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にわ。
2020年10月18日 00:32
【日日是考日 2020/10/17 #005 】先日、東京タワーに登った。地上250mの夜景からは、殷賑と閑散とを表す光と闇が無数に繰り返される様子が俯瞰された。点々と輝く光は、絵画のように調和して全体の光景を成している、というより、個々が我よ我よと群衆の中から抜きん出ようとしたがっているように見えた。いかにもこの個人主義の時代を眺めている気分になって、僕には無口なはずの光達はどうにも喧
2020年7月8日 17:12
我ながら、巧い釣針を工作した心算に悦んでいるが、竿を振ったその先が、大海であるか、小さな湖畔であるか、は我が靄の為に彼岸を確認できそうもない。其は其として、昔から家の娘を守った邑々も、段々えたいの知れぬ村の風に感染(かま)けて、忍び夫(づま)の手に任せ傍題にしようとしている。 これは、折口信夫氏による『死者の書』からの引用である。通常、「感ける」と書いて「かまける