院内総務


常々、この寄稿で申して参りました通り、ウォーレン上院議員を、心より尊敬申し上げております。
ですので、「FOMCとパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が極端な利上げを一時停止しなかったのは過ちだ」とおっしゃられる場合におきまして、それについて、それでは、どうするのが最善の方策とお考えなのか、その代替案をお聞きしてみたいという、個人的な願望はあります。

FRBのインフレターゲット2%で、2月のCPI(米消費者物価指数)~6%、コア5.5%という時ですから。

余談~ちまたの話~


昨日(日本―3月23日木曜日)、FOMCの後、アメリカの専門家の皆さまのコメントなど拝見しておりまして、面白いなあと思いましたので、余談と致しまして。
パウエル議長、インフレ抑制に没頭中」、
この寄稿での表現は、「いくつかの腐ったリンゴ」ですが。
(ここからの言葉は僕の言葉ではありません。
皆さんのたとえ話などからの表現です)~たとえ話~

パウエル議長からすれば~インフレ抑制に没頭中に「くっそ(クソ)銀行どもめ!(人によっては”ゴミ銀行”と言う表現も・皆さん言葉が激しいです)忙しい最中に、仕事の邪魔してんじゃあねぇ~よ、ボケっ~。あんだけ、うちのモン(FRBの人達)が、監視、監督、指導してやってたのに、こんな余計な問題引き起こしやがって。こっちは、監督責任まで、やいの、やいの、言われて、問われているような始末で」「まあ、そういうところ(FRBの監督責任云々)が記載された文面箇所は、私(パウエル氏)が、削除するようにしたけど(ニューヨーク・タイムズ紙の報道から)」
「そんな文面、やすやすと許可するわけないだろ!」(FRBの監督責任がずいぶんと話題になって参りました今日この頃ですから)

って、そんな事、(パウエル氏)思ってんだろうなあ~、思ってんじゃないのかな~と、

想像上のお話をされておられる専門家もいらっしゃいました(笑)。
*「まあ、そういうところ(FRBの監督責任云々)が記載された文面箇所は、私(パウエル氏)が、削除するようにしたけど(ニューヨーク・タイムズ紙の報道から)」~この部分、ニューヨーク・タイムズ紙の報道である事は事実です。
*話全体は、パウエル議長がこうおっしゃったのではもちろんありません。想像上の話題です(笑)。こういう話題。話題としては、ちまたにありました(笑)。




第147回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
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🍅🍅


アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。

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