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カレーは味噌汁である、サラダは漬物である ―食の比較文化的エッセイ―

私は、フランス留学中の20歳代、食の「コペルニクス的転回」を経験した。それまで、ただお腹が一杯になればいいとしか思っていなかった私が、ある深夜、自室で食べたカップヌードルのおかげで、以来、食べるものすべてがマンダラのように、あるいは交響曲のように、口の中で展開するようになった。ちょうど、音楽の世界で「絶対音感」があるように、私の舌はいつのまにか「絶対味覚」を身につけ、いかなる情報や刷り込みにも影響されることなく、食の中に、時として常識をくつがえすような経験・発見をしていった。

今回、その経験・発見の一端を、折々に綴っていきたいと思っている。どんなトピックについて書くことになるか。以下が現時点での案である。

・カレーはみそ汁である

・サラダは漬物である

・フランス人はデザートを食べないと病気になる

・フランス人の食の三つの神器は?

・なぜプロテスタントの国の料理はのけぞるほど不味いのか?

・ニューヨークの歩道の味は?

・イチゴを瞑想する

・天地を突き抜けるお茶の味

・茶の湯の湯気はなぜ美しいのか?

・お菓子を「にらむ」

・日本に理想的なサンドイッチは存在しない

・寿司飯ダンス

・カウンターと喧嘩

・黒板とワインがある教室=家!?

・回転寿司は寿司ではない

・京都の焼き鳥のミニマリズム

・コーヒーの値段はあなた次第のカフェ

・京都のおもてなし:座布団による差別

・京都のカフェのファシズム

・完璧なステーキフリットの肉はアメリカ産だった

・料理と子育てと教育は「見守り」が大事

・料理は「腰」でするもの

・大腸との対話

・上善如水すぎた酒!?

・高級ワインは糞尿の香りがする

・メルローが好きなあなたは初心者である

・サドとサティが飲んだくれた?ワイン問屋に住んだ私

・なぜバブル時代に日本人である私がフランスでチップをもらえたのか?

・フランス人の夕飯はなぜ2時間もかかるのか?

・茶の湯はミサだった!?

・最高のパンと目玉焼きはサマルカンドにあった

・1分で崩れる完熟イチゴ

・ビールでシルクロード横断

・麹と腸内細菌との対話

・ポトフと「陰翳礼讃」


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