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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿170

第169回から続く


4月の残りの日々と5月第1週(ゴールデンウィーク)の週


前回の寄稿では、5月、6月という事について述べました。
今日は、足元、目先、4月の残りの日々と5月第1週(ゴールデンウィーク)の週について述べます。これについて述べた後、今日のポイント、4点、数珠(じゅず)繋ぎ、株式市場にとって、とっても大事な事4点、数珠繋ぎという形で述べます。これこそが、FRBの金融政策と現在のアメリカ株式市場との関係を表しています。
ここを見ておかないと、、、ここを見ずして、、、という、ここ。
それを強調させて頂きながら、それについて後述します。


これは見逃せないというポイント、ツィキャス


昨日第1回~アウトライヤーキャス1~をやらせて頂きました。
どうぞ、ご視聴頂けましたら。
それでですね。今後アウトライヤーキャスでは、この寄稿で、文章としてあまり触れていない事であっても。だけど、やはり、これは見逃せないというポイントも含めて、ツィキャスをやらせて頂こうと考えております。
今後のアウトライヤーキャス、是非よろしくお願い致します。

日本の株式市場に激しい変動が起こった時など、官房長官が「日々のマーケットの動きについてコメントする事は控えさせて頂く」とか言うじゃないですか。

目先、4月の残りの日々と5月第1週(ゴールデンウィーク)の週については、この官房長官のコメントのようなスタイルで、アメリカの株式市場を見ております(笑)。

このアウトライヤーのコメント、一見ちょっとテキトー、な~んだ、つくづくだよ~って、聞こえるかもしれないのですが(笑)、これには理由がありましてね。
これから、まずは、その理由について述べます。

4月に入りましてから、マーケットは、これはフロス(泡、あぶく)の状態で、あと何回、フロスの状態のマーケットが続くのだろうと述べてきました。

まず、フロス(泡、あぶく)の状態のマーケットというのは、ファンダメンタルズに基づいてではなく、マーケット・センティメント(全体の投資家心理・市場心理)に基づいて動くマーケットの事ですね。

たとえば、これまでに述べました通り、第1四半期の業績発表が8%ダウンすると言っているのに、にもかかわらず、株が結構上がる日があるわけですね。株のインデックスも結構、大崩れすることなく、比較的高水準でここのところ推移していますしね。過去にも述べましたが、金曜日とかになりますとね。オプションの影響とかも、結構見て取れます。

0DTE(0 day to expiry)・ゼロデイオプションの影響



0DTE(0 day to expiry)・ゼロデイオプション(いわゆる購入から24時間以内に満期を迎えるオプション)の影響とか、結構、想像以上にあったりします。4月14日金曜日のマーケットでは、株が下落する。それでいて、VIX指数(恐怖指数)も下落する。こういうところが、0DTE(0 day to expiry)・ゼロデイオプション(いわゆる購入から24時間以内に満期を迎えるオプション)の影響が多分にあるのであるのではないかと推察しながら、マーケットを見ておりますと述べさせても頂きました。

15年前の3月にベアー・スターンズの事が起こった時に、まず先に、2,3か月約15%マーケットはラリーしたんですよ~という、お話も再三再四させて頂きました。これについても後述します。

今ですね。いろんなことの「”最中”」ですね。解釈が正しいとか間違っているとか、そういう話ではなくて、ひとつ、解釈で、「進行中」「最中」という意味です。

これまで述べました通り、ジュリエン・ティマー氏コメントからの引用ですが~債務上限問題で、テクニカル・デフォルト(債券の発行主体が資金面的には支払い能力があるにもかかわらず債務不履行状態になること)を回避するために、財務省が 5,690 億ドルの TGA(トレジャリー(米財務省)一般勘定)残高を引き出すことを余儀なくさせられている最中なわけですね。

これが、景気刺激的であり、QT(量的引き締め・FRBバランスシートの縮小)を通じて流動性を枯渇させようとするFRBの取り組みを、引き続き相殺するかたちになっている最中なわけですね。

ですから、TGA(トレジャリー(米財務省)一般勘定)の残高推移を見ましても、直近、ず~っと右肩下がりになっている最中なわけです。

こう言ったことを背景にしながらですね。
第167回寄稿ではっきりと述べました通り、「BTFP(FRBの新たな貸出プログラム・銀行問題からの緊急措置)」~BTFP~バンク・ターム・ファンディング・プログラムは、QEでもQTでもないんです。でもですね、とりあえず、それを分かって言っている、わからずに言っているとか、そういうことは別としてましてね。相当数の市場参加者が、これは、QEだあ~、買いだあ~ってなっている最中でもありますね。

FRBのバランスシートが膨らんだらQEなんだあ~と。この寄稿で述べた通り、人によっては、これは史上最短のQEで、また、QTになっちゃったよ~とかいいながら、とにかく、QEだあ~という人達もそれ相当数いらっしゃるわけですね。いずれにしましても、QEだあ~と言っている最中でもありますね。

今後特別な危機的状況が起こる場合を除いて、金利の引き下げはない


そして、金利引き上げサイクルは、5月で終了する。7月からは、金利引き下げ、そこから段階的に100ベーシスポイント金利が下がるぅ~と、なっている最中ですね。

(これまでこの寄稿で述べております通り、僕個人は、金利引き上げサイクルが終了するだけの話で、今後特別な危機的状況が起こる場合を除いて、金利の引き下げはないと思っております。)

前述の通り、TGA(トレジャリー(米財務省一般勘定会計口座)残高を引き出すことを余儀なくさせられていて、これが、景気刺激的という背景の中で、いろんなことが、その思いや期待、解釈の「”最中”」なわけです。


今、マーケットにフロス(泡、あぶく)が、立ちやすい


マーケットには、正しく解釈をしている人もいるでしょうし、そうでない人もいるでしょう。人それぞれ、いろいろです。解釈がどうの、だからどうという話をしているのではありません。
もちろん、こういう事も関係なく、ソフトランディングのシナリオを採用されておられるロングオンリーの機関投資家さんの一部は、株に対して非常に警戒しているという話も伝わって参ります。
行きつくところ、今、マーケットにフロス(泡、あぶく)が、立ちやすい環境、状況の”最中”でもあります。

それで、たとえば、S&P500のインデックスとかで言うなら、4100とか、4150とか、4200とか、4250とか、人によっては、強気な方だと、4300とか言います。

言うのは自由ですからね。ただ、これ、言葉にして、文章にして、数字を並べたら、こんな感じですけど、何かする時に、4100と4300じゃあ、これは、実際、体感で、全然違いますよ、全然。この部分なんです、僕が昨日など、これまで述べて参りましたのは。

今のマーケットを見ていて、4100と言われれば、あ~そうかなと思い、4250と言われれば、あ~そうかなと思い、4300と言われれば、あ~そかなと。もっとその上とか。そうなると言っているのではありまん。この環境、この状況で、泡の高さを計測する事は出来にくいと申しております。だから、今は、前述、日本の官房長官の市場に対するコメントのように、アウトライヤーは、なっているわけです(笑)。それでいいと、4月の頭から思って参りましたからね。

〇月に入ってからなんじゃないかな


「時」を使って、マーケットをよく見るというのは、このフロス(泡、あぶく)がいつ消えていくのかを、見るという事ですね。それは、4月ではないんじゃないかな、5月に入ってからなんじゃないかな、と思っているわけです。

第156回寄稿に、「泡は対策終了と共に去さりぬ」と記してございます。フロス(泡)はFRBの対策終了と共に去っていく、消えていくことになるのであろうと現時点では考えています。
これまで再三、述べて来ました、1月に買って5月に売るという、ごく一般的に、アメリカ株で言われている法則が、(今年1月に1月効果(株式市場への新規の資金流入)をはっきりと見た事から)、死んでいない、生きている年だとも思っています。

この寄稿で、過去に引用などをさせて頂いた事も全くございませんし、僕も、ホント、たま~に、チラ~ッと拝見するくらいなんですけどね。
アメリカ株のチャート分析をなさるアメリカ人がいましてね。
この2月、3月。
3月の終わりごろまで、ず~っと弱気な人だったんですよ。
それが、突然、4月になってからですかね。
手のひら返したように、S&P500、NYダウ、ナスダック、ナスダック100に対して、
4月の初めの時、突然、強気に転じられて。

その方いわく、とりあえず、まず、上がるんだと。それで、その後、ドッカ~ンと強烈に下がるんだという線を、どのインデックスに対しても引いておられましてね。

それで、そのとりあえず上がるんだというところのNYダウのチャートをチラッと当時見ましたら、35,000ちょっと上まで上がることに、その方の分析ではなっておりまして。ひぇ~とか思いながら(笑)。

僕が、すごくこの方をフォローしてるとか、コメント見ている、話を鵜呑みにしているとかではまったくありません。たまたま、その頃、チラッと見ただけです。

ただ、その水準は全く別としても、言わんとしていることは、なんとな~く、わかる気もするぅ~とその時、4月の初め頃、その方のチャートを見た時に、ちょっとだけ感じただけです。そもそも、僕は、上がるのかさえ、今、特に、アイディア、持っていませんから。
上がったら、上がったで。下がったら、下がったで。

価格ではなくて、時だと、ずっと思っていますからね。


だから、官房長官のコメント状態なのです。フロス(泡、あぶく)が立つのか、立たないのか。僕が、最後に買戻しをした時から、その直後すぐくらいから、結構な感じで、ずいぶんと、市場は暴騰した形になっていましたから、フロスが立っているんだろうとは、それは思います。
それで、これから先、そのフロス(泡、あぶく)の高さについては、測りかねるところがありますので。
その高さを測る事に血道を上げて、そこで対局するのではなくて、時間の経過と伴に、フロス(泡、あぶく)が消えていく方を観察する事に熱心になろうとして取り組んでおりますという事を述べております。

4点、数珠(じゅず)繋ぎ


さて、今日は、4点、数珠(じゅず)繋ぎ、株式市場にとって大事な事についてまとめます。

数珠繋ぎ1点目~リセッション(景気後退)


前回の寄稿で述べました、これから見るのは、「もっとQT」。
この「もっとQT」の環境下で、米経済が減速して行くと思っております。
「もっとQT」「いずれQTもろかぶり状態」を見る事によって、これまで述べて参りました通り、そこから、失業率が4%に向かって上がっていく構図が描かれると思っております。FRBの予想である~「2023年末までに失業率が4.6%もしくはそれより高い水準に上昇し、その後4%超くらいの水準に留まる」~おおよそ、時間をかけながら、このシナリオに収れんされて行くと思っております。

それで、12日に公表された3月連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨にあった、連邦準備制度理事会(FRB)スタッフは「銀行セクターで最近見られた展開が経済に与え得る影響についての判断」を踏まえ、年内に「穏やかなリセッション」が始まるとの予想を示した、という事へ、収れんして行くのかなと思っております。
ただ、ここで1点、大事な点は。年内に、リセッション(景気後退)が始まるというご意見に同調、僕もそう思いますが、それが、穏やかなリセッションなのか、深刻なリセッションなのか。

そのリセッションの深さについて。なにがどうであれ、とにかく、(FRB)スタッフは、公式要旨で、相当な事でもない限り、「深刻な」という言葉は、選択しないのではないかとは思いますね。

リセッションの深さについては、それは、その時になって見て。これまで、過去の寄稿で述べて参りました通り、逆イールドの深さから、今回、深刻なリセッションが訪れるのではないかというご指摘も、多々ありました。ここは、その時に見て見ましょう。僕個人は、マイルドな(穏やかな)リセッションとは、現時点で思っていません。シビアなリセッションについても当然考えています。

逆イールド~短期金利(米2年債利回り)が長期金利(米10年債利回り)を上回り、イールドカーブ(利回り曲線)が右下がりの曲線となっている状態のこと。一般的に景気後退の兆候として確度が高い。

僕は、「もっとQT」「いずれQTもろかぶり」状態から後の、米経済・景気の減速、急減速、ハードランディングというシナリオで考えております。


ちょっと、ここで、ひと呼吸して頂きながら、お考えになって見てください。
今ですね、失業率3.5%。アメリカで言われているのは、労働市場は引き続き逼迫していて~という種のコメントを私達よく目にするわけですよね。FRBは、経済・景気を減速させるために金利を引き上げてきたわけですね。
それで、第166回の寄稿をご覧になって頂けましたら、なのですが。この時のテーマが、「Fed(FRB)プット」でした。その寄稿で述べましたのは、今回、FRB、パウエル議長がやろうとしている事は、「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行くという事。「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行くという事の意味は、今回、この考え方はありませんよ、通用しませんよ、という事を意味して、述べています。
「Fed(FRB)プット」~損失とか市場の大幅な変動に見舞われた場合、FRBが状況を和らげるために支援に動いてくれるという「Fed(FRB)プット」という考え方。

これ、今回、「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行かずに、そう間髪入れずに金利を下げるような事をしたら、労働市場は逼迫したままでしょうしね。FRBが予想している、前述の~2023年末までに失業率が4.6%もしくはそれより高い水準に上昇し~云々とか、ならないでしょうね。そうなるのに、もっとずっ~と時間がかかると思います。上記の、こういうふうに収れんして行くでしょうというシナリオ、ぶち壊しにさえなりますね。

「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行き、QTという状態を背景により露出、より出すことによって、引き上げた金利をその高い水準でしばらくの間、年内、維持する事によっての、インフレ抑制なわけですからね。QTという状態がより露出する事によって、経済・景気が減速するわけですからね。これを、FRBは考えているわけです。こういう事だと解釈致しております。

「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行くという事と、この寄稿で言うところの表現で「もっとQT」~「いずれQTもろかぶり状態・QTより露出」は、今後の大事な背景だと思っています。ポイントはここですよ。

もちろん、今後も、委員会(FOMC)18人(投票権の有無にかかわらず、参加者18人)の中で、そのお立場、お立場からとか、政治的にとか、いろんな方がいろんなご発言なさり、それが報道されるでしょうけど。お一人お一人のご発言に惑わされる事なく、委員会(FOMC)の総意として、このポイントが崩れていないかどうかを確認して行く事こそ大切です。このポイントというのは、「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行くという事と、この寄稿で言うところの表現で「もっとQT」~「いずれQTもろかぶり状態・QT、より露出」です。

この寄稿でですね。過去に何度か述べましたが、リセッション(景気後退)という事と、インフレという事を比較はできませんと述べてきました。事柄が違いますから。いくらリセッション(景気後退)があ~と言っても、そりゃ、インフレが一番怖いわけですからね。比較できませんけど、表現として、はるかにインフレのほうが重大なわけで。事柄として大きいわけです。

「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行くという事と、この寄稿で言うところの表現で「もっとQT」~「いずれQTもろかぶり状態・QTより露出」という事から、マイルド(穏やか)なリセッションではなくて、よりシビア(深刻な)なリセッションが来ることも十分に考えられるわけですね。
ここで、もう一回、もうひと呼吸ついて、考えますとね。

これはですね。説明のために、ここで述べているだけであって、話をエスカレートさせて、そうなるとか言う事を述べて、何かを煽っているのでは全くありません。ここでは、どっちがマシかという、思考目的のみで述べています。

ちょっと極端な思考、話をしますとね。

ハイパーインフレションとリセッション(景気後退)と、どっちがマシですかって、事でもあるんですね。


「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行くという事と、この寄稿で言うところの表現で「もっとQT」~「いずれQTもろかぶり状態・QTより露出」という事から、マイルド(穏やか)じゃないリセッション(景気後退)が来ても、それは、やもう得ないでしょう、って。マシでしょ、こっちの方が、ハイパーインフレーションよりも

一部の地区連銀総裁のナイーブ(繊細・この寄稿で表現する過保護チック)な政治的発言は別として、この寄稿で述べて参りました通り、パウエル議長は、お覚悟の上で、インフレ抑制に取り組んでいると僕は思っています。
4月12日に発表された3月のCPI(米消費者物価指数)の(変動の大きいエネルギーと食料品を除いた)コア指数は5.6%上昇でした。去年から過去の寄稿で機会あるごとに述べてきましたが、パウエル議長が気にかけている数字は、それはもう、この、コアのインフレの数字ですからね。

そして、アメリカで過去10回のリセッションで見ると、そのうち8回、株価は約2割下落しているとも過去の寄稿で述べました。

数珠(じゅず)繋ぎ2点目~

これがクレジットイベントにつながり得る典型的な水面下での具体例であると認識しています。
第156回寄稿をご参照ください。

アメリカのトップクラスの専門家の方のご指摘からの引用~「クレジット市場の構造変化に注意を払う事」~【引用~「この資産担保証券(ABS:Asset Backed Securities)のメザニン部分のスポンサーシップ、いわゆる保険会社とか年金基金がこのメザニン部分に投資しようと考える時に、格付けがあまり機能しなくなっていて、保険会社とか年金基金の格付け要件を、もはや満たさなくなってきちゃってて、崩壊しつつある」とのご指摘なんですね。パウエルとは関係ないけど、こっちが本当に大事な問題だよって言う、この専門家の方からのご指摘なんです。】

メザニン債を抜きにして、証券化ビジネスできません


FRBの行動の結果として、この事に対して、これに多大な影響を与え、この事(メザニン債・メザニン部分)を今後も痛めであろう要因が、FRBが、「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行っているという事、これなんです。
これまで述べてきたように、メザニン債を抜きにして、証券化ビジネスできません。証券化ビジネスは金融機関の重要な収益源です。僕がこの寄稿で、ノンバンク、今回重要ですと述べている理由は、ここですね。証券化ビジネスとノンバンク。金融機関、特に中・小規模地銀およびノンバンクにとって大事なポイントですね。

現在、表面的にどう見えるか、どう映るか、どう言われているかは、別として(様々なご意見があるでしょうから。銀行問題は封じ込められているというご意見もございます)、僕は、この銀行問題、ノンバンク問題はまだ終わっておらず、この事が、クレジットイベントにつながり得る典型的な水面下での具体例であると認識しています。影響を受けているのは、地銀、ノンバンクのところ。

表現を変えますと、この寄稿で述べている、FRB、パウエル議長、そのお覚悟、「何かを壊すところまで」という表現の、「何かを壊すところまで」の「何か」。この寄稿で述べてきております通り、昨年2022年の3月から今年2023年の3月まで、すでに最速のペースで475ベーシスポイント(4.75%)政策金利を引き上げてきているわけですからね。そこから出来て来たひとつの結果として、メザニン債であり、証券化ビジネスの不調、不具合ということでもあるんですね。壊れつつあるところ。申し上げるまでもなく、大変大きな影響があるわけです。

メザニン債~資産担保証券(ABS)の発行に際してリスクを3分類した中で、中程度のリスク水準の債券のこと。建物の中2階のことを英語で「mezzanine(メザニン)」ということから転じました。証券化商品のうち最も安全なシニア債と最もリスクの高いジュニア債の間にあるものを「メザニン債」といいます。
(*の出所:大和証券)

数珠繋ぎ1点目の「リセッション(景気後退)」数珠繋ぎ2点目の「これがクレジットイベントにつながり得る典型的な水面下での具体例であると認識しています。」
ここが、この寄稿やスペースで述べ続けて来た~【BofA(バンク・オブ・アメリカ)のストラテジスト、マイケル・ハートネットさんの言葉をお借りして、「米金融当局が引き締めを終了するにはリセッション(景気後退)とクレジットイベントが起こる必要があり、それが新たな強気相場の始まりをひき起こすことになる」】~こういうことですね。

数珠(じゅず)繋ぎ1点目と2点目の根底にあるものは、FRBが、「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行っているという事です。

数珠繋ぎ3点目~今のマーケット


その第156回寄稿に、「泡は対策終了と共に去さりぬ」と記しました。フロス(泡)はFRBの対策終了と共に去っていく、消えていくことになるのであろうという意味です。シリコンバレー銀行の破綻が起こった時の寄稿は第133回でした。それ以来、事あるごとに、繰り返させて頂く形で、前述、15年前の3月にベアー・スターンズの事が起こった時に、まず先に、2,3か月約15%マーケットはラリーしたんですよ~というお話も再三再四させて頂きました。リリーフラリー(悪材料軽減からの反騰)したのです。その当時も、FRBによる対策が採られていましたから。

繰り返して述べさせて頂いておりますが、第160回の寄稿から~【2008年の時は、これまで述べて来た通り~「ベアー・スターンズの事があった直後から2,3か月続いた株のマーケットのリリーフ・ラリー(悪材料軽減からの反騰)、当時、約15%株は上昇を先にしました。そしてその後、そこから大幅下落しました。その当時の株の動きだけサラッと申しますと、その大幅下落からまたちょっと戻って、9月、10月、リーマンショックで暴落して、それでまたちょっと戻って11月にまたさらにさらに下落。そこからまたちょっと戻って、翌2009年年初から戻りも入れながらでしたけど大幅下落で、2009年3月にボコボコに大幅下落ってことになって。2008年11月に下落した時よりも2009年3月には、はるかに大幅下落。まあ、2008年の3月から2009年の3月まで1年間、長い1年だったわけですね。」】

第153回の寄稿で述べましたが~【自分が信頼を置く著名元FRBエコノミストの方によりますと、2008年当時、連銀窓口貸出制度へのアクセス、この対処、措置が取られた期間は、(著名元FRBエコノミストの方からの引用~「ベアースターンズ後の3月中旬3月17日から、日付としては、その年2008年の5月19日までであった」という事です。】

今のマーケット、ベアースターンズ直後あたりのところをやっている


これも繰り返し述べて参りましたが、今のマーケット、ベアースターンズ直後あたりのところをやっているのかというイメージを、もともと持って見てきましたし、そう見ております。似ているんですよね、当時と。目の前で当時見ていましたからね。ベアースターンズの事はあったけど、FRBが対策を取る事によって、「もうこれで大丈夫だ、この問題は解決した」と解釈した当時。VIX指数(恐怖指数)のレベルまで当時と今と似てますもんね。これまで述べてきました通り、時代は全く違いますし、事の性質も違います。ただ、起こった問題に対するFRBの対応、対策、それに対するマーケットの反応と解釈が似ているなあと思っています。

この数珠(じゅず)繋ぎ1点目、2点目、3点目が、数珠繋ぎの4点目~昨日述べましたイエレンさんの大規模イベント、天王山へとつながって行きます~

債務上限問題が解決を見たら、夏、〇月を目途


ず~っとこの寄稿やスペースで述べ続けております~【債務上限問題が解決を見たら、、、、、債務上限問題に対する米財務省の特別措置の期限6月5日。債務上限問題が解決を見たら、夏、8月を目途にして、イエレンさんがTGA(Treasury General Account)(米財務省一般勘定(会計))に、お金を穴埋めして行かなければなりませんから、そのために、米国債・米国財務省証券(T-Bills(国庫短期証券・割引債)などを強烈に売ることになりますよという事~これが大事なポイントです。】

リバースレポ・キャッシュフローのところにある2兆ドル(約266兆円)の一部を新規に発行されたT-Bill(国庫短期証券~国庫の一時的な資金不足を補うためや、国債の償還に伴う借り換えのために発行される割引債)に移行、シフトするというようなアイデアはあるのですが。そうは言っても、実際に、その時が来た時に、イエレンさんは、どうするんですか?っていう話です。
*リバースレポ~債券を担保として資金を借り入れる貸借取引の事。借り手側が資金を返却する際、担保とした債券が戻されます。レポ取引というのは、資金と債券を一定期間交換する取引の事です。


これら数珠繋ぎ4点の根底にある事


これら数珠繋ぎ4点の根底にある事は、前述、FRB、パウエル議長が「Fed(FRB)プット」という考え方を切りに行き、QTという状態を背景により露出、より出すことによって、引き上げた金利をその高い水準でしばらくの間、年内、維持する事によってのインフレ抑制。QTという状態がより露出する事によって、経済・景気が減速するわけです。これを、FRB、パウエル議長は、考えているわけです。」

この数珠(じゅず)つなぎになった絵が、FRBの金融政策とアメリカの株式市場の現在の関係でもあるわけです。

イエレンさんのご発言や言葉がどうとかじゃなくて、彼女の行動。
これを見ています。

「”いつ”それをするのか」「彼女が”どのように”それをするのか」~ポイントは、ここ


いったん債務上限問題が解決を見たら、、、
TGA(Treasuary General Account)米財務省一般勘定会計口座に対して、イエレンさんが、「”いつ”それをするのか」「彼女が”どのように”それをするのか」~ポイントは、ここです。

米財務長官が、そのFRB議長時代から、ハト、ハト、ハト、でいらして、大変長い期間にわたって、アメリカの金融政策と財政政策の中心にいらしているわけですね。その方が、この来たるべき天王山をどう乗り切るのかというところ、そこに、僕は、大変興味を持たせて頂いております。

あとはですね。実際にゴールデンウィークが明けてから、
市場と、具体的に、どう対局し、どう立ち回るか、これに尽きます。
タイミングが大事ですからね。

かれこれ、もう2週間以上前にですね。4月1日でしたかね。アウトライヤーのアカウントから、「ここのところ、僕が見たチャートの中で、”最も重要なチャートだと思っていますので”、ここで引用させて頂きました。と、この寄稿に記しました。”ホント大事なチャートだと思います”。是非、ご覧になってください」って、ツィートさせて頂いたんですね。第152回寄稿で引用させて頂きました~デフレがやってきています~Florian Kronawitterさんがシェアしてくださったツィートとチャートを掲載させて頂きました。
2月のM2マネーサプライは、1982年以来最大の(前月比)月間減少
Florian Kronawitterさんからの引用~「2月のM2マネーサプライは、1982年以来最大の(前月比)月間減少を見ました」~「デフレがやってきています}~引用終。
*「M2とは、マネーストックの一種で、市場全体に供給される通貨の量を測る指標。マネーストック~現金と預金通貨の合計は「M1」。このM1に定期性預金や譲渡性預金(CD)を加えたものが「M2」」~第14回寄稿から~


来週とかに、また新しいM2の数字出て来る


これですね。来週とかに、また新しいM2の数字出て来ると思いますが。
M2マネーサプライ、って早い話は、市中に出回るお金の量です。市中にたくさんお金が出回って、市中で、お金ジャブジャブになっていれば、俗にカネ余りとか言われます。そうであれば、株価、アメリカ株式市場にプラスの事ですね。

それで、ここで言っている事は、それとは逆の事が起こっていますよという事です。この寄稿の表現で、「いずれQTもろかぶり状態」と述べておりますが、今、もうすでに、こういうチャートが描かれていて、FRBはM2の供給量を減らしています。引き締めているんです。前述、「ソフトランディングのシナリオを採用されておられるロングオンリーの機関投資家さんの一部は、株に対して非常に警戒しているという話も伝わって参ります。」と述べました、この機関投資家さん達に限らず、どんなシナリオを採用していようが、機関投資家さんと言われる人達は、M2の数字を重要視なさっておられると思います。だから、僕は、「最近、僕が見たチャートの中で、”最も重要なチャートだと思っていますので”、ここで引用させて頂きました」と述べました。これ、大事な事でございます。

FRBが金利を引き上げ始める昨年3月の前の月、2月。
ウォールストリート・ジャーナル紙に、「パウエル議長は、M2の伸びが重要なインプリケーション(暗示・示唆)ではないと固執するが。ジェローム・パウエルは間違っている。お金を刷るという事がインフレを引き起こすのだ」というオピニオン(意見)記事が掲載されました。

ウォールストリート・ジャーナルの当時の見出し~引用~
”Jerome Powell Is Wrong. Printing Money Causes Inflation."
そして、当時、「パウエル議長は、インフレと通貨供給量という事は関連していないとまだ信じているようだが、、、M2の伸びは、経済見通しに対して、さほど重要なインプリケーション(示唆、暗示)ではないと、、、」
「いや、そんなことないでしょ。それ以来、米国の年率インフレ率1.7%から7.5%に上昇したわけだから。」と、当時、記事では、述べられていました。
このオピニオン記事は、共同で執筆されておりましたが、執筆者のおひとりは、第14回寄稿第152回で取り上げさせて頂きました、スティーブ H. ハンケ氏です~(レーガン政権時レーガン大統領に仕え、ジョンズ ホプキンス大学の応用経済学教授。ご自身、現在もフォレックスと商品のトレーダー)

インフレは束の間(transitory)ではなかったわけですからね。

〇〇マネーサプライ、って、とっても重要です。


世間では、時に、個別目柄で業績の良いところは買いだあ~、とか、リセッション(景気後退)にも、強いセクターや銘柄は、こうこう、こうで、ここは、買いィ~とかもあるのかもしれません。
それは人それぞれ自由ですから。そう思われることを納得してなさるのがよろしいといつも思っています。
それを否定したりすることは、僕の場合は、全くありません。

僕は、機関投資家さんの真似をしましょうとかって言っているのでも、全くありません。

そもそも、プールから水がかなり抜かれていて



ここで、僕が言っているのは、
「いや、私さあ、結構、泳ぎには自信ある。スピードもあると思う。いったん、水に入ったら、そりゃ、スピードじゃあ、ちょっと、そんじょ、そこらの誰にも負けないと思うわ~。まあ、見ててちょうだいよ~ぜひ、他を寄せ付けないレースをするから」って言って、プールに行ってもですよ。その行った先のプールで、そもそも、プールから水がかなり抜かれていて、競泳の腕をアピールできるほどプールに水が入ってなかったら、いくら私は泳ぐの速いって言っても、能書き以前に、まずは思うようには泳げませんから」という事を、述べております。僕なりの現実を述べております。

さて、今日の締めはですね。「トランプ、なんだあ~、ふざけるな~」これは重々わかります。僕もそう思います。それで、トランプのハチャメチャ時代から、「Build Back Betterより良い復興をやっていこうよ」 という事で、大統領に選ばれたバイデンさんのご意向を、汲みに汲んで、汲みまくって「Think Big and Act Big!大きく考えて、大胆に行動して行こう」という事で、景気刺激策、お金どんどん刷っちゃって、低金利政策長い事放置して、ZIRP(ゼロ金利政策)で、来られて、インフレになって。今も、CPIのコア5.6%上昇で。

FRBは、ご覧になって頂いております通り、事を緩めているのではなくて、現在、締めにかかっているわけです。僕は、この寄稿の寄稿当初から、「FRBに逆らってはいけません」と述べて参りました。僕の場合はという事にすぎませんが、仕事でも投資でも、僕なりに長い歳月の中で、FRBに逆らって、良い思いをしたことは、ほとんど記憶にありません。だからです。

僕はですね。まず、見るものを見てというスタンスです~【BofA(バンク・オブ・アメリカ)のストラテジスト、マイケル・ハートネットさんの言葉をお借りして、「米金融当局が引き締めを終了するにはリセッション(景気後退)とクレジットイベントが起こる必要があり、それが新たな強気相場の始まりをひき起こすことになる」】

リセッション(景気後退)とクレジットイベントを見ましたらね、また、新たな強気相場の始まりを見る事ができる日が来るといいなあと思っておりますし、まだ、先でしょけど、その日を待ってもおります。

弱気を述べる事ありきが、アウトライヤー寄稿の主旨ではございません。



フィディリティ・マゼラン・ファンドの伝説のファンド・マネージャー、ピーター・リンチ氏が私達一般に示してくださったように、事実とデータでやり取りして、その上で、その時、その時の自分のスタンス、目線、を述べる、事実とデータとやりする事が、アウトライヤー寄稿、アウトライヤーキャスの一貫した主旨でございます。

次回以降のアウトライヤーキャスの面白みとしまして


次回以降のアウトライヤーキャスの面白みとしまして、いくつか。
いずれ将来、それぞれその時が来た時に、寄稿ではなくて、ツィキャスで、わかりやすく、触れようと思っております、まずは、3点について述べてみます。

1点目


つい先日述べましたけれども。いずれ将来どこかで、実際にリセッション(景気後退)が来た時にですね。僕は、リセッション(景気後退)解説者ではありません(笑)。「今回のリセッションは、マイルドですね~とか~深刻ですね~とか(笑)、これが株の動きに影響を与えていますね~とか。僕にとっては、「ちょっと何言っているかわかりません」みたいな、そういう事ではなくて(笑)。どのように、そのリセッションの深さを測り、それがどう、次の債券市場、株式市場につながって行くのかなどについて、その時になったら、具体的に、アウトライヤーキャスで述べようと思っております。

2点目


僕がですね、TGA(Treasuary General Account)米財務省一般勘定会計口座の推移に対してましてね、機会あるごとに、このようにこれだけ強調させて頂いておりますのは、それには、それで、理由がございます。その理由につきましては、それが近づいて参りました時に、また、具体的に、アウトライヤーキャスで、わかりやすく述べさせて頂こうと思っております。

3点目


第166回の寄稿で、「行きつくところ、パウエル議長は、何を好まれ、何を嫌っておられるのか」という事について、ほんの少しだけ触れました。
これは、ホント、ポイントなんですよ~。
いずれまた、先で、時を経て、その時が来たら、これについて、もっと真実味に迫ったところを、具体的に、アウトライヤーキャスで述べるつもりでおります。「何を好まれ、何を嫌っておられるのか」ですね。

今後、今年のリスクアセットにとりまして、すごく大事なポイント


上記につきましてはですね。もったいぶってこう言っているのではありません。
これらは、今後、今年のリスクアセットにとりまして、すごく大事なポイントになるからです。それぞれ、その適切なタイミングで、申し上げないと、やはり、その意味が薄れてしまいますのでね。それで、こう申しております。

どれも、まだ、先、ゴールデンウィーク過ぎてから後の話です。


本日の寄稿の冒頭に戻りまして。
まずは、足元から、見て参りましょう。



第171回へ続く



最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
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