にわ。

北海道大学文学部卒。フリーター。小説や短歌、随筆などを書いてます。 ドラマー。カナダ、…

にわ。

北海道大学文学部卒。フリーター。小説や短歌、随筆などを書いてます。 ドラマー。カナダ、オーストラリアいた。発達障害者。ファッション金欠。ベイプスモーカー。INFPとENFPを行ったり来たり。ハイパーファンタジア。犬派。右から左へ受け流すより、下から上へ受け流す派。ホヤホヤ。

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長編小説×1、短編小説×2、短歌×30なんとか9月中に完成させることができた! 目標達成!!あざす!!! 9月は1日の休みもなく、毎日仕事終わったあとも夜まで書き続けて、身体も心もちゃんとやられたけど、どんな形でもいいから将来につながるといいなぁ~🥹

    • 【1分小説】自己相似性

       数年ぶりに訪れた京都は異邦の喧噪に支配されていた。流暢な言語がそれぞれの彫りを刻みながら跳び交い、私の耳に流れ込む。知らない言葉は意味を帯びる由もなく、ただ不鮮明なノイズとして響く。ノイズはギザギザしたフラクタル模様として私の心象に映し出され、そのせいで、この目がたしかに捉えているこの京都の商店街もグリッチがかって見えた。小一時間まわった頃には、古いオーディオの電熱線みたく、私の頭は騰せていた。  ここは嫌いだ、と思った。それと同時に、自分が存在する、いる、あるというだけ

      • 【1分小説】眩耀

         午前五時五二分の眩耀が僕を殺す。陽射の一閃が身を切り裂き脊髄を貫通する。今日は大した予定ない。何にかこつけなくても二度寝できるのだが、目はとっくに明るく、血は駆けている。目覚ましに脳天を射抜かれた脳はまだ暈けて、眩んでいる。まだ眠りたいのに眠れない。この意識と身体のギャップが厭わしい。  なんとなしにスマホに手が伸びる。あの子から午前二時ちょうどに着信が一件あった通知が残っていた。  スマホは「5:54」を表示している。

        • 【1分小説】寝穢い

           どうせ好きでもないくせに、あなた、私のうぶ毛を優しく撫でるから、私、乳首が疼いちゃって、あなた、それを見逃さずに、すかさず味蕾を擦り合わすの。どうせ好きでもないくせに、私、声を殺せなくって、嫌いになれない理由探すの、忘れちゃうの。唇と生身とそれから陰が重なり合うとき、そのとき、私、あなたが私を愛してる、って信じてる。  あなた、いつもコトが終わると煙草吹きに行く。気づいたら、私、裸のまま、あなたの腕の中で丸くなってるの。  あなたいつも朝まで寝穢く熟睡。だから、私、これ

        長編小説×1、短編小説×2、短歌×30なんとか9月中に完成させることができた! 目標達成!!あざす!!! 9月は1日の休みもなく、毎日仕事終わったあとも夜まで書き続けて、身体も心もちゃんとやられたけど、どんな形でもいいから将来につながるといいなぁ~🥹

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        • 1分小説
          12本
        • 小説
          6本
        • 短歌
          4本
        • 時代の潮流
          3本
        • 哲学片
          6本
        • 文学片
          8本

        記事

          【1分小説】老獪

           蝉が脳天直下で土にぶっ刺さって死んでる。身体も羽が一枚捥げているだけで、あとはまったく完全である。どうしたらこんなに綺麗に死ねるのか、私の関心はこの一点にあった。  これは自殺にちがいない、さもなければこんなに綺麗な形で死ねるはずがない、と思った。きっとこいつは六日目の蝉だったのだ。生後六日にして、そろそろ老いを感じ始め、老体に鞭打って惰性に生きるよりも、諦念して綺麗に死ぬ方が美しいと思ったのだ。だから、フカフカの土壌を見つけたとき、そこで羽をばたつかせるのを止め、脳天か

          【1分小説】老獪

          【短歌】トキメキはもう諦めた

          トキメキは もう諦めたと 言いたくなくて 短冊綴る 人類滅亡 鉄格子 越しに覗く 奴の目が 俺を惹き付けるから また血が垂れる ガラスの海に 飛び込む君の 背中見て 真っ赤に染まる 腹を見ず 君微笑んで 僕が死ぬ そんな世界線 あってくれたら 会わなくていいのに 晴れるから これは影がない 黒がない 奥行きがない お前のことだよ。 自分には ない明るさを 持っている 世界が睦むと 嘯いてみる 世の中が 偽りで満ちて いるなんて 嘘をつくから 嘘つけないんだ 真夜

          【短歌】トキメキはもう諦めた

          いまさらながらXのアカウント作った! https://x.com/outi_kaerou?t=9eqwr_zSbHdIZZbyq0vW5A&s=09 好きなことつぶやく👼

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          【英語の短編小説】The Lack of Circle(途中まで)

          I was on the way to going back home from the funeral. My grandmother died two days before, was all of sudden but didn't surprise me. The funeral was held only between her family. She had always gotten along with her friends but none of the

          【英語の短編小説】The Lack of Circle(途中まで)

          気づけば日本に戻ってきて1年。 まだ日本が好きかどうかはわからないけど、 日本語が大好きで、日本語で生きていきたい。

          気づけば日本に戻ってきて1年。 まだ日本が好きかどうかはわからないけど、 日本語が大好きで、日本語で生きていきたい。

          【1分小説】同衾

           私は男の腕の中で丸くなってる。今日会 った彼と同衰している。マイナーなアーティストのライブで一緒に涙していた彼に布越し触れているだけで、温かいより温かか った。 「今、めちゃくちゃシたいし、めちゃくち やシたくない。」 「ウン。」 「なんか、、うーん、シたら味わったこと のない感情がある気がするし、逆に今ある エモさがすべて崩れるような気もする。」 「わかるよ。」 「どっちにせよ性欲はない。」 「わたしも。」 「だから、、絵画に性器でブスブス穴開け るみたいナ

          【1分小説】同衾

          投稿再開して1ヶ月になりました。 大変ありがたいことに、予想以上にたくさん人に読んでいただけて、いいねやコメントいただけて、めっちゃ嬉しいですಥ⁠_⁠ಥ また、感情を動かされる記事に多く出会えて日々みなさまから刺激をいただいています。 ありがとうございます! これからも何卒(ry

          投稿再開して1ヶ月になりました。 大変ありがたいことに、予想以上にたくさん人に読んでいただけて、いいねやコメントいただけて、めっちゃ嬉しいですಥ⁠_⁠ಥ また、感情を動かされる記事に多く出会えて日々みなさまから刺激をいただいています。 ありがとうございます! これからも何卒(ry

          【1分小説】絡繰

           海底の昆布のように潮に流される群衆を、渋谷スクランブル交差点、TSUTAYAから、鴎の目で眺めていた。人は鳥瞰すると文字通り上から目線になる。それが心理的トポロジーの単純な絡繰とも知らずに、人は人を卑下する。ここは賤しい音素で満ちている。  だから、この炎天下を歩く縒れたワイシャツおじさんに握られるハンディファンに私はなりたいと、思った。頭頂から覗く汗が滲む肌、汗で肌着のぴったりくっついた輪郭を顕にするビール腹、そのベタついた手の中でうねる似つかわしくない私。誰よりも彼を

          【1分小説】絡繰

          【1分小説】翅脈

           カフェラテに蝿が落ちた。必死に蠢いていた肢足も次第に黙り込んでいく。時にしておよそ300秒、ミルクが翅脈に浸透しながらしながら、命が除々に尽きていくのをぼうっと眺めていた。こいつはそういう運命にあったのか、あるいは、こいつの自由な意志がトラップになったのか知らない。とかく、私は哀悼する他できない。蝿を追悼する。牛乳を追悼する。エスプレッソを追悼する。黙祷を捧げる私の声を聴く死脈が、苦しいって今日も私を求めて呻く。 【翅脈(読み) シミャク】 昆虫類の翅(はね)に見られる

          【1分小説】翅脈

          【1分小説】嗉嚢

          「蟻って二つ胃があるって知ってる?」 「へー、そうなの!」 「一つは普通の自分の胃で、もう一つは飢えた仲間に蜜をあげるための胃があるんだって。」 「ふーん、素敵だね。」 「だよねー。嗉嚢っていうんだ。」 「そのう、、?」 「うん。だからさ、もし君が飢えてたら、僕がオロオロオロ~って胃の中のもの吐いて食べさせてあげるねw」 「なにそれーーwwきもちわるいーーw」 「オロオロオロ~~はいどうぞ~」って差し出してきた茶碗型にした手をはたきながら、「こいつのために料理

          【1分小説】嗉嚢

          文芸新人賞(9月30日締切)に向けて書いていこう。順調に間に合わないから、ぶっ倒れるまで。

          文芸新人賞(9月30日締切)に向けて書いていこう。順調に間に合わないから、ぶっ倒れるまで。

          【1分小説】啼泣

           「あなたは救ってもらわなくたって生きていけるんでしょ。」君はそう言放つと、僕の胸に飛び込んだ。心の溶液が曝し流れたような重い涙がYシャツに沁みる。不規則な過呼吸に嗚咽が挿まる。どう足掻いたってSOSなのに、抱きしめることしかできない。頭を行き交うどんな想念も言葉にはならない。  言葉に吐逆して僕の口を潤すものは笑みであった。僕はこうして君に縋られることによってしか生きていけないのだから。  「君がいないと僕は生きてけないよ。」僕の真に「嘘だ!」と言って、君は僕の胸に拳を

          【1分小説】啼泣