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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿143

第142回から続く


グローバル金融システム


今の「グローバル金融システム」という事について、僕個人の解釈を述べますと。個人的に思っているのは、今のグローバル金融システムそのものの状態って、まあ、こう、率直に言いますと、”容体が悪い状態””瀕死に近い状態”というイメージと解釈を僕個人は持っております。自分が目線を合わせているアメリカの専門家の間でも、これと似たような意見は聞かれます。

だからこそ、昨日の寄稿で述べ、ニュースも駆け巡っていましたが~「FRBはじめ世界の中央銀行(カナダ、イングランド、スイス、ECB、日銀)が連携して、少なくとも4月末までを通して、日々の業務で(ドル・スワップ・ライン)流動性(ドル資金)供給を高めて行くと発表。」
こういう事を、世界の中央銀行が連携して、行っているわけですよねという解釈で、僕はいます。


ベアースターンズ後、約15%上昇した


マーケットを見る時、今、僕の頭の中にあるのは、昨日も述べましたし、またこれまでにも述べて参りましたが、「15年前の3月ベアースターンズの事があった後、後に一般的によく語られる、ベアースターンズから2,3か月後に起こった大幅下落よりもまず先に、ベアースターンズ後、”マーケットは問題が解決したと解釈”して、約15%上昇した、ラリーしたという事実があった事です。これについて、ずっと考えてきました」~これは頭の中に、もちろん、あります。

今は2008年ではなく、今は2023年だ



頭の中にありながら、同時に、思っている事は、今は2008年ではなく、今は2023年だという事です。15年の歳月を経て、2008年からの学習効果は至るところにあるだろうからという事も考えています。

それで、昨日の寄稿で、
株が上がる時って、
①バリュエーションが十分低下したので、割安感が出てるんですよ~
とか。
②結構、これまで業績の下方修正が相次いだけど、これからは、回復が見込めそうですね~
とか。
③あとは、この寄稿でも述べてきましたが、流動性が高まって来てましてね、とか。
昨日は、大きく、3つに分けて、この3つを”単に並列に羅列して”述べました。

この寄稿では、もちろん人様からの引用は引用として、人様のご意見はご意見として、真摯に拝聴致します。

が、しかし、僕は、「③の流動性が高まる」というオペレーション(作業)やその手口だけに焦点を当てて、これから、今の状況で、どんどん強気になる、株が上がって行くことをイメージするのかと考えた時に、僕はそれには懐疑的です。

少なくとも、強気になるなどという事、これは、僕にはありません。

少し日柄、「時」が必要でしょとも思っています。


ちょっと場違いな例えですけど、僕の頭の中にあるイメージをたとえ話でこの際、表現しますと。

【患者さんが、”容体が悪い状態””瀕死に近い状態”で、病院に入院していて、一生懸命に医師や看護師、皆さんが献身的に治療、看護されておられる。

「時に、”発作”がおこる。その発作を鎮めるために、治療を施す」
その献身的な治療や看護ぶりを、外側から拝見しながら、発作を鎮めるために、治療を施している姿を見て、「もうあの患者さん問題ないと思うよ。オッケーだと思うよ。大丈夫でしょ。」
って、外側から見ていて、なりますぅ???】

「発作はおこるんだけれど、でもそれこそがオッケー、大丈夫の証」みたいな思考回路や解釈について、少なくとも、僕には、そういう思考回路や解釈はありません。僕の持っているイメージは、このたとえ話のイメージです。


たとえ話


*患者さん~グローバル金融システム
*医師や看護師~中央銀行、国家機関、一部民間大銀行トップなど
*発作~昨今、金融市場に出てきたニュース諸々
*治療~世界的に中央銀行の連携、流動性の供給、各プログラムなどなど
*外側から拝見しながら~株式市場、投資家
*問題ないと思うよ。オッケーだと思うよ。大丈夫でしょ~今、強気になる事

売りポジション1割まだ残している


僕は、今回の事をして、今、強気にはなりません。これらは私見です。
これが僕の理屈です。理屈は理屈です。現実は現実。
僕は、売りポジション1割まだ残しているんですね。

今後、マーケットが、前述の2008年の時のベアースターンズの事があった後のようになって、マーケットが上昇して、自分のその分の利益持って行かれても、ポジションの1割だけの話で、他全て9割はすでに利確済みですから、だからそれはしょうがないかくらいの覚悟は、あらかじめこの残りの1割のポジションに対しては、覚悟としてはしています。

本当に売れるのか、売り増しできるのか


そうなったら、その時は、その1割は投げる(即座に切る)とあらかじめ決めています。この覚悟部分とは別に、それを切らないまでも、切ることなく、その上で、S&P500で4100(NYダウで34,030)から4150(NYダウで34,445)のレベルが、仮に出てくるようなことがあった時に、そこをまた実際の行動として、本当に売れるのか、売り増しできるのかどうかについて、熟考はしています。そこは現実にそうなって見てからの話です。少し「時」が必要です。市場と対局しながら、感触をつかむために、実験をしているつもりでもいます。だから、これから、よく見てみようと思っています。
これが、僕の今時点での解釈と見方です。

市場が一時的、短期的に踊ろうがどうだろうが、そこに僕が「買い」で、ついて行って何かするわけでもありません。

同時に、こういう、何が起こるかわからない時だから、慎重に、慎重にと思っております。無理することなくという事です。

第9回のスペースで述べさせて頂きましたが、アメリカでのシリコンバレー銀行の破綻からの一連の事は、僕は、「いくつか腐ったリンゴがあったという構図」として述べさせて頂きました。これはこの通りで思っております。

腐ったリンゴ

今は、ヨーロッパの方向を向いて、見ています


この寄稿で述べて来た、ひとつめのこと、よりも、ふたつめのこと、ということについては、今は、ヨーロッパの方向を向いて、見ています。何かが起こるとか決めつけているのではなくて、意識して見ていますという事です。

前述のたとえの続きですが、患者さんの病状と治療、看護の進行具合とをよく見て行かないと、と僕は思っています。

流動性が供給されて、流動性が高まるから、強気になるんだ、株は買いなんだ~となる人も世の中にはいらっしゃるかもしれませんが、前述のたとえ話のごとく、僕は、今、そうではありません。
昨日の今日だから、まだ、何も決めつけず、じっくり「時」をかけて、マーケットを見て行くという姿勢でと自分に言い聞かせています。
相場ですから、「価格」か「時」かですが、ここからは、「時」が大事ですかねとも僕は思っています。

先日、専門家の方が「大きなバブルを作れば作るほど、それが破裂した時が大変だから」とおっしゃりながら、FRBに苦言を呈していましたが、それも想起したりは、しました。人によっては、「今回のような出来事で、本来、とうの昔になくなっていてしかるべきだったゾンビ企業が、淘汰されると良い」というような意見も聞こえてきます。様々なご意見はご意見として、真摯に拝聴させて頂いております。



市場参加者に業績予想が高過ぎたと確信させるきっかけになる可能性



ブルームバーグ記事からの引用です。
・「米株の弱気相場、「たちの悪い」終わり方に-モルガンSのウィルソン氏


この記事からの引用~ウィルソン氏は「これはまさに弱気相場の終わり方だ。つまり、後から見ても明らかに予測できなかったあるきっかけよって、市場参加者はずっと眼前にあったものを認識せざるを得なくなっている」と記述した。

銀行システムの混乱が続いていることから、投資家は信用環境が厳しい中での成長見通しの悪化に注目するはずだと、同氏は指摘。「この1週間の出来事は経済の広い範囲で信用力が低下していることを意味し、ようやく市場参加者に業績予想が高過ぎたと確信させるきっかけになる可能性がある」とし、信用収縮のリスクが大幅に高まったとの考えも示した。

ウィルソン氏のコメントは、お聞きしていて、なんか、僕には、スっ~と、入ってきますので、ウィルソン氏と目線を合わせています。



第144回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


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