【1分小説】眩耀
午前五時五二分の眩耀が僕を殺す。陽射の一閃が身を切り裂き脊髄を貫通する。今日は大した予定ない。何にかこつけなくても二度寝できるのだが、目はとっくに明るく、血は駆けている。目覚ましに脳天を射抜かれた脳はまだ暈けて、眩んでいる。まだ眠りたいのに眠れない。この意識と身体のギャップが厭わしい。
なんとなしにスマホに手が伸びる。あの子から午前二時ちょうどに着信が一件あった通知が残っていた。
スマホは「5:54」を表示している。
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