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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿(14)

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第14回全文無料で皆さまにお届けします。

🍅🍅


弟子のNEOさんへ
アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。

笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。

背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。

一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


第13回から続く


投資それすなわち仕事

そう言えば。ミラトレは、いいですね。
上手そうな人を真似る。勝馬に乗る。なんでもモノマネから入って、本人よりうまくなっちゃったりしたら、そうれはもう最高です。な~んて。
僕はミラトレ良いなと思っています。トレードするんでも、仕事を習得するんでも、ものまねからやるのは、いろんなことその都度学べるし、それが積み重なってけば、いいなと個人的には思ってきました。そこから、ひいては、自分でアレンジ。一定期間、それ(ものまね)を、研究しながらでも、勤勉に、真面目にやるだけで、その効果は大きいと思います。期間は人それぞれでしょうが。自分の経験からも勤勉に、ものまねを継続していると、ある時、パアッと自分の世界が開けてきますし。そしたらもう、こっちのものくらいの勢いとノリで。(笑)
投資それすなわち仕事。仕事って本来「最近、仕事に追われてて、忙しいんだわ」という、「追われるもの」ではなく、仕事って「追いかけるもの」だとずっと思ってきました。仕事・トレンドを追いかける。良いですね。

もちろん僕は、アメリカ株のトレーダーをやった経験はありません。ニューヨークのトレーディング・フロアーに、その時々、ウォール街を代表すると言ってもいいような、ピカいちのトレーダー達がずら~と並んで座っていました。その間に、座って、いろいろ議論した記憶はだけあります。

僕等、到底およびでありません。(笑)ニューヨークを訪問するたびに、うんと時間を使って、仕事、お客様行脚はもちろんの事、一緒に、ご飯食べたり、話したり、スポーツしたり、家に遊びに行ったり、たくさんの細かい事、その時々、学んだりしました。そういう実体験を少々生かしながら、中長期の投資をしているだけです。短期の売り買いをしているわけではありません。微量のちょこちょこバタバタはあったとしても。(笑)

アメリカ株投資以外の集中投資を行った時、師匠が言っていた、以前の寄稿「大相場、誰も儲からず」で、僕の単純な表現ミスで、触れていなかったのは、「少し利が乗ると、すぐ利食いたくなる心理が働き、そういう場合があるでしょう。その後の見通しも含めてですが、この時の忍耐がとっても大事」「discipline」という言葉 - 「訓練、鍛練、修養、教練、鍛練で得た)抑制、自制(心)|は、実際に当事者として相場をする事に取り組む時、この時のためにあるのではないかとさえ思います。
トレンドのどの地点にいるのか。立ち位置の確認をして、次のトレンドを追いかける事、そのトレンドに乗っかる事、乗っかったら簡単に降りない事だとこれまで思ってきました。あくまで、「これまで」です。これからは、ちょっと違うかなと思っています。これらは、あくまで、「これまで」、過去30年超のマーケットから学んだ事にすぎません。僕は約42年前、子供で、市場にいなかったのでその市場を体験など全くしてません。


今後は、むしろ、「乗る、すぐ降りる」「惚れない、執着しない」事こそ大事


過去12回の寄稿で寄稿させて頂きました通り、今、僕の立ち位置は、おおよそ42年ぶりの事を前提に立っていると思っています。これが何らかの理由で条件変化しない限り、今後は、むしろ、「乗る、すぐ降りる」「惚れない、執着しない」事こそ大事だとも思っています。前述は、投資家の心理面についてのお話です。このインフレに見舞われたマーケットでは、大幅下落も意識しながら、執着する事なく、素早い動きのみが求められるのではないかとさえ思います。何人かの米著名人の指摘にあるように、株でリターンをとって行くというのは、今後、なかなか大変そうな気さえしていますので。第3回の寄稿で寄稿させて頂いた「相場も毎日毎日は下がれませんから、自律反発やショート・スクィーズ、それに誘発されたカバーなど、反発局面もありながら、後で見たら、下落した、上がれない、という~」。
「下落した、上がれない、横ばい」やっかいです。その時が来たらまた考えますが。経験則からは、1990年8月始め、8月2日でしたかね、イラクがクェートに侵攻しました。以来、湾岸戦争開戦日までの期間。もう毎日何してんだろうというくらい、悶々とした期間でした。湾岸戦争は、年をまたいで、翌年1991年1月17日、多国籍軍が空爆を開始して始まり、戦争開始直後即座に、市場は爆騰しました。今、頭を再度よぎるのは、もう毎日何してんだろうと、悶々と考えながら仕事していた頃の事です。ですから、今、注意を払っているのです。

ここで買ったと仮定してとか、ここで売ったと仮定してとか、そもそも、そういう疑似的な類の仮定の話を信じませんし、聞いてもいません。(笑)実際に、自分のお金で、そこでポジションとった瞬間に、もうその時点で、心理が違いますから。皆さんも多かれ少なかれ、いつも感じておられることではないかと推察致します。何事も、その当事者として、経験する事だと思います。

経験してもいないのに、さも経験したように話す人には、僕はあまり近づきません。人それぞれなので、何でも自由でいいのですが。
余談ですが、先日、とある会社の社長さんと僕と2人で、「企業経営したことないのに、経営コンサルタント?」「よく意味が分からんなあ???」と2人で顔を見合わせたことはありました。(微笑)

インフレ、金利、企業業績、まあ、いろいろありますが、何のかんの言って、国際比較すれば、抜け出すステージに入った時は、アメリカが一番に抜け出すんだろうなとは思ってます。FRBが、一貫性をもってしっかりしている、ぶれない事が前提ですが。
アメリカは、政治でも経済でも金融でも、論争がいつも激しいですもん。ものすごい論争してますもん。至る所で。自分も仕事上では、その激しい論争に加わってきました。論争からなにか引き出せたり、なにか生まれる事も多いですから。

日本でも、アメリカでも、演説という言葉をよく聞きますが、アメリカではディベートという言葉をもっとよく聞きます。日本では、あまり聞きません。
政治家なら、ディベートでしょ。って僕は思います。演説って、自分で好き勝手喋れるし。一方的で構わないし。さも、まことしやかに語れるし。相手と、その政策、理論、意見をディベートしないと。政治家の方には、その上で、政治政策を、実際に、実行してほしいですね。
アメリカの大統領選の前(大統領選に限らずその他様々な選挙・今回の中間選挙しかりで)でも、モデレーターがいて、たとえば約2分間ずつくらいの持ち時間で、双方の候補者がディベートするじゃないですか。トランプ氏は異なりますが。彼は一方的に好き勝手喋るだけなので。日本の政治家の方も、丁寧な言葉遣いも大事なのでしょうが、一方的に、「思い」や「希望的観測」を話すのではなく、政策に基づいてディベートする機会をもっと多く設けて、ディベートの訓練されるとよろしいでしょうに、とよく思います。何やっても、一定期間、訓練を受けた、訓練したという人とそれがない人とでは、結果は自ずと異なるような気がします。

その訓練の第一歩としても、ミラトレ。いいじゃないですか、と思ってます。

企業業績、経済・金融、コーポレート・アメリカ(アメリカ株)、FRB、ひとつずつ。
先週、注目されていた企業の業績発表を見てました。かつて、ウォーレン・バフェット氏が、「自分が良く知っている、なじみがある、よくわかっているものに投資する。コカ・コーラとかマクドナルドとか」80年代の安定成長株の代表銘柄です。2022年、僕の身近な生活にあるのはアマゾン。ほとんどの重要項目で、第4四半期の見通しに対して、下方修正していました。先週の業績発表時、アマゾンのピークを見たような気がしました。
経済指標にはLeading indicator(先行指標)とLagging indicator(遅行指標)とがあります。僕は企業業績を見る上で、アマゾンの第4四半期の見通しに対する下方修正は、コーポレート・アメリカに関する先行指標なのかなあと思って見ていました。

スタグフレーション一歩手前


以前、第3回の寄稿で、リセッションの定義やスタグフレーションという言葉に触れました。第3回寄稿文から引用~「GDPの2四半期連続マイナス成長をリセッションの定義として学んだ記憶があります。」「皮肉も込めて、選挙の年の言葉の定義や使い方は難しいですね。(笑)リセッションとか禁句。スタグフレーションなんて、何それ?そんな造語、聞いた事さえありません!って感じですかね。(笑)」

スタグフレーション一歩手前?とも寄稿させて頂きました。

スティーブ H. ハンケ氏。レーガン政権時レーガン大統領に仕え、現在は、ジョンズ ホプキンス大学の応用経済学教授。ご自身、現在もフォレックスと商品のトレーダー。すごく興味深い挿絵にコメントをつけてくださっていましたので、興味深く拝見致しました。

挿絵は、ご覧の通り、RECESSION(景気後退)という名のクジラが、大きく口を開けて、ボートに乗っているお二人を飲み込まんとしています。ボートのそばでは、インフレーションという名のサメが泳いでいます。ボートに乗った二人のうち、一人は、(呑気に?)パソコンをいじりながら。二人の会話は、”(そうはいってもさあ。)少なくとも俺達、まだ、仕事あるよ~”

スタグフレーション景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象。景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Inflation)」を組み合わせた造語」


元米国大統領顧問のスティーブ・ハンケ教授

スティーブ・ハンケ教授のこの挿絵に対するコメントは、「まごつき不覚を取り失敗した、バイデン大統領の経済政策とパウエルFRB議長による間違った金融政策のおかげで、来たるべきスタグフレーションで、(今)良い仕事についているそういう人達でさえ、安全とは言えなくなるだろうね。」

SNS上にも、現実の生活上においても、この構図を冷静に見ているアメリカの人々は多くいるのであろうと推察します。中間選挙で共和党が有利か?と一部世間で憶測されているひとつの要因ではないかと思います。選挙については、結果が出た時、その結果を見る事にします。

今回、ここで、スティーブ・ハンケ氏のコメントを引用した背景をご説明させて頂きます。

NEOさんや皆さんへの受けを狙って、受ける事目的に、その時々、場当たり的に思いついた、人々のコメントを、断片的に引っ張って来て、自分の見方に正統性をつけよう、とか、知ったかぶろうとか、そういう意図や事は、全くありません。僕個人の見方は、どうでもいいですし、あまり重要でもありません。当たる時もあれば、外れる時もあるでしょう。重要なのは、私達が今置かれている環境、今そこにある環境、それです。それに対するピュアな認識を持つことです。

日常生活においても、トピックスや会話が多方向に拡散する事を好みません。会話の目的に沿って、集約されて行く事を好んでいます。

これまでの寄稿の繰り返しとなりますが、マーケットに対する行動も見立ても、ルールに基づいて、定点観測する事、ルールに基づいて行動する事、修正する事を、取り決め事としています。よく、ルール・オブ・ロー(法治)って言いますが、マーケット事も、ルールがとっても大切です。

今回スティーブ・ハンケ氏を引用したのは、これまでFRBの金融政策を見るにあたってもそうですが、僕が見てきたハンケ氏は、「20世紀後半におけるマネタリスト・新自由主義を代表する学者として位置づけられているノーベル賞受賞者・ミルトン・フリードマン博士をすごく、よ~く見ている人だからなのです。ミルトン・フリードマン博士に、ご興味のある方は、詳細につきましては、ググって頂ければと存じます。ミルトン・フリードマン博士は、「インフレーションの要素に対しての姿勢や政策を重視した人であり、また、経済に与える貨幣供給量の役割を重視して、それが短期の景気変動および長期のインフレーションに決定的な影響を与えるとした人です」

ちょっとここ強調気味なのですが(笑)、現在私達が置かれている環境・状況において、この部分を見落とすことはできないのです。とっても大切な要素であると思っています。この点の説明は、以上です。


アメリカ実質M2~前年比ベース・チャート(元FRBのエコノミストのおひとりがこれ見ておくようにと指摘してました)

M2とは、マネーストックの一種で、市場全体に供給される通貨の量を測る指標。マネーストック~現金と預金通貨の合計は「M1」。このM1に定期性預金や譲渡性預金(CD)を加えたものが「M2」」

先日寄稿させて頂きました引用を、再度、投稿させて頂きます。
コーポレート・アメリカ。チャートを見る時、ナスダック100の時価総額とS&P500の時価総額の間に、高い相関関係があるという事も頭に入れながら、チャート見てます。


S&P終値ベース・オシレーターは、データが存在する機関(25年)で2番目に買われすぎの状態


引用~これは、まさに、強気派がFRBに送ったメッセージ。
「ありがとう、議長。もうひとつお願いしてもよろしいでしょうかね」
今日のS&P終値ベース・オシレーターは、データが存在する機関(25年)で2番目に買われすぎの状態を示唆してます。
唯一2018年(ACTUAL)ピボットに次いで2番目ですよ。学校は、ファンタジー(幻想)とリアリティ(現実)の違いを教える必要があるんじゃないの。
引用終。


FRBのバランスシート 今年 最低レベル


FRBのバランスシート先週、今年で最低レベルを記録、4月のピーク時から$242 billion 、過去5週間で$94 billion の縮小。これは2020年7月以来、最も大きな縮小幅ですね。FRBは、ここにきてやっとQT(金融引き締め)のペースを強化し始めましたね。

既に一度、第3回寄稿時に寄稿させて頂きましたが、
「政策金利の引き上げと共に、ちまたで報道されている通り、FRBのQT(量的引き締め)が9月に「本格化」、「9兆ドルのバランスシート圧縮加速、保有証券の月額上限が9月から950億ドルに引き上げで、9月と10月のTB保有圧縮、23年9月までで最大規模に」ロイターの、とある記事で読んだのですが、あるアナリストはこの全体の効果を、その人の分析の場合、450ベーシスポイントと換算してました。金利引き上げ継続とバランスシート圧縮の合わせ技ですね。」

これまでにも過去の寄稿ですでに触れさせて頂きましたが、中間選挙前ですので、イエレン財務長官による力仕事(アメリカのトレジャリーマーケットの流動性に対する懸念表明から始まって)もあり、リセッションなど、言葉の解釈やその定義、その説明のしかたに、美技のような事もあり、今日ここに至っています。前述の「リアリティ」を受け入れるのかどうか、受け入れるまでにあとどのくらいの時間を要するのか、まずはFOMCを見ます。そして、経済指標が示す、数字の推移はどうなの?という観点から、現状認識をして、自分の立ち位置の確認をしておきたい、それを欠かせないと思っています。

今後、FOMC、雇用統計、もちろんどれも大切ですが、11月10日消費者物価指数(CPI)大事ですよね。以前の寄稿で、「人がどうしたこうした」、とか、「事実の羅列」より、「アイデアの話」という事を述べさせて頂きました。「株。10月31日のマーケットで、空売りする機会を見つけて、CPIの発表前に、撤退(利食い抜けたい)」というアイデアを昨日出している人がいました。それに賛成する人もいれば、そうでない人もいて。いずれにしても、アイデアの話というのはいいですね。

昨日は、ブラジル大統領選で、ルラ氏が勝利したニュースを見ました。ポッドキャストなどで、番組を主催するアメリカの著名人のおひとりが、「ルラが、ボルソナーロを打ち破って、ブラジルでファシズムが負けた」~(ボルソナーロ氏は、トランプ支持者でもあり、典型的な権威主義者ですから)「ア・メ・リ・カ!(アメリカよ)、次は私達の番」とおっしゃっておられたのが印象的でした。

第15回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連note

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①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
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『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。

サポート🍓本当にいつも有り難うございます。